ASEAN主要7カ国+インド マーケットの入口

【タイフェックス成功マニュアル】福島あおさがタイのバイヤーに大人気!タイ食品商談会THAIFEX 2025で東北産品が輝いた成功の秘訣

【成果】数百人ものB2Bバイヤーが東北ブースに来訪し、数十件もの商談が成立

タイB2B食品商談会のタイフェックス2025での東北・新潟地域産品のプロモーションが大成功を収めました。
2025年5月27日から31日までタイ・バンコクで開催された「THAIFEX-Anuga Asia 2025」において、東北・新潟県産地域産品のブースは、新たな販路確保・拡大という目的を大きく上回る成果を達成しました。過去最大規模となったこの展示会には、一般客を除き143カ国・地域から88,349人もの食品バイヤーが訪れ、最終日の一般開放日を含めた全体来場者数は14万2,370人に達しました。私たちの東北ブース(東北経済連合会主催)では、数百人のバイヤーからの来場アンケートを獲得し、数十件もの商談が成立するなど、東北産品のタイ市場における大きな可能性が再確認されました。

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【成功の理由】日本製品で溢れているタイでは、とがった本物の製品が求められている

なぜ日本の地域産品はタイでこれほどまでに受け入れられたのか?
この成功には、いくつかの明確な要因が挙げられます。

■「JAPAN」ブランドの強力な訴求力からの東北産品の説明
・ブース名に「JAPAN」という単語を入れたこと、四季の東北観光ポスターを背景にした装飾、そしてスタッフの説明によって、来場者はブースが「JAPAN」の東北地域産品であると認識し、好意的な反応から試食への意欲が高まりました。
・会場マップで「高級食材」カテゴリーに位置付けられていたことも、来場者誘致の大きな要因となりました。

■「ご飯に合う」コンセプトと効果的な試食提供
・タイには多くの日本食レストランやスーパーがあり、日本のお米と一緒に食事をする習慣が広く浸透してきています。この食習慣に着目し、地域産品を単体ではなく、各県産のご飯に各県産のおかずを乗せて提供したことで、来場者の反応が非常に良好でした。
・地域産品のみの試食では辛さやしょっぱさが目立つ可能性がありますが、お米と一緒に出すことで味がバランスよく評価。初めて目にするおかずに対しても、来場者は積極的に香りを嗅いでから試食する様子が見られました。

■「地域産品だからこそのユニークさ」と「日本での人気商品」への高いニーズ
・タイのバイヤーや消費者は、一般的な日本食がどこでも手に入る状況であるため、「日本で人気のある商品」や「東京のスーパーや百貨店でも売られていないような地域産品」といった特別感やユニークさを強く求めています。
・ユニークで日本で人気の商品であれば、価格がある程度高くても構わないというタイ人バイヤーの考えがあることが明らかになりました。

■タイB2Bプロモーションとタイフェックス会場でのブース運営
・タイの飲食関連・東北関連の方々への案内状の送付・メールでの事前告知が来場者誘致に効果的でした。
・タイ語・英語・日本語の多言語対応アンケート、日本らしいノベルティ(カラフルべこ、秋田犬缶バッジなど各県ごとに用意)の配布も、日本らしさ・東北各県らしさの見える化により、多くの来場者のアンケート回答と商談への誘導に貢献しました。
・多国籍の飲食店、小売店、食品卸、商社、流通など、幅広い業種から、タイの誰もが知る大手レストランや大手スーパーを含む多数の大企業、タイ財閥系グループ食品企業バイヤーが東北ブースを訪れました。

 

【産品ごとの成功事例】 タイ市場で光った地域産品は、ファンがつきそうな特徴を持っていた

特に注目された地域産品とその具体的な評価は以下の通りです。

■和牛(岩手県産牛、秋田牛、山形県産牛)
・和牛はタイで非常に人気があり、ブース来場者アンケートで最も食べたい商品として「日本の和牛」が挙げられました。
・試食では「美味しい」「柔らかくて美味しい」「質が良い」「油が良い香り」「タイの肉ととても違う」といった好意的なコメントが多数寄せられました。
・高級レストランチェーンや焼肉屋、オンライン販売業者など、幅広い業種のバイヤーが取引を検討するなど、高い関心を示しました。
・今回のために用意した、和牛に合う特別ソースについても相談が相次ぎました。

■松川浦かけるあおさ(福島)
・一時的に和牛を超えるほどの人気ぶりでした。
・来場者からは「美味しい」「サクサクした食感が良い」「良い香り」「ご飯がおいしくなる」「ユニークな味」「ドン・キホーテかフジスーパーで販売してほしい」「タイで売ってほしい」といった具体的な購買意欲を示すコメントが多数ありました。
・タイのふりかけ会社が「非常においしい」と評価し社内検討すると述べたほか、シンガポールへの輸入やオーストラリアでのコラボレーション提案など、商談でも高い関心を集めました。

■ホタテ入りねぶた漬け(青森)
・すでにタイFDAを取得し、タイのスーパーで出回っているため、「どこで買えるのか」という質問が多く、「タイ人に受け入れられる商品」であることが再確認されました。
・試食では「美味しい」「いい味」「バランスが取れた味」「豊かなうまみ」「しょっぱくない」「味と食感がよい」と評価され、ご飯なしでも食べたい、ビールに合う、混ぜご飯がユニークで面白いといったコメントもありました。
・和牛に次いで「抵抗なく食べてみたいと思う」商品として挙げられ、日本の水産品を広げたいというバイヤーからの関心も高かったです。

■いか明太子ぶっかけ(宮城)
・ホタテ入りねぶた漬けと同様に、タイ人に受け入れられる商品であることが再確認され、「どこで買えるのか」という質問がありました。
・「美味しい」「マイルドでしょっぱくない」「食感がよい」「明太子が好き(タイ人は日本の明太子好きが多い)」といった感想があり、居酒屋チェーンやラーメン屋がメニューへの採用を検討するなど、飲食業界からの関心が見られました。

■数の子わさび(新潟)
・好き嫌いがはっきり分かれるものの、「熱烈なファン」を生み出す可能性が示唆されました。
・「美味しいが匂いが強い」「スパイシー」「ユニークな味」「挑戦したらおいしかった」といったコメントがあり、タイの大型ショッピングモールや日本食サプライヤーが珍しい食材として関心を示しました。
・今回、傾向的にわさびや香りに抵抗感があるタイ人が多くもっとも受け入れられなかった商品ですが、大好評を博したバイヤーも少なからずおり、高級食材としてのターゲットを絞った展開に期待が持てることに驚きました。

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【まとめ】日本製品が溢れるタイは、地域産品の「本物さ」が伝わる市場

今回のTHAIFEX 2025での成功は、日本の地域産品がタイ市場で大きな可能性を秘めていることを明確に示しました。裕福なタイ人マーケットには、「普通には手に入らない日本の特別な商品」に対する強い需要が存在します。
しかし、「食べたことのない味は想像がつかない」という消費者の心理を克服することが、今後の貿易輸出成功の鍵となります。

・試食機会の最大化: タイにおけるイベントや、タイ人観光客が日本を訪れる機会を活用し、地域産品の試食機会をさらに増やすことが重要です。体験を通じて、タイ市場で成功しやすい商品を選び抜く効率的な方法と言えます。

・C2C2B戦略の活用: タイでは、消費者の口コミがバイヤーの取り扱いにつながる「C2C2B(Consumer to Consumer to Business)」が主流になりつつあります。そのため、タイ日本博のようなイベントで観光と物産を合わせてPRするなど、一般消費者向けのプロモーションも非常に効果的です。

・THAIFEXへの継続出展: 大手バイヤーを含む多くの商談機会を得る上で、THAIFEXへの継続的な出展が最も効率的で、販路確保・拡大に有効であると考えられます。

これらの戦略を実施していくことで、まずは継続的な輸出につなげていくことがこれからの課題です。

例年、早くも前年12月にはブースが完売してしまうほど海外輸出事業者に人気のタイフェックス。今後とも皆様のアジアへの地域産品展開を支援させていただきます。お気軽にご相談下さい。

アジアクリック 高橋学

バンコクで17万人を集客、「マカオ×香港」プロモーションの衝撃。 日本は「強み」の再発見が急務

昨今、タイ・バンコクでは、福岡など日本の自治体や、香港観光局、台湾観光局、韓国観光公社などのNTOが、屋内外でさまざまなタイ人観光客誘致イベントを次々と開催しています。

結論:世界と戦うには「ユニークさ」を「誰に届けるか」

今や日本のインバウンドは、香港・マカオのような大規模かつ多様なプロモーションと“都市×都市”の組み合わせ体験(インバウンド業界用語だと「地方周遊」)に真正面から競争を挑まれています。
この現実を直視し、日本の各地方独自の“ここだけ”の魅力を、的確にターゲットに届ける戦略が、我々日本の地方には不可欠です。  まずは以下より詳しくバンコクの状況を見ていきましょう。


マカオ政府観光局のバンコクでのイベントの概要

マカオ政府観光局(MGTO)は、タイ人観光客誘致強化を目的にExperience Macao」ロードショーが実施され、2025年6月6日から8日までの3日間、バンコクのサイアムパラゴン(Siam Paragon)で「Experience Macao(Macao Wonder)」ロードショーを開催しました。このイベントは、タイの一般消費者や旅行業界関係者を対象に、マカオの多彩な魅力(文化・エンタメ・グルメ・MICE・スポーツなど)を体験できるテーマブースやインタラクティブなゲームゾーン、タイの人気アーティストによるライブパフォーマンス、現地限定の旅行商品・航空券・宿泊パッケージの即売などを展開。
マカオの6大統合型リゾート企業や主要航空会社、旅行会社も参加。タイのeペイメント企業と連携した割引特典も提供されました。
結果として、累計175,423人が来場し、1,006件のホテル・航空券パッケージが販売され、総取引額は640万バーツを超えました。
(当日の様子の動画。 音が出ます)

出典:MGTO https://www.gcs.gov.mo/news/detail/en/N25FIv6Vva

成功の理由:「世界遺産」と「東京と大阪を一度に楽しむ」ような非日常体験を提供

当「Experience Macao」ロードショーは、サイアムパラゴンというバンコク最大級の商業施設で、現地人気キャラクターや有名アーティストを活用した五感体験型イベント、SNSやデジタルサイネージを駆使した情報拡散、航空券やホテルの即時割引販売、eペイメント連携など、現地消費者の心をつかむ具体的な仕掛けを多数展開し、3日間で17万人超を動員しました。
一方、バンコク~香港のLCC往復は約27,000円から、香港ディズニーランドや巨大モール、マカオのカジノや世界遺産など“東京と大阪を一度に楽しむ”ような非日常体験を短期間で味わえる手軽さとコスパが、タイ人旅行者の心を強くつかんでいます。  具体的な仕掛としては

 ■ゆるキャラたちがバンコクの街を練り歩き、話題作り:タイ人はキモかわいいキャラが大好き
 ■五感で楽しむブース: クラフト体験、世界遺産フォトスポット、VRカジノ体験
 ■即時購入誘導: AirAsia航空券199バーツ、Thai Lion Air 50%オフ、Agoda半額「会場限定QRコード」配布
 ■eペイメント連携: TrueMoney/Rabbit LINE Payと提携、マカオで使える5%即時割引クーポンを配布
 ■BTS駅128か所のデジタルサイネージ: 1日あたり650万回の映像露出を3日間継続
 ■TikTokハッシュタグ #เที่ยวมาเก๊าแบบWonder: イベント関連動画が3日間で2,300万回再生
 ■インフルエンサー協働: YouTuber「Mai Davika」がマカオの隠れスポットの紹介動画を事前に40本配信

このように、プロモーションを「お祭り感を演出し、楽しさを前面に押し出して」一気に実施し、マカオ行きの即売会を盛り上げました。


各国政府観光局との競争の現実

以上の通りJNTOがタイで行ってきたFITフェアに勝るとも劣らない大規模かつ集中的に当該イベントが実施されました。
当該イベントのPRの目玉としては、
・香港・マカオのLCC往復航空券(約27,000円前後)は東京~大阪の新幹線往復(約29,000円)程度と格安にも関わらず更なるディスカウントの機会
・「ディズニーランド+世界遺産+高級ショッピング」を3日間で体験できる
コスパの良さが支持されています。

これはまるで世界遺産と東京と大阪を格安航空券で楽しめるようなものです。
このように、攻勢を強める世界のディスティネーションに我々日本の地方が対抗するには、地方の「ここだけ」の体験 が鍵となります。 以下に参考となり得る事例を紹介します。

今タイで好感されている、日本の地方の差別化事例

■青森県; 海釣りやイカの新鮮なグルメ体験、弘前のアップルパイ巡りなど、地方ならではの体験が豊富です。バンコクから羽田経由で青森空港までバゲッジスルーで行けるためアクセスも良好で、東北周遊ツアーでもコストパフォーマンスの高い旅が可能。

■夏の上高地: タイ人は「暑いタイから、もっと暑い日本の夏に行Alexaおはようきたくない」と言います。 常夏のタイでは暑さが敬遠され、涼しさが好まれる傾向があります。暑そうだと思われてしまうと、興味を持ってもらえないことが多いです。そんな状況下で夏の上高地が人気なのは標高約1,500メートルの高地に位置し、夏でも涼しく快適な気候で自然を満喫できる口コミがSNSを中心に広がったためです。また、名古屋・アルペンルート、富士山、東京等ともFIT・団体ツアーともに組み合わせやすく、リピーターも生んでいるようです。

■網走の流氷体験ツアー: 流氷観光砕氷船おーろらの乗船や、専用スーツを着用して流氷の上を歩く流氷ウォークなど、北海道ならではの冬の自然を体感できます。これらの体験は、年々タイの現地旅行会社でも採用が増えており、北海道ブランドの中でも差別化された人気コンテンツとなっています。


ユニークさを再発見し、「自分自身のメディア」で発信し、自らファンを育てよう

日本のインバウンド事業者は、アジア全体を巻き込んだ激しい観光プロモーション競争の中で、「自分たちの場所にしかないユニークな価値」を明確にし、それを“分かってくれる外国人に確実に届ける”戦略こそが、今後の生き残りのカギと考えます。

1,自分たちの「ユニークさ(世界インバウンド市場における強み)」はなにか?
2,その「ユニークさ」を分かってくれる顧客層はどこの誰か?
3,インバウンドの目的に応じ、1,2で最も効果的な手法はなにか?
4,「自社メディア」で情報発信・会話を継続し続けることでファンを育てていく

世界でのインバウンド誘致合戦の中、既にインフルエンサー活用や広告のみでの閲覧数稼ぎの時代は過ぎ、地域固有の魅力を再発見し磨き上げ、数は少なくともファンになってくれるターゲットに届く形で、Facebookページなど自身の持つメディアで発信し、ファン候補と会話を続けファン化していく。
――この地道な積み重ねこそが、世界を相手にした観光競争で勝つための現実的な道と考えております。

私たちも、地方ならではの生き残りに向けて、皆様と共に歩み、ご支援させていただきたいと存じます。

アジアクリック 高橋学

タイバンコクにて、猫専門イベント開催!

タイ国内最大級の見本市会場インパクトアリーナで、3月28日~30日に猫専門のイベントが開催されました。

ペットは家族!

少子高齢化が進むタイでは、ペットを家族の一員とみなす「ペットの人間化」が進んでおり、単身者や子供を持たない夫婦(DINKS)の増加も背景に、2024年のタイのペット市場規模は750億バーツ(約3,330億円)に達し、2023年比で12.4%の成長が見込まれています。

タイでは、犬(1,200万匹)と猫(800万匹)が最も人気のあるペットです。2022年時点で、タイの全世帯の37%がペットを飼育しており、これは2019年の34%から増加しています。日本では犬、猫ともに8%台との数字がありますので、かなり多くの世帯でペットを飼育していることがわかります。
市場規模を飼育世帯数で割ると、1世帯あたり月額約3,540円のペット関連支出がある計算になります。

今後も少子高齢化に伴い、ますますタイのペット関連市場は拡大していくと思われます。

5月1日~4日にも、QSNCCのホール5~8で「Pet Expo Thailand 2025」が開催されました。

このように、バンコクではペットフェアが多く開催されています。

 

アジアクリック 高橋学

北海道がタイで「ローインパクト」なインバウンドセミナーを開催。その背景は?

北海道観光機構は2025年2月18日、バンコク都内ホテルでタイの旅行会社約20社を対象に、アドベンチャーツーリズムセミナーを開催しました。高橋が参加してきましたのでレポートします。

「ローインパクト」で持続可能なアドベンチャーツーリズム

セミナーでは、
・網走の流氷ウォーク(ウェットスーツ着用)
・室蘭のイルカウォッチング
・札幌圏の犬ぞり体験
・函館での日本猿の温泉
などを含む北海道各地を巡る5日間のモデルコースが提案されました。

北海道観光機構は、冬の観光だけではなく、グリーンシーズンの魅力もPRしています。
北海道はオーバーツーリズムにならないなど旅行客による地域の悪影響が少ない「ローインパクト」で持続可能な観光に取り組んでおり、その最重要施策としてのAT(アドベンチャーツーリズム)で、じっくりと地域に滞在し大自然の大切さを理解できる旅を提案しています。

現在の日本においては、単なる訪日客数の増加を追求するのではなく、価格訴求型の大量誘客から脱却し、地域の自然環境や文化的背景を尊重した質の高い観光体験を提供することが重要になっています。地域に根差した暮らしや価値を理解し、それを訪問者と共有することで、持続可能で調和のとれた交流が生まれます。こうした観光のあり方は、地域経済の活性化を促すと同時に、交流人口の着実な拡大にも寄与します。今こそ、日本各地が自らの強みを再定義し、オーバーツーリズムを回避しながらも着実な成長を目指す「地域創生型インバウンド」への転換を進めるべき時期に来ていると言えるでしょう。

アジアクリック 高橋学

タイで「本物の」日本コンテンツ産業が成長中! 3つの成功事例を紹介

2025年2月8日(土)~2月9日(日)に、バンコク都心の百貨店セントラルワールドを会場にアジアでも最大級のオールジャパンイベント「ジャパンエキスポタイランド(Japan Expo Thailand 2025)」が開催されました。

ジャパンエキスポタイランドとは、日本のアニメやゲーム、アイドルなど、日本のサブカルチャーに特化した東南アジア最大級のイベントです。タイにおいて観光や貿易だけではなく、コンテンツ産業が日本にとっての一大産業に成長している様子が目に見えるイベントでした。

今回は、タイ現地での日本サブカルビジネスの成長と、3つの成功事例をご紹介いたします。

タイでのコンテンツ産業の成功事例

①任天堂「ポケモンユナイト タイ版」では、プレイヤーの課金額が日本の1.8倍*、任天堂公式ショップも昨年11月にバンコク都心にオープンしました。
タイのビデオゲーム市場は東南アジア1位・世界でも20位の規模に達しています。タイ人は歴史的・文化的背景から傾向的に「射幸心」をくすぐられることに弱いです。

②バンナム運営の「ガンダムベース タイランド」では、来店客単価推定が5,000円前後と高付加価値ビジネスモデルを確立しています*。
ちなみに舶来品となるタイでのガンプラ価格は日本の2倍ほどですが、ガンプラの中華製の偽物がはびこるタイでも、ガチなファンは価格が倍でも本物を選びます。

「アニメイトバンコク」では、開店初年度から黒字化しており、決算情報からその後も高い売上と顧客単価を保っています。
全体の売上の2割をアクティブな顧客の4.5%が生み出しており、その月間購入平均単価は1万円前後と推測されます*。 アニメのキャラクターに限らず、タイ人男性ならアイドル・タイ人女性ならBLへの傾倒もトレンドとなっています

これらの事例が示すように、タイは日本企業が持つコンテンツ制作力とブランド力を最大限に活かせる戦略市場として急成長を続けています。 キーワードは「高価でも本物」ですね。
タイ人は偽物ではなく本物を保有する価値に誇りを持ち、タイ政府も知的財産保護制度(IP登録制度)にも積極的なため、メイド・イン・ジャパンの製品は偽造品に悩むことが少なく、IPビジネスを横展開しやすいです。

2025年もタイをはじめ、シンガポールやインドの各都市でも、日本関連のイベントが数多く開催されています。
(リンクはアジアイベントリストのGoogleスプレッドシート)

現地でのコンテンツビジネス支援についても、お気軽にご相談ください。

アジアクリック 高橋学
*印は各種データからの当社調べ

インド旅行博商談会「OTM2025」レポート

2025年1月30日(木)~2月1日(土)まで、ムンバイのJio World Convention Centreにてインド旅行博商談会「OTM2025」が開催されました。

現地で感じたインド市場をレポートいたします。

①日本を含めた各国NTOが集結

2024年のインドからの訪日数は23万3,000人で前年から40.0%増加しています。大きな可能性を持つ海外旅行マーケットを狙って、韓国から欧米諸国・ケニアまで世界中のNTO(政府観光局)が参加しました。
日本からもJNTOを主体に、東京や広島・鳥取などの自治体や各地のDMCが参加、ミャクミャクもインドで関西万博をPR。

②インド人の海外旅行は二分化

インドからの海外旅行は、遠く高価な日本や欧米と、近く安めな中東や東南アジアに大きく二分され、中東カタールや、タイ・ベトナムが人気です。
日本への反応は、テクノロジーが進んでおり、自然が美しい国との認識で、中でも新幹線や樹氷の反応が良いです。
インドにも北方には雪山の美しい観光地があったり、花々が美しい観光地もありますが、日本は全く別のディスティネーションとして認識されており、また東アジアの観光客と異なり、日本の知識がまだまだ少ない状況もあるため、皆様が他国にPRしているように、インドに向けても当初から単なる桜や紅葉、雪だけでない+アルファのあるユニークさ(桜と花見弁当、紅葉と電車貸し切り、雪と雪遊び)などを写真と動画で伝えていくのが効果的です。

③インドは州により、宗教により行動が異なる

インドは州により、言語や主要宗教も異なってきます。
今回のOTMはインド民族のるつぼ、コスモポリタン商業都市のムンバイで開催され、比較的インターナショナルで自由な旅行スタイルが受け入れられていますが、毎日毎食カレーが基本のデリーを中心とした北方はカースト・ヒンドゥーの色が濃いためより歴史的・宗教的配慮が必要です。
そういった意味でおそらく日本人が最も攻めやすいのは欧米旅行に慣れたムンバイの裕福な層と、バンガロールのインセンティブ旅行団体でしょう。

このように、インドは東アジアや東南アジアとも訪日スタイルとPR手法が変わってきます。
当社は、「安いインバウンド」を避けるために、日本の地方の価値が分かり理解できるハイソな訪日層向けに「高付加価値なインバウンド」を推進しています。
インドだけでなく、タイ・マレーシア・シンガポール・インドネシア・ベトナム・フィリピンの訪日事情について、詳しくはお気軽にお問い合わせください。

アジアクリック 高橋学

TITFタイ国際旅行博レポート~団体旅行・FITの人数と価格に変化が~

去る2025年1月16日(木)~19日(日)まで、タイ・バンコクのQueen Sirikit National Convention Centerにてタイ国際旅行博TITF2025が開催されました。

いくつか、タイ市場の変化に気づきましたのでレポートいたします。

 

①中国大陸・台湾・香港・マカオの人気がすごい

TITFでは、日本だけではなく中国大陸・台湾・香港・マカオがPR大攻勢、各国NTOはお寺詣でや伝統工芸DIY、チアリーディング、無料スイーツなど趣向を凝らした仮旅行体験を提供しています。
(タイ人入国イミグレ問題が続く韓国は、今年は不参加です。)

特にこれらの中華系東アジア諸国は、ツアーの価格も九州などを除くと日本のほぼ半額以下となっており、他の東南アジア同様人気となっています。

 

②団体旅行もFITも少人数化

各旅行会社へのヒアリングによると、訪日旅行だと団体旅行でもこれまでのような30名とかではなく、十数人程度の小グループが見られるとのことです。

中華系東アジア諸国に旅行者を取られた結果、申し込みが少なくなって価格も上がる、という悪循環を生んでいるように思われます。

また、家族友人単位のFITでも少人数化がみられるようです。

 

③訪日市場の動向

日本の地方の中では、タイから近く、2万バーツ台〜と安い九州の売れ行きが良いです。

九州は、これまであまり人気だったわけではなくタイ人にとってまだ「Unseen」であることが安いことも相まって人気の様子。

逆にタイから直行便がなく、遠い東北地方は、コロナ禍前に比べて新しいディスティネーション群に押されがちな状況です。

6万バーツ台からと、時に欧州より高価なこと、タイ市場ではすでに過去より人気で一巡したことも人気低下の原因と思われます。

 

日本はタイ人の海外旅行先として未だ一番人気ですが、ミドルハイ層では、気球体験トルコ・英仏伊欧州ツアーが人気上昇中、北米ツアーも増加中です。

 

以上、タイでは中華系東アジア諸国との差別化や、価格の納得性に対する課題が出てきています。

タイもシンガポール同様、高付加価値旅行への取り組みを行うタイミングが来ているのかもしれません。

→当社の高付加価値市場への取組みについてはこちら

 

タイ・マレーシア・シンガポール・インドネシア・ベトナム・フィリピン・インドの訪日事情について、詳しくはお気軽にお問い合わせください。

アジアクリック 高橋学

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今冬、タイで人気の海外ツアー

【今冬、タイで人気の海外ツアー】

新年も、タイ等東南アジア訪日市場も盛り上がりそうです。
ご参考までに、現在タイの有力旅行会社が販売に力を入れている訪日以外の海外ツアーをご紹介します。

・中国本土各地への格安ツアー、ラブブ購入ツアー
・ハルビンの雪まつりや、スイスの雪体験ツアー
・欧州は、東北等日本の地方より安いツアーも多い
・富裕層は、アラスカのオーロラやアフリカのサバンナなど、家族で行くUnseen(見たことのない)ツアーが定番
・旅行代金が安いトルコ、東欧、香港ツアーが人気

これらツアーの特徴と価格帯をふまえて、タイ人観光客やタイの旅行会社と触れられるとPRに効率的かと思います。
タイ人に刺さる、雪やイベント、Unseenが訪日以外の海外旅行でも人気、また相対的にお得感がある中国、東西欧州にも海外旅行先が広がっています。
※2025年1月4日時点のレートは約4.6円/1タイバーツ

タイ・マレーシア・シンガポール・インドネシア・ベトナム・フィリピン・インドの訪日事情について、詳しくはお気軽にお問い合わせください。

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東南アジアでのオンライン展示会事例  ~東南アジア各国でデジタル日本博が開催~

東南アジアでもコロナ禍でオンラインイベントが進みました。

単独実施ではなく、オーガナイザーが自治体や団体を集めて実施していた従来の旅行博スタイルをオンラインに置き換えたイベントを、タイ・マレーシア・シンガポール・インドネシア・ベトナム・フィリピンの順で紹介します。

 

●タイ向け

・バンコク日本博2020オンライン

 

トラベル(旅行会社、自治体、テーマパーク、鉄道会社など)/食(飲食店など)/モノ、伝統工芸(物販(食材等)、伝統工芸、地域特産品など)/コンテンツ(アニメ、マンガ、映画、テレビ、ゲーム、音楽など)/学校、日本留学(日本語学校、専門学校、大学、高校、不動産会社など)/企業、就職(採用目的の在タイ日系企業&日本の会社、人材紹介会社)などが参加。

資格一部、生放送でも冗長で手持ち無沙汰を感じたり前打合せが不十分だったのか、出演者がはるか遠くで視聴者は画面上でよく見えなかったりしており、チャレンジングな先行事例ながら生放送を主体とする場合のオンラインイベント運用の課題が明確となった。

https://www.youtube.com/channel/UCXHu32-CE6QuVklxkoPIT0w

 

●マレーシア

・Japan Expo Malaysia

2020年7月18・19日の土日にFacebookとYoutubeで行われたオンライン日本博。

芸能人のステージパフォーマンスを中心に、コスプレやロボット、武道、プロレス、寿司のスピード大食い等豊富なコンテンツで日本文化を紹介。バーチャルユーチューバーや著作権保護啓蒙、アイドルによるお勧め観光地等の紹介も。

ラッキードローはエアアジア航空チケットやニンテンドースイッチ。

https://www.facebook.com/japanexpomalaysia

 

・マレーシア政府観光局による日本人向け「マレーシアグルメ座談会」

 

スライドを使ったグルメ紹介と、4人のプレゼンテーターによるおしゃべり、参加者のチャットを見ると関係者がほとんどで、ターゲットへのリーチが課題。

1,236 回視聴•2021/04/24 にライブ配信 621共有保存

 

●シンガポール向け

・The Japan Rail Fair

 

日本とシンガポールをつなぎ、日本の観光情報を「訪日ウェビナー」「ワークショップ」「鉄道や旅行気分のバーチャル中継」「動画配信」で発信、また旅行博のオンライン版と位置づけ、現地シンガポール人との交流の場もウェブ上に設けた。ブースはJR各社および北海道、静岡、愛媛、香川、高知各自治体が参加。

https://japanrailtimes.japanrailcafe.com.sg/tjrf2020/

 

・Sakura-viewing Seminar 2020(H.I.S. Singapore)

開催期間1日、時間7時間半におよび、HIS社シンガポール支店で消費者向けに花見をリモートで行いつつ、予約制で相談会を行った。Facebook上では参加者3名、興味あり30名。

参加者は50sgdのクーポンと、購入者には最大3つのスーツケースと最大500sgdの割引を行った。

https://www.facebook.com/events/1556347017855771/?acontext=%7B%22event_action_history%22%3A[%7B%22surface%22%3A%22page%22%7D]%7D

https://www.facebook.com/HISTRAVEL.SG/events/

 

●インドネシア向け

・インドネシアジャパンオンラインフェスティバル2020(2020年10月23日開催)

 

オンラインで日本レストランと繋ぎ親子丼の作り方や、福島と繋いで侍剣舞、日系工場の誘致PR、介護職の募集、JKT48メンバーがヴィーナスフォートを歩いて紹介する中継など、複数の地点を繋いでの中継内容が多かった。

 

●ベトナム

・ベトナムジャパンフェスティバル ホーチミン市内の公園でリアルで開催

たこやきやぽっぽ焼きなど食品ブースや、企業のPRブースなど。

日本観光地を背景に投影して、SGO48など現地芸能人のステージが目玉。メインステージでは徳島県とオンラインで繋いで、参加者と阿波踊りも。

http://www.toasoken.asia/?page_id=2088

※当日の様子レポート

※公式チャンネルには、2021年の記録動画はなし。

 

●フィリピン向け

・フィリピンにいながら日本の文化が楽しめる『JAPAN FIESTA(ジャパンフィエスタ)2021〜New Year〜』

今年はオンラインで1月18日~24日に開催、1日あたり1時間強の放映で7日連続。

MNL48など有名芸能人やコスプレイヤーが出演。和歌山や鳥取、九州を中心とした観光ビデオや担当者からの英語プレゼンを放映、PR色が強い内容となった。各日の最後には視聴者参加型クイズも。

 

いかがでしょうか。

東南アジアでのオンラインイベントのポイントをまとめると、

・準備→当日トラブルを避け録画を活用、視聴者目線でのUIを

・PR→SNSはもちろん、現地ならではのメディアを使ってターゲットに十分なリーチを

・当日→参加型クイズや現地からの放映でリアル感の演出を、音声や電波トラブルにも対応

・アフターフォロー→SNSなどで後日談、コツコツ継続PR

を行うと良いでしょう。

 

最後に今年は訪日再開への準備の年なので、エンゲージの高い独自開催をして、次に行く場所として記憶に残すことをご提案します。

独自のイベントを実施できるツールと事例をご紹介しますので、ご興味ある方は下記リンクからダウンロードください。(登録不要、2.1MB)

https://asiaclick.jp/new/wp-content/uploads/2021/04/210405Tourism-Reopening_Export-Reboot_Plan-2021.pdf

アジアNo1のドラッグストア「ワトソンズ」から学ぶアジア展開の成功事例(2021年版)

サワディーカー。タイ・バンコクからスタッフのナップです。

今回はASEANビジネス成功事例として、過去反響の良かった人気記事・ドラッグストアのワトソンズについて最新状況をお伝えします。

 

アジアで最もドラッグストアを展開しているグループはワトソンズ

中国の広東省で1828年にオープンし、今では中国本土と香港を中心に、台湾、シンガポール、タイなどアジア11カ国で3600店以上のチェーン展開、さらに薬局を900店以上を構えているのが、ワトソンズ パーソナル ケア ストアーズ(店名:watsons ワトソンズ 中国名:屈巨氏)です。グループ店の総来客数は週あたり2700万人にも達します。

従来の薬局のイメージは「薬のみを販売する薄暗い店」でしたが、これを一新して価値の創出に成功したのです。

従来の薬のみの販売ではなく、化粧品、スキンケア、トイレタリーなど日本のドラッグストアと同様に幅広いラインナップで人気を集めました。

 

ターゲットを年配からOL層に変換、育児に忙しい主婦層も取り込み

病気になった人やお年寄りがターゲットだった従来の薬局から、18~35歳の女性にターゲットを絞り込んだのです。この年齢層の女性は日本と同様に好奇心が旺盛で、新しい商品やサービスを積極的に試す傾向があり、SNSなどの発信により日常から口コミを繰り返す習慣があるので、瞬く間に広がっていったのです。

また、ターゲットは育児で忙しい年齢層も含まれ、遠くの百貨店よりも身近に簡単に買い物ができるスタイルへと変わりました。

コンセプトも「Your Personal Store」を全面に打ち出して、女性に優しい店づくりを徹底しました。その結果、来店客うち女性が占める割合は93%にも達しました。

 

好調の経営エンジンは利益率50%にも及ぶ「自社ブランド製品」

ライバル店と比べて、ワトソンズは2000種類に及ぶオリジナル自社ブランド品があり、総売り上げの15%を占めております。これに加えて、利益率の高さが他ブランドとの勝敗を分けたといわれています。なぜなら、他ブランドを販売した際の利益率は25%ですが、自社ブランドなら50%にも達するからです。自社ブランドは生産コストが抑えられるため、消費者にも安く提供ができ、お徳感を生み出した結果なのです。

 

レッドオーシャンの日本に進出せず、拡販できるアジアのみに注力

理由その1 日本ではすでにドラッグストア市場が成熟している

理由その2 ワトソンズは日本メーカーとの取引実績がなく価格競争ができない

理由その3 オリジナル商品の品質などが日本の市場に合わない

最近はインドの化粧品Himarayaなど、アーユルヴェーダをもとにしたラインナップも揃えており、南アジアを含む東南アジアの女性トレンドにも敏感です。

 

Facebookで数時間ごとに連投、飽きさせないライフスタイルの提案とディスカウント

コロナ禍もあり、ワトソンズはネット販売・およびネットを見ながら実店舗訪問促進(ワトソンズはO+O、オンラインプラスオフラインと呼称しています)に大変力を入れています。

アプリで化粧品の色を確かめることができたり、特にFacebookでは1~2時間に一度投稿するというめずらしい形で、ディスカウント情報だけではなく健康情報やビューティーノウハウも投稿しています。

https://www.facebook.com/watsonsthailand

ディスカウント情報は、ウェブサイト限定・日時指定の特別ディスカウントなどがあり、オンライン限定商品も揃えています。

一方、アジア男性もスキンケアなどへの関心が高まっているため、現在はまだ7%にとどまっている市場をさらに開拓すべく、男性会員カードの発行、男性向け新商品とサービスの開発に力を注いでいます。

 

客寄せのためのキャンペーン連打

Buy1Get1(1個買ったら1個無料、1個買ったら2個目は1バーツなど)が特に人気です。

日本が得意なポイントを貯めるとディスカウントになったり、商品と交換できる会員カードもリピーター確保に貢献しています。

日本に進出しない理由は、逆に考えるとアジアに進出する理由にもなりますよね。

行き来できるようになったら、ぜひアジア現地で長く経営できている店舗を視察して周ってみてください。

私達もタイやシンガポール現地で支援します。

(アジアクリック・タイ・バンコク特派員 ナップ)