ASEAN主要7カ国+インド マーケットの入口

北海道がタイで「ローインパクト」なインバウンドセミナーを開催。その背景は?

北海道観光機構は2025年2月18日、バンコク都内ホテルでタイの旅行会社約20社を対象に、アドベンチャーツーリズムセミナーを開催しました。高橋が参加してきましたのでレポートします。

「ローインパクト」で持続可能なアドベンチャーツーリズム

セミナーでは、
・網走の流氷ウォーク(ウェットスーツ着用)
・室蘭のイルカウォッチング
・札幌圏の犬ぞり体験
・函館での日本猿の温泉
などを含む北海道各地を巡る5日間のモデルコースが提案されました。

北海道観光機構は、冬の観光だけではなく、グリーンシーズンの魅力もPRしています。
北海道はオーバーツーリズムにならないなど旅行客による地域の悪影響が少ない「ローインパクト」で持続可能な観光に取り組んでおり、その最重要施策としてのAT(アドベンチャーツーリズム)で、じっくりと地域に滞在し大自然の大切さを理解できる旅を提案しています。

現在の日本においては、単なる訪日客数の増加を追求するのではなく、価格訴求型の大量誘客から脱却し、地域の自然環境や文化的背景を尊重した質の高い観光体験を提供することが重要になっています。地域に根差した暮らしや価値を理解し、それを訪問者と共有することで、持続可能で調和のとれた交流が生まれます。こうした観光のあり方は、地域経済の活性化を促すと同時に、交流人口の着実な拡大にも寄与します。今こそ、日本各地が自らの強みを再定義し、オーバーツーリズムを回避しながらも着実な成長を目指す「地域創生型インバウンド」への転換を進めるべき時期に来ていると言えるでしょう。

アジアクリック 高橋学

インド旅行博商談会「OTM2025」レポート

2025年1月30日(木)~2月1日(土)まで、ムンバイのJio World Convention Centreにてインド旅行博商談会「OTM2025」が開催されました。

現地で感じたインド市場をレポートいたします。

①日本を含めた各国NTOが集結

2024年のインドからの訪日数は23万3,000人で前年から40.0%増加しています。大きな可能性を持つ海外旅行マーケットを狙って、韓国から欧米諸国・ケニアまで世界中のNTO(政府観光局)が参加しました。
日本からもJNTOを主体に、東京や広島・鳥取などの自治体や各地のDMCが参加、ミャクミャクもインドで関西万博をPR。

②インド人の海外旅行は二分化

インドからの海外旅行は、遠く高価な日本や欧米と、近く安めな中東や東南アジアに大きく二分され、中東カタールや、タイ・ベトナムが人気です。
日本への反応は、テクノロジーが進んでおり、自然が美しい国との認識で、中でも新幹線や樹氷の反応が良いです。
インドにも北方には雪山の美しい観光地があったり、花々が美しい観光地もありますが、日本は全く別のディスティネーションとして認識されており、また東アジアの観光客と異なり、日本の知識がまだまだ少ない状況もあるため、皆様が他国にPRしているように、インドに向けても当初から単なる桜や紅葉、雪だけでない+アルファのあるユニークさ(桜と花見弁当、紅葉と電車貸し切り、雪と雪遊び)などを写真と動画で伝えていくのが効果的です。

③インドは州により、宗教により行動が異なる

インドは州により、言語や主要宗教も異なってきます。
今回のOTMはインド民族のるつぼ、コスモポリタン商業都市のムンバイで開催され、比較的インターナショナルで自由な旅行スタイルが受け入れられていますが、毎日毎食カレーが基本のデリーを中心とした北方はカースト・ヒンドゥーの色が濃いためより歴史的・宗教的配慮が必要です。
そういった意味でおそらく日本人が最も攻めやすいのは欧米旅行に慣れたムンバイの裕福な層と、バンガロールのインセンティブ旅行団体でしょう。

このように、インドは東アジアや東南アジアとも訪日スタイルとPR手法が変わってきます。
当社は、「安いインバウンド」を避けるために、日本の地方の価値が分かり理解できるハイソな訪日層向けに「高付加価値なインバウンド」を推進しています。
インドだけでなく、タイ・マレーシア・シンガポール・インドネシア・ベトナム・フィリピンの訪日事情について、詳しくはお気軽にお問い合わせください。

アジアクリック 高橋学

TITFタイ国際旅行博レポート~団体旅行・FITの人数と価格に変化が~

去る2025年1月16日(木)~19日(日)まで、タイ・バンコクのQueen Sirikit National Convention Centerにてタイ国際旅行博TITF2025が開催されました。

いくつか、タイ市場の変化に気づきましたのでレポートいたします。

 

①中国大陸・台湾・香港・マカオの人気がすごい

TITFでは、日本だけではなく中国大陸・台湾・香港・マカオがPR大攻勢、各国NTOはお寺詣でや伝統工芸DIY、チアリーディング、無料スイーツなど趣向を凝らした仮旅行体験を提供しています。
(タイ人入国イミグレ問題が続く韓国は、今年は不参加です。)

特にこれらの中華系東アジア諸国は、ツアーの価格も九州などを除くと日本のほぼ半額以下となっており、他の東南アジア同様人気となっています。

 

②団体旅行もFITも少人数化

各旅行会社へのヒアリングによると、訪日旅行だと団体旅行でもこれまでのような30名とかではなく、十数人程度の小グループが見られるとのことです。

中華系東アジア諸国に旅行者を取られた結果、申し込みが少なくなって価格も上がる、という悪循環を生んでいるように思われます。

また、家族友人単位のFITでも少人数化がみられるようです。

 

③訪日市場の動向

日本の地方の中では、タイから近く、2万バーツ台〜と安い九州の売れ行きが良いです。

九州は、これまであまり人気だったわけではなくタイ人にとってまだ「Unseen」であることが安いことも相まって人気の様子。

逆にタイから直行便がなく、遠い東北地方は、コロナ禍前に比べて新しいディスティネーション群に押されがちな状況です。

6万バーツ台からと、時に欧州より高価なこと、タイ市場ではすでに過去より人気で一巡したことも人気低下の原因と思われます。

 

日本はタイ人の海外旅行先として未だ一番人気ですが、ミドルハイ層では、気球体験トルコ・英仏伊欧州ツアーが人気上昇中、北米ツアーも増加中です。

 

以上、タイでは中華系東アジア諸国との差別化や、価格の納得性に対する課題が出てきています。

タイもシンガポール同様、高付加価値旅行への取り組みを行うタイミングが来ているのかもしれません。

→当社の高付加価値市場への取組みについてはこちら

 

タイ・マレーシア・シンガポール・インドネシア・ベトナム・フィリピン・インドの訪日事情について、詳しくはお気軽にお問い合わせください。

アジアクリック 高橋学

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東南アジアでのオンライン展示会事例  ~東南アジア各国でデジタル日本博が開催~

東南アジアでもコロナ禍でオンラインイベントが進みました。

単独実施ではなく、オーガナイザーが自治体や団体を集めて実施していた従来の旅行博スタイルをオンラインに置き換えたイベントを、タイ・マレーシア・シンガポール・インドネシア・ベトナム・フィリピンの順で紹介します。

 

●タイ向け

・バンコク日本博2020オンライン

 

トラベル(旅行会社、自治体、テーマパーク、鉄道会社など)/食(飲食店など)/モノ、伝統工芸(物販(食材等)、伝統工芸、地域特産品など)/コンテンツ(アニメ、マンガ、映画、テレビ、ゲーム、音楽など)/学校、日本留学(日本語学校、専門学校、大学、高校、不動産会社など)/企業、就職(採用目的の在タイ日系企業&日本の会社、人材紹介会社)などが参加。

資格一部、生放送でも冗長で手持ち無沙汰を感じたり前打合せが不十分だったのか、出演者がはるか遠くで視聴者は画面上でよく見えなかったりしており、チャレンジングな先行事例ながら生放送を主体とする場合のオンラインイベント運用の課題が明確となった。

https://www.youtube.com/channel/UCXHu32-CE6QuVklxkoPIT0w

 

●マレーシア

・Japan Expo Malaysia

2020年7月18・19日の土日にFacebookとYoutubeで行われたオンライン日本博。

芸能人のステージパフォーマンスを中心に、コスプレやロボット、武道、プロレス、寿司のスピード大食い等豊富なコンテンツで日本文化を紹介。バーチャルユーチューバーや著作権保護啓蒙、アイドルによるお勧め観光地等の紹介も。

ラッキードローはエアアジア航空チケットやニンテンドースイッチ。

https://www.facebook.com/japanexpomalaysia

 

・マレーシア政府観光局による日本人向け「マレーシアグルメ座談会」

 

スライドを使ったグルメ紹介と、4人のプレゼンテーターによるおしゃべり、参加者のチャットを見ると関係者がほとんどで、ターゲットへのリーチが課題。

1,236 回視聴•2021/04/24 にライブ配信 621共有保存

 

●シンガポール向け

・The Japan Rail Fair

 

日本とシンガポールをつなぎ、日本の観光情報を「訪日ウェビナー」「ワークショップ」「鉄道や旅行気分のバーチャル中継」「動画配信」で発信、また旅行博のオンライン版と位置づけ、現地シンガポール人との交流の場もウェブ上に設けた。ブースはJR各社および北海道、静岡、愛媛、香川、高知各自治体が参加。

https://japanrailtimes.japanrailcafe.com.sg/tjrf2020/

 

・Sakura-viewing Seminar 2020(H.I.S. Singapore)

開催期間1日、時間7時間半におよび、HIS社シンガポール支店で消費者向けに花見をリモートで行いつつ、予約制で相談会を行った。Facebook上では参加者3名、興味あり30名。

参加者は50sgdのクーポンと、購入者には最大3つのスーツケースと最大500sgdの割引を行った。

https://www.facebook.com/events/1556347017855771/?acontext=%7B%22event_action_history%22%3A[%7B%22surface%22%3A%22page%22%7D]%7D

https://www.facebook.com/HISTRAVEL.SG/events/

 

●インドネシア向け

・インドネシアジャパンオンラインフェスティバル2020(2020年10月23日開催)

 

オンラインで日本レストランと繋ぎ親子丼の作り方や、福島と繋いで侍剣舞、日系工場の誘致PR、介護職の募集、JKT48メンバーがヴィーナスフォートを歩いて紹介する中継など、複数の地点を繋いでの中継内容が多かった。

 

●ベトナム

・ベトナムジャパンフェスティバル ホーチミン市内の公園でリアルで開催

たこやきやぽっぽ焼きなど食品ブースや、企業のPRブースなど。

日本観光地を背景に投影して、SGO48など現地芸能人のステージが目玉。メインステージでは徳島県とオンラインで繋いで、参加者と阿波踊りも。

http://www.toasoken.asia/?page_id=2088

※当日の様子レポート

※公式チャンネルには、2021年の記録動画はなし。

 

●フィリピン向け

・フィリピンにいながら日本の文化が楽しめる『JAPAN FIESTA(ジャパンフィエスタ)2021〜New Year〜』

今年はオンラインで1月18日~24日に開催、1日あたり1時間強の放映で7日連続。

MNL48など有名芸能人やコスプレイヤーが出演。和歌山や鳥取、九州を中心とした観光ビデオや担当者からの英語プレゼンを放映、PR色が強い内容となった。各日の最後には視聴者参加型クイズも。

 

いかがでしょうか。

東南アジアでのオンラインイベントのポイントをまとめると、

・準備→当日トラブルを避け録画を活用、視聴者目線でのUIを

・PR→SNSはもちろん、現地ならではのメディアを使ってターゲットに十分なリーチを

・当日→参加型クイズや現地からの放映でリアル感の演出を、音声や電波トラブルにも対応

・アフターフォロー→SNSなどで後日談、コツコツ継続PR

を行うと良いでしょう。

 

最後に今年は訪日再開への準備の年なので、エンゲージの高い独自開催をして、次に行く場所として記憶に残すことをご提案します。

独自のイベントを実施できるツールと事例をご紹介しますので、ご興味ある方は下記リンクからダウンロードください。(登録不要、2.1MB)

https://asiaclick.jp/new/wp-content/uploads/2021/04/210405Tourism-Reopening_Export-Reboot_Plan-2021.pdf

【インドネシア】日本がもっと近づいた2017年!過去最安値2万円で直行便利用可能に!

セラマソレッ!アジアクリック・インドネシア特派員のルキです。

先月からジャカルタを中心にインドネシアの至る所で、航空会社や旅行会社がトラベルフェアを開催しています。驚くことに、インドネシア-日本の航空券が歴史上最も安くなったのです!!これまでにも格安航空のAirasiaでは「約3JUTA(2万5千円程度)」からクアラルンプール経由で日本に行くことが可能でしたが、今回は乗り換えなしの直行便で復路のチケットが安くなっています。

そこで今回は3つのトラベルフェアでの航空券価格をご紹介致します。

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2017年、ベトナム人観光客が行きたい日本の地方3位は岡山県、2位滋賀県、1位は?!

Xin chao!ベトナム担当の櫻井です。

最近東京を歩いていると、ベトナム語を耳にする機会がとても増えたように思います。日本政府観光局(JNTO)の統計によると、2016年1月から10月までで訪日ベトナム人の数が、20万2600人です。すでに昨年の総数18万5395人を上回っています。

2012年から伸びつつけているベトナム人の訪日観光客ですが、実は今、「地方」に注目が集まってきているのです!!

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タイで話題の日本の地方観光都市とその理由

サワディーカップ‼、アジアクリック、タイ特派員のエーです。

以前の記事でタイ人にとって一番人気の旅行地は日本であるとお伝えしました。

詳しくは→ http://asiaclick.jp/new/thapopularjpattractions-2818

そこで、今回は最近タイで人気の日本地方観光都市についてご紹介いたします。

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2016年のインドネシアゴールデンウィークから学ぶ、次のインドネシア人観光客の訪日時期

スラマットシアン! ジャカルタからアジアクリック特派員のルキです。
今年2016年はインドネシアにもゴールデンウィークがありました。

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タイ人観光客が体験したい日本の観光資源

サワディーカップ! タイから高橋学です。

80万人もの訪日客が来るタイ。バンコクに住んでいますとその理由もわかります。

今日はタイバンコク現地からタイ人が訪日する理由と、有効なPR方法を3つ紹介します。

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日本人が知らない、訪日外国人に人気の5つのスポットとその理由とは?!

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今回は、香港から日本の人気観光地についてご紹介致します。

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