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【インドネシア】一度は失敗した『和食 さと』がインドネシアの文化を変えた?!
セラマソレッ!アジアクリック・インドネシア特派員のルキです。
日本食を提供している『和食 さと』が、今インドネシアでランチとして人気を集めているのをご存知でしょうか?インドネシア進出時には人気のなかった『和食 さと』が、なぜ急に人気を集めるようになったのか。さらに、インドネシア人に今までなかった文化を生んだのか。
今回は購入者となるインドネシア人の生の声とあわせて、『和食 さと』の戦略のポイント3つをご紹介致します!
■『和食 さと』とは?
『和食 さと』とは、日本で199店舗を展開する和食ファミリーレストランです。ジャカルタには2013年に進出し、現在は2店舗です。“伝統的な日本食をお手頃価格で提供”がコンセプトで、1品料理からデザートまでメニューは約260種類もあります。
値段は他の日本料理店よりも安く、ローカルの中間層向けのレストランの値段です。しかし!もう既に似たような日本食レストランが既にいくつもインドネシアにもあるため、進出当初はあまり話題を集めませんでした。
■話題を集めた3つのポイント
先ほど述べたように、他の日本料理店よりも価格が安くても人気がなかった『和食 さと』は戦略を変えたことで人気を集めるようになりました。そのポイントは①パートナー、②消費者目線、③安心感の3つです!では詳細を説明致します。
①パートナー
『和食 さと』は、「Indomaret」というインドネシアでコンビニ7242店舗展開している小売大手と合弁会社を設立しました。インドネシアには外資系コンビニもありますが、店舗数は圧倒的にローカルコンビニの方が多く、インドネシア人に人気があります。値段も全体的に、外資系コンビニよりも安い傾向にあります。
そして、『和食 さと』が「Indomaret」で弁当を販売したところ、インドネシア人に大きく知れ渡るようになったのです。今まで、インドネシアのコンビニで販売されているご飯はおいしいというイメージもなく、屋台が都心部でも探せるジャカルタでは、「コンビニで昼食を買う文化」はあまりありませんでした。しかし『和食 さと』が「Indomaret」で弁当を販売してから、少しずつインドネシアの人の「コンビニで昼食を買う文化」が芽生え始めたのです!
②消費者目線
『和食 さと』が2年ほど前に弁当を販売し始めた際、「Indomaret」で弁当を見たことがありますが、手が出せませんでした。その理由は3万ルピア(約300円)以上の価格だったからです。インドネシアの屋台や社員食堂では、2万ルピア(約200円)あれば何種類かのおかずとご飯が買えます。ですから、コンビニでご飯を買おうとは思いませんでした。
これは私だけの考えではなく、4月のじゃかるた新聞のインタビュー記事(http://www.jakartashimbun.com/free/detail/34489.html)でも、「2万5千ルピアを超えると、ぱったり売れなくなる」と掲載されていたため、多くのインドネシア人がこの考えを持っていると言えます。
では、現在の『和食 さと』の価格はいくらなのでしょうか?
上の2つの画像から分かるように、全て飲み物もついて2万5千ルピア以下となっています。
味付けもインドネシア人好みに改良されています。このように他の日本料理店と比較するだけではなく、ターゲットとなる現地の人々の目線も取り入れることが重要です。
③安心感
その料理は本当に日本人が作ったものなのか、一目見ただけではわかりません。そこで『和食 さと』は日本人のシェフの顔写真を載せています。その結果、本当の日本人がプロデュースした食事が2万ルピアで食べられるという驚きと共に、日本食をまだ食べたことがない人たちも試そうと思う良いきっかけとなります。
さらに『和食さと』は、ハラール対応をした弁当や巻き寿司も販売しています。購入者全員が安心して食べられますね。
3つのポイント全てに共通するキーワードは「ローカライズ」です。消費者の生活や文化に寄り添い、現地の人の目線を取り入れてこそ、現地で人気を集めることができます。アジアクリックでは、東南アジア・中国・韓国・香港・台湾の特派員がローカライズのお手伝いを致します。ぜひご相談くださいませ(info@asiaclick.jp)!
(アジアクリック・インドネシア特派員/ルキ)
▼参考
http://www.foodrink.co.jp/news/2012/12/2694107.php
https://www.jetro.go.jp/biznews/2013/08/5202eede105b8.html
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