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アジアクリック選任・シンガポール人マーケターが教えるSNS戦略【後編】
こんにちは、シンガポール人マーケターのRogerです。
前回に続き、SNS戦略について、Facebookの人気の秘密を探りながら見ていきます。
Facebookは一体何故ここまで人気なのか?
ここシンガポールでFacebookが不動の人気を誇る理由は以下3点の要因があります。
1点目は、求められているからです。
シンガポール人も、それ以外の国の人たちも、求めるものは同様で、
現代社会において「繋がること」は日常生活の一部です。
今自分が何をしているのかを伝え、友達が何をしているのかを知る、
ということは、私たちの新たな繋がり方と言えるでしょう。
更に、共通の趣味や目的を通じて知り合えるイベントページは新たな繋がりを形成するきっかけにもなります。
この点においてはFriendsterがここシンガポールでは最初に機能していましたが、
(MySpaceはシンガポールではあまり流行しませんでした)
今ではその役割もFacebookに取って変わられています。
2点目は、Facebookのユーザーを取り込んでいく機能性です。
Facebookはユーザーを夢中にさせるような仕組みをいくつも兼ね備えています。
ニュースフィード(友達やフォローしているメディアからの最新のニュースチェック)、
フィルターコンテント(指定した特定の友達のニュースチェック)、
使えば使う分だけ正確性が増すアルゴリズムとそれに応じた新たな関心分野におけるニュース・メディアの提供等々…。
そして、忘れてはいけないのが、「Relationship Status」。
毎日大量のニュース・投稿の中で、目につくように設計され、注目されやすいようになっています。
3点目は、既に確立された地位です。
シンガポールではSNSは個人の繋がりが多ければ多いほど面白くなると考えられているので、
新たなSNSを使用し始めても繋がっている友達がいなければ面白味を感じないのではないかという根本的な懸念があります。
これこそが、シンガポールにおいてTwitterやGoogle+がユーザー、
特にアクティブユーザー獲得において苦戦を強いられている原因なのです。
ここシンガポールでは、強固なSMS(Short Messaging Service)文化の土壌があります。
シンガポールの近隣諸国ではビデオメッセージ、ボイスメッセージ等個々のメッセージ用途によってSMSアプリを使い分けているようですが、
シンガポール人は主要なアプリ、つまりはwhatsappとFacebook messengerに絞ります。
その背景には、シンガポールにおける携帯通信料金がとても高いことが挙げられます。
加えて、whatsappでシンガポール人に人気の機能はチャットグループです。
仕事、家族、友達間でのチャットはなくてはならないものです。
LINEやWeChatよりも宣伝や、チャットグループを妨害する要因が少ないとされているので、
この点も支持されているポイントです。
更に、これはシンガポール人特有のものだと思いますが、
WeChatやLINEで活用されているいわゆるビューティー機能は必要だとはみなされず、あまり関心を持たれません。
こうした新たな機能を持つチャットアプリに移行しても、使用している友達がいなければ意味がないので、
結局のところユーザー数が最も多く、基本機能が備わっているwhatsappで事が足りるのです。
Facebook Messenger
シンガポール人は最近までFacebookとFacebook Messengerは同じものとみなしていましたが、
前回ご紹介したグラフが示しているように、今では別物として捉えられ、
Facebookそのもののアクティブユーザー率が39%、Facebook Messengerが24%となっています。
ただ、スマートフォンアプリでは別々に表示されるので、徐々に別物だという見方がされてきたようです。
シンガポールではビジネス用途でも使用されることが多く、
emailの代わりにFacebook Messengerでやりとりなんてことも最近では珍しくなく、アクティブ率も上がっています。
考察…
結局のところ、whatsappやFacebook、Facebook Messengerの強さは、
横断的なネットワークを形成するcross-platformを築き上げたことにあるといえるでしょう。
こうした日々の生活において重要な情報を支える基盤が既にスマートフォン・ラップトップに組み込まれているので、
シンガポール人にとっては日常生活の必需品となっています。
結論
どのようにすれば、ビジネスはこれらチャットアプリという新たな生活インフラに乗せて拡大させていけるでしょうか?
結論から言ってしまえば、whatsappはおすすめが出来ず、個人的なおすすめは、Facebook messengerです。
現在シンガポールでは39%のFacebookアクティブユーザーがいて、数としては2百万人です。
数字の面から見ても、これまでの安定的な広告業とのマッチングを見ても、
Facebookが最もマーケティングに適したプラットフォームと言えるでしょう。
シンガポールの典型的なFacebookユーザー像はこうです。
①基本的なプロフィールを埋める、
②実際の知り合いと一通り繋がる(友達申請・グループ加入)、
③ステータスを埋める。
(この点はプライバシーの問題から議論されている点ですが、
シンガポール人は基本的には交際状況、学歴といったステータス欄を埋めることが大好きです。
しかし、この点はターゲットを明確化させる点でとても便利で、
実はマーケティング戦略を展開する上ではありがたいです。)
Facebookはまた、シンガポール人の消費動向を追いやすいという利点もあります。
シンガポール人は通常Googleで検索するより、Hardwarezone ForumsとFacebookの企業ページを見ます。
特にFacebookページが盛り上がりを見せていないことは、
消費者に支持されていないということを示すと考えられています。
広告と相性のいい可能性のあるチャットアプリとは?
前述したように、whatsappは個人用途に設計されていて、
広告や部外者がプライベートチャットを阻害しないことにその人気の秘密があります。
故に、whatsappを通じたマーケティング活動はほぼ不可能と言っていいでしょう。
逆に出来たとしても、広告や部外者の介入を嫌うユーザーがwhatsappを使用しているので、
そこに広告を打っても逆効果で、かえってブランド名に傷を付けてしまう恐れがあるので気を付けてください。
対して、Facebookは元々広告と相性のいいソーシャルメディアです。
そのFacebookが提供するFacebook Messengerは、
まだ広告業とどのように結び付けていけるかどうかを検討中の段階にあるので、
最も可能性が高いと言えるのではないでしょうか。
今後のチャットアプリと広告業の更なる化学反応がとても気になります!
(アジアクリック・Roger)
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