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 【インドネシア】スカルノハッタ国際空港の風景から得る外国人観光客誘致の2つのヒント

セラマソレッ!アジアクリック・インドネシア特派員のルキです。

JNTO(日本政府観光局)によると、2016年の訪日インドネシア人観光客は271,000人と過去最高を記録し、前年比32.1%増でした。しかし訪日インドネシア人の内訳をみてみると、華僑が多く、イスラム教徒が圧倒的に少ないのです。イスラム教徒は約16億人おり、世界の人口の23.2%を占めています。インドネシアはそのイスラム教徒が最も多い国です。つまり、訪日外国人観光客を誘致するにあたって、「イスラム教徒」へのPRは欠かせないと言っても過言ではないでしょう。

そこで今回はジャカルタ近郊にあるインドネシア最大の空港、スカルノハッタ国際空港でよく見かけるある光景から、イスラム教徒を誘致するための2つのポイントを解説いたします!

<空港で見られる団体の目的とは?>

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皆さんは、この写真に写っている団体の旅行の目的がわかりますか?みんな同じユニフォームを着ていますが、企業の団体旅行ではありません。「メッカへ向かう団体旅行客」なのです。同じメッカ行のプログラムに申し込めば、このように同じ服装をして空港に集まります。メッカでは多くのイスラム教徒が混在するため、現地の言語や英語が分からない人でも一目見て自分たちのグループだと気付けるように、毎回グループによってカラーや布のデザインを変えています。日本人にとっては、少し驚く光景かもしれません。

 

<メッカへの旅の費用>

インドネシアからメッカへの旅は、だいたい10日間程度で15万円前後の費用で参加可能です(イスラム教徒義務のメッカ巡礼のハッジとは異なります)。
ここで注目したいポイントは、『プログラムの選択』です!実は15万前後の費用というのは平均であって、その他にもいくつかプログラムがあります。インドネシアは階級の幅が広いため、費用の異なるプログラムをいくつか販売することで、イスラム教徒のインドネシア人は負担可能な範囲でメッカ行プログラムを選ぶことが可能となっているのです。
JNTOの報告書にも記載されている通り、インドネシアは「旅行商品の価格によって旅行動機が大きく左右される」市場です。リピーターを獲得するためにも、選択可能なプログラムを用意することは非常に重要ということができます。

 

<インドネシア人のお見送り>

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上の写真は、スカルノハッタ国際空港到着ロビーの外の様子です。家族の到着を多くの人が待ち構えています。インドネシアでは家族の誰か1人が海外旅行に出る場合、5人以上の家族がお見送りにやってきます。日本のように誰でも空港内に入れると混乱をまねく恐れがあるため、インドネシアの空港では航空券を持っていない人は空港内に入ることが禁じられています。

写真の様子とイスラム教徒の話を繋げると、ポイントは『文化の理解』です。イスラム教徒のインドネシア人が日本に訪れる割合が華僑より少ない理由の一つに、人生において優先するべきことがイスラム教徒だと異なるからという見解があることと、イスラム教徒が心地よく日本を旅できる準備が整っていないという課題があるからだと考えられます。空港の風景がこんなにも異なることから、インドネシア人が日本を旅する時に求めていることや日本で就職や就学したときに求めていることも日本人の目線とは異なるはずです。つまり現地の人の目線を知る、異文化の理解をしてはじめて、ニーズにあったサービスを提供できるのです!

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(アジアクリック・インドネシア特派員/ルキ)

▼参考
http://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/data_info_listing/pdf/170117_monthly.pdf