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 【台湾】60年も人気を維持する『資生堂』の戦略とは?!

皆様、こんにちは!台湾担当のチャニンです。

今や世界120の国と地域で販売されている『資生堂』商品。このグローバル展開として最初に進出した国が台湾で、2017年で販売開始から60年を迎えるのです!台湾には日本、韓国、欧米から多くの大手ブランドが進出していますが、なぜ『資生堂』は売上トップシェアの化粧品企業で居続けられるのでしょうか?
そこで今回は市場参入の過程とPR方法に焦点をあて、60年もの間人気を維持している秘訣3つをご紹介致します。

台湾における化粧品の需要

台湾の経済部(日本の経済産業省に相当)統計処によると、2016年の美容、医薬・医療用品の小売り総額は前年より4.2%(約1,962億元/約3兆2,278万円)増加しました。その内の47%(約15,170億円)を「化粧品」が占めています。2017年は2,000億元(約3兆2,903万)を目指しています。

需要の高い化粧品のブランドの中で、台湾で最も有名なブランドが『資生堂』なのです。

 

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1年の売上総額は1兆5,179億円の25%を占めており、172店舗も出店しています。

 

台湾市場への参入

1957年、『資生堂』は現地資本による販売代理店として設立され、1983年に株式会社資生堂との合弁会社となりました。1980年には中壢(ちゅうれき)工場が、1998年には新竹工場が稼動し、販売だけでなく生産拠点としても発展しています。また、2016年に中壢工場の生産機能を新竹工場に移転し、アセアン向けの生産を開始しているのです。
さらに海外市場での主力ブランド「SHISEIDO」に加え、台湾の顧客のニーズに応えるため、嗜好に合わせた複数のブランドを販売するカウンターをデパートや専門店、ドラッグストア系列店などで展開しています。まさに、ローカライズに注力していますよね。

 

人気維持のポイント

さて、ここからは資生堂のPR方法のポイント3つをご紹介していきます!併せて、幅広い年代に購入される理由も明らかにしていきます。

有名人のCMへの起用

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※画像:資生堂公式Youtube(https://www.youtube.com/watch?v=Xogamxcvol0

 

これは外国人に人気の「アルティミューン パワライジング コンセント レート」(美容液) のCMです。隋棠(ソニア・スイ)という台湾で有名なモデルです。他にも台湾資生堂60周年のコーポレート アンバサダーとして、台湾で絶大な人気を誇る蔡依林(ジョリン・ツァイ)という歌手を起用しています。

 

Youtube動画

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※画像:資生堂公式Youtube(https://www.youtube.com/watch?v=uWN69_vQAok

 

画像から分かるように、『資生堂』の商品を利用したメイク方法を紹介しています。再生時間は3分程度で、すぐに見終わる長さです。しかし、ポイントは内容だけではありません!実はメイク方法を解説しているのは、台湾出身の美容スタイリストで、中国版ツイッター「微博」で5,600万人ものフォロワー数をもつ「凱文Kevin老師」なのです。女性にとって彼のメイク方法を動画で、尚且つ無料で見ることができることは、とても魅力的です。

 

商品の説明

多くの化粧品ブランドは数多くの化粧品を販売しており、正直何がどのような効果があるのかわかりづらい時があります。

しかし、『資生堂』のHPでは商品を検索する際に、肌トラブルによって商品がカテゴライズされているため、とてもわかりやすくなっています。

また、使用から1週間及び1ヶ月後の肌の水分などがどのように変化するのか、数値で示している商品もあります。

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※画像:資生堂公式HP

 

このように若者が多く見るYoutubeを利用しつつも、CMに起用する有名人は30代と、幅広い層が興味を持つようなPRを行なっています。また、文字での商品説明だけではなく、スタッフのトレニンーグに時間をかけて、おもてなしの心を大切にしています。その結果、多くの顧客が若い頃からずっと『資生堂』の製品を利用しているのです。

 

「ローカライズ」はどの国に進出するにあたっても、非常に重要です。さらに現地スタッフを雇う際には、文化に合わせたコミュニケーションも必要となってきます。アジアクリックでは東南アジア・韓国・中国・台湾・香港に現地特派員がおり、戦略に関してアドバイスもしております。ぜひお気軽にお問合せくださいませ(info@asiaclick.jp)!

 

(アジアクリック・台湾特派員/チャニン)

参考:https://www.shiseidogroup.jp/news/detail.html?n=00000000002139