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 【タイ】最大手クーポンサイトENSOGOがASEANから撤退!その裏にある失敗は!?

サワッディーカップ!アジアクリックのタイ特派員のエーです。

2016年6月に最大手クーポンサイトのENSOGOがタイを含め全ASEAN諸国から撤退する運びとなりました。

EOSOGOはタイで創立後、アメリカのLiving Socialに買収されましたが、現在はオーストラリアのiBuyグループの資本となっている企業です。いわゆるグルーポンのようなフラッシュセール形式をとっており、タイの他にもフィリピンやインドネシアで旅行、美容、食事券から電気製品まで幅広い商品の電子クーポンを展開していました。

電子クーポンはASEAN諸国では普及率が高く、一般の人も日々のショッピングで気兼ねなく使っています。

 

では、このような大手ECサイトの多くはどこにあるのでしょうか?今回は、以下の二点にポイントを絞ってENSOGOの失敗例を分析していきます。

  • 内容は置いてけぼりで、価格競争へ…。アジアでも価格と品揃えの質のバランスが重要
  • フェイスブックやインスタグラムでの直接PRの台頭で、独自ECサイトが苦戦している側面

ECサイト産業が活発化する初期(2009年頃)の頃は、様々な企業が口コミから消費に繋がることを期待して自分のビジネスモデルに合うキャンペーンを考え、ENSOGOに広告を出していました。最初の頃は多くの企業がキャンペーンを行っていたためENSOGOもすぐ話題になり、ENSOGOも企業も消費者もWIN-WINの時期でした。

しかし、元はベンチャー企業のENSOGOは企業規模が拡大するにつれてクーポンサイトの方針が変化していきます。殆どの商品が早く売れる割引クーポンサイトの「値段対策のキャンペーン」を優先するという方針に変わりました。

これは、ENSOGOに参加している企業にとって値段対策が難しく、尚且つビジネスモデルに合うキャンペーンを考える自由がなくなるので参加しなくなったという側面がありました。

当時はクーポン関連事業で遅れをとっていた企業は、ENSOGOと消費者はWIN-WINの関係にあるように見えましたが、これはENSOGOの失敗の一途を辿っているに過ぎませんでした。

 

その理由は、ENSOGOの行っていた多様なキャンペーンが割引のみのサービスしか行っていないため魅力や注目度も下がってしまったからです。参加企業も段々と少なくなり、それでも続けている企業の大多数は食事券を売る飲食店でした。また、ENSOGOの利益還元の取り分はかなり大きく(50%は取られるという情報もあり)、もはや利益には期待できないため話題作りに利用するためのキャンペーンとなってしまいました。このようなシステムで果たしてお店の話題性を高められるのでしょうか?

店側はリピーターの増加を期待しても、顧客の殆どがお店ではなくENSOGOのキャンペーンに興味があるため、新しいキャンペーンがある度にそれを購入して新しいお店を利用するという利用構造になっていました。このキャンペーンが続く間はコスパにこだわるあまり、商品の質を下げてしまったお店もありました。この様な状態が続き、消費者からもとうとうクレームが出始め、中にはENSOGOのクーポンシステムについて行けず撤退していく企業も多くなりました。

企業にも消費者にも不満が溜まってしまえば、ENSOGOも経営難となります。そして、ENSOGOの最大の売りだった電子クーポンシステムにトドメを指すあるモノがインターネット世界に現れます。

 

②         フェイスブックやインスタグラムでの直接PRの台頭で、独自ECサイトが苦戦している側面

そう、そのトドメを指すあるモノとはフェイスブックやインスタグラムなどのSNSです。

SNS上では企業が多額の広告料を投資せずにビジネスモデルに合うキャンペーンを自由に考えることができます。そして、消費者は直接顧客とコミュニケーションを取れるため、ENSOGO経由のキャンペーンを作る必要がなくなりました。

 

このような様々な要因が重なり、ENSOGOはタイを含めてASEAN諸国全体から撤退せざるを得なくなりました。

 

この件からマーケターとして学ぶべきことは、多くの消費者が電子クーポンでENSOGOを経由して商品を安く購入できることに重点を置いていたということです。つまり、企業の宣伝にも一役買っているように見えていても、実は消費者の目は全く別の方向を向いていたということです。ENSOGOのようなエージェントをインフルエンサーとして利用し、割引キャンペーンをすると企業側には利益がCAC(顧客獲得コスト)となり、他のPR手段より短時間で話題作りが可能に見えます。

ですが、これらのシステムのロイヤルティは企業側ではなくENSOGO側にあります。これは、ENSOGOを利用していた顧客はキャンペーンを出している側の企業の顧客ではなくあくまでENSOGOの顧客であるからです。

この構造は、複雑なものではなくマーゲテングの基本中の基本というべき部分でしょう。

(アジアクリック・タイ担当/エー)

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