ASEAN主要7カ国+インド マーケットの入口

アジアNo1のドラッグストア「ワトソンズ」から学ぶアジア展開の成功事例(2021年版)

サワディーカー。タイ・バンコクからスタッフのナップです。

今回はASEANビジネス成功事例として、過去反響の良かった人気記事・ドラッグストアのワトソンズについて最新状況をお伝えします。

 

アジアで最もドラッグストアを展開しているグループはワトソンズ

中国の広東省で1828年にオープンし、今では中国本土と香港を中心に、台湾、シンガポール、タイなどアジア11カ国で3600店以上のチェーン展開、さらに薬局を900店以上を構えているのが、ワトソンズ パーソナル ケア ストアーズ(店名:watsons ワトソンズ 中国名:屈巨氏)です。グループ店の総来客数は週あたり2700万人にも達します。

従来の薬局のイメージは「薬のみを販売する薄暗い店」でしたが、これを一新して価値の創出に成功したのです。

従来の薬のみの販売ではなく、化粧品、スキンケア、トイレタリーなど日本のドラッグストアと同様に幅広いラインナップで人気を集めました。

 

ターゲットを年配からOL層に変換、育児に忙しい主婦層も取り込み

病気になった人やお年寄りがターゲットだった従来の薬局から、18~35歳の女性にターゲットを絞り込んだのです。この年齢層の女性は日本と同様に好奇心が旺盛で、新しい商品やサービスを積極的に試す傾向があり、SNSなどの発信により日常から口コミを繰り返す習慣があるので、瞬く間に広がっていったのです。

また、ターゲットは育児で忙しい年齢層も含まれ、遠くの百貨店よりも身近に簡単に買い物ができるスタイルへと変わりました。

コンセプトも「Your Personal Store」を全面に打ち出して、女性に優しい店づくりを徹底しました。その結果、来店客うち女性が占める割合は93%にも達しました。

 

好調の経営エンジンは利益率50%にも及ぶ「自社ブランド製品」

ライバル店と比べて、ワトソンズは2000種類に及ぶオリジナル自社ブランド品があり、総売り上げの15%を占めております。これに加えて、利益率の高さが他ブランドとの勝敗を分けたといわれています。なぜなら、他ブランドを販売した際の利益率は25%ですが、自社ブランドなら50%にも達するからです。自社ブランドは生産コストが抑えられるため、消費者にも安く提供ができ、お徳感を生み出した結果なのです。

 

レッドオーシャンの日本に進出せず、拡販できるアジアのみに注力

理由その1 日本ではすでにドラッグストア市場が成熟している

理由その2 ワトソンズは日本メーカーとの取引実績がなく価格競争ができない

理由その3 オリジナル商品の品質などが日本の市場に合わない

最近はインドの化粧品Himarayaなど、アーユルヴェーダをもとにしたラインナップも揃えており、南アジアを含む東南アジアの女性トレンドにも敏感です。

 

Facebookで数時間ごとに連投、飽きさせないライフスタイルの提案とディスカウント

コロナ禍もあり、ワトソンズはネット販売・およびネットを見ながら実店舗訪問促進(ワトソンズはO+O、オンラインプラスオフラインと呼称しています)に大変力を入れています。

アプリで化粧品の色を確かめることができたり、特にFacebookでは1~2時間に一度投稿するというめずらしい形で、ディスカウント情報だけではなく健康情報やビューティーノウハウも投稿しています。

https://www.facebook.com/watsonsthailand

ディスカウント情報は、ウェブサイト限定・日時指定の特別ディスカウントなどがあり、オンライン限定商品も揃えています。

一方、アジア男性もスキンケアなどへの関心が高まっているため、現在はまだ7%にとどまっている市場をさらに開拓すべく、男性会員カードの発行、男性向け新商品とサービスの開発に力を注いでいます。

 

客寄せのためのキャンペーン連打

Buy1Get1(1個買ったら1個無料、1個買ったら2個目は1バーツなど)が特に人気です。

日本が得意なポイントを貯めるとディスカウントになったり、商品と交換できる会員カードもリピーター確保に貢献しています。

日本に進出しない理由は、逆に考えるとアジアに進出する理由にもなりますよね。

行き来できるようになったら、ぜひアジア現地で長く経営できている店舗を視察して周ってみてください。

私達もタイやシンガポール現地で支援します。

(アジアクリック・タイ・バンコク特派員 ナップ)

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