ASEAN主要7カ国+インド マーケットの入口

令和8年 訪日プロモーション予算の配分指針 |東南アジア市場別の優先度と難易度

サワディーカップ。アジアクリックの髙橋学です。
みなさま、来年度に向けて各市場別・事業別のインバウンド事業計画で悩まれている方も多いかと存じます。
そこで、東南アジア・インド訪日インバウンド市場について、社内説明の補足となる情報を共有いたします。
※引用したJNTOによる数値データは、記事末尾に出典のURLを記載しています。

【結論・まとめ】
シンガポールは高付加価値旅行を最も展開しやすく、タイは地方への送客を進めやすい市場です。2026年を見据えると、まずはこの二大市場への集中をおすすめします。
次に、フィリピンは近年の伸びが大きく、誘客数の純増が最も期待できるため、シンガポール・タイに続く重点市場としておすすめします。
昨今注目を集めているインドは旅慣れた層に合わせた受け入れ整備で満足度と日本側の効率を両立しやすくなります。
マレーシア・インドネシア・ベトナムは団体の方針や各種事情に併せて訪日インバウンドを進めても良いでしょう。

シンガポール:高付加価値に最も届きやすい

訪日の実績は早くから高水準で推移し、情報収集力と計画性が高く、自身の価値観に沿う高付加価値の旅行商品・グルメ・体験が響きます。教育水準も高いが故に広告やセミナーの投資効果も設計しやすく、東南アジア・インド地域において最も高付加価値旅行を推進し単価を高めたい取り組みと相性が良い市場です。
ラグジュアリー特化型旅行商談会であるILTM Asia Pacificが例年シンガポールで開催されており、高付加価値旅行市場のハブとなっています。ただし先進国で最初期から訪日を行ってきた国であり人口規模は限定的(2024年の訪日者数は約69.1万人)で、現地の高付加価値旅行会社との連携による消費単価向上を目的とした確実性の高い送客のため、ファムトリップや現地の新聞とのメディア連携など施策が大変有効です。

タイ:送客規模と地域への誘客を両立しやすい

訪日タイ人は足元も堅調(JNTO 2025年6月時点での半期推計値68.1万人、2025年1-5月が前年同期比9.6%増で推移)で、国民性・休みの取りやすさから1~2週間の渡航がしやすく再訪者も多い(2023年は78.6%がリピーター)ため、地方ツアーのシリーズ化による安定した送客が見込めます。
地方の四季の自然、温泉、地元ならではの食体験などを組み合わせた地方コースも受け入れられやすく、依然として募集型ツアーも多く、予算が潤沢な企業・政府団体によるインセンティブツアー・報奨・視察旅行、10人前後でのFIT家族旅行で、人数の確保と体験価値の向上を同時に進めやすいのが楽で楽しく、結果も出やすいです。
更に、タイはシンガポールに続く世界第8位の高付加価値旅行市場でありツアーの価格格差も大きく、またFIT化も年々進んでいるので地域の商品特性や課題に合わせ大手に限らない提携旅行会社選びが重要です。

フィリピン:人数の上積みが最も見込める

2019年61.3万人 → 2023年62.2万人 → 2024年81.9万人と年々顕著な増加が続き、2025年1–3月期も前年超えで推移しているのがフィリピン人観光客です。フィリピン人の平均年齢は2025年時点で約26歳と大変若く、家族旅行や若年層の消費欲が強く、キリスト教が多数派で食・行動上の制約が比較的少ないため、地方ツアーも受け入れられやすいのが特長です。
実務上の観測では、1人当たり消費も、データでは平均的でも、子連れ・多人数の同行が多いため旅行単位の実支出は増えやすく、中国ほどではないにせよ、先行訪日市場同様の訪日時の消費額が見込めます。
現地の有力旅行会社もタイや台湾同様に地方ツアーの造成に協力的で、近年の訪日「ビザ申請制度の変更もあり、特に大家族向けの地方ツアーや企業の報奨旅行は、双方にとって進めやすいでしょう。フィリピンは家族・学休期中心の販売計画が要点です。他国より長めのビザのリードタイムを逆算し、早売りで市場を取りにいきましょう。

以上のシンガポール・タイ・フィリピンが、日本の地方がまず取り組みたい市場です。
これら3カ国に比べると2026年度の誘客事業の効率や実施難易度は上がりますが、ご参考までに他市場の現状についても共有します。

インドネシア:市場も将来性も大きいが、粘り強い取り組みが必要

2024年の訪日者は51万7600人で過去最高を更新。家族・教育旅行や雪体験など、地方のテーマも人気な訪日市場です。ターゲットとしては、ムスリムと少数だが誘客しやすい華人いずれを狙うのか慎重に検討し、現地旅行会社のインセンティブツアーや認知底上げのためのFIT向け現地メディアと連携し、成果を上げるためには他国に比べて中長期で取り組む必要があります。インドネシア政府の外国人政策は厳しく、東南アジア他国と異なり、親日ではあっても日本を海外旅行先として一番に検討しているわけではありません。
ランドオペレーター(ランド)面でも、直前になっての急な変更やキャンセルが他の東南アジア訪日層より多い傾向も一部あります。インドネシア訪日観光業界でも「有力旅行会社との提携によるインセンティブツアー」「FITに向けてコツコツ認知拡大」の2本柱が共通認識となっています。

マレーシア:ムスリムと華人を併せて事業推進

2024年は50万6800人で前年比21.9%増。素直に学校休暇や連休に合わせた共同プロモーション、テーマ性のある地方周遊商品を現地大手・老舗旅行会社と協働することで、送客計画は立てやすくなります。誘客数を増やすならマレーシア華人向けだけでなく、ハラルフレンドリーの対応や多世代旅行の受け入れを整備しムスリム向け旅行会社とも協業すれば、コツコツと実績が出せる市場ではあります。 同じムスリム国ですが、マレーシア海外旅行業界が成熟しておりマレーシア人は英語が話せますので、新興市場であるインドネシアよりは地方への誘客難易度はやさしいです。

ベトナム:政府・民間の報奨旅行から狙おう

2024年の訪日者は62万1100人で過去最高、前年比8.2%増。2025年1〜5月は31万1700人で前年同期比9.6%増と堅調です。しかし内実は、コロナ禍前より地方ツアーの企画自体が減っており、訪日商品はゴールデンルートに偏っています。コロナ禍で人員の入れ替えがあり、せっかくそれまで積み重なった地方への知識がまた再スタートした、というハノイ・ホーチミンの現地旅行会社状況となっています。ベトナム自体は近年経済成長が目まぐるしく、収入格差もどんどん広がっており、旅行会社によっては協力支援金が必要であることも留意が必要です。 ベトナム人旅行者には日本政府の制度上では未だFIT向けビザ免除は解禁されていません。むしろ日本での逃亡者を出した現地旅行会社には厳しく対応すると度々通達しています。しかし実際は訪日ビジネスビザで、レジャー目的含め訪日しているという実情があります。
素直に狙うなら、現地旅行会社と協業し、ベトナム政府系・民間大手の団体報奨旅行の地方誘致が現実的でしょう。

インド:海外慣れした層から慎重に

昨今注目を集め、訪日実績は2024年に23.3万人、平均滞在13.8泊(観光レジャー目的)、1人当たり消費は24.2万円と、長期滞在かつ比較的高い支出でもあり、来年度予算に組み入れる団体も増えてきた印象のインド人観光客誘致ですが、日本の地方にとって最も大切なことは「海外慣れしたインド人」、つまり高学歴層であり海外慣れしているアメリカやインド上場企業などのインセンティブツアーを狙うことです。
そうでないと、ランドの現場では食べ物の制限、歴史的な風習に起因するコミュニケーションの難しさ等により長期におけるインドからの誘客は成立が難しくなります。
インドからの誘致は、当初はムンバイやバンガロールのイギリス系大手旅行会社等をファムトリップに誘致したうえでの、旅行会社との協業によるインセンティブツアー誘致から始めるとよいでしょう。 PR面は、インド旅行会社は他国より面と向かっての信頼関係構築を重視しており、インド現地でのロードショー開催、セールスコールが定石です。

産業振興・MISEと連動したインバウンド誘致

これら東南アジアのASEAN諸国では、日本での見本市や企業研修、視察、輸出促進など産業分野に結びついた訪日も可能です。 日本の先進医療・高齢化対策・災害対策・建設・工場のDX・テクノロジーなどのMICEコンテンツは各国政府部門・民間大手・業界団体に興味を持ってもらえ、企業旅行の予算もつきやすいです(が、世界各地とのコンペになります)。
東南アジア・インド各国における業界別・産業別の具体的なニーズについては、お気軽にご相談ください。

【おわりに】 市場横断/別、事業横断/別についてのご相談・壁打ちでもお気軽に
2026年に向けた基軸はシンガポールとタイです。シンガポールは高付加価値商品の成約で単価を押し上げ、タイは安定した規模と地方送客を同時に実現しやすい土台があります。
同様の成果が狙え最も狙い目であるフィリピンは地方においても純増が期待できます。
2026年現在は、まずは条件の揃っているこれら3カ国訪日市場に取り組むのが定石と言える状況です。

インドはまず、海外慣れした層に対象を絞って、圧倒的に文化が異なる両国民が末永いお付き合いができる基礎にいたしましょう。
インドネシア・マレーシア・ベトナムは、目的や体制に合わせて効率よりも段階的に・長期的に取り組む選択肢です。

事業の実務面では、現地大手との協業とファムトリップの活用、家族向けFITグループとインセンティブツアーの大小団体を狙う。 また産業・輸出・人材事業と連動したMICEも地方への誘致の理由として強みになります。

限られた予算の中で、仕様を現実的にしながら課内外の承認を得なければ行けないのは、大変なことだと拝察いたします。
来年度に向けての東南アジアの市場別・事業別・横断・連携予算の概算についても、お気軽にご相談ください。
特に、貴地域の現状(課題、予算感、想定ターゲット、KPI感)をお伺いできれば、「シンガポール高付加価値旅行者向け」や「タイ地方誘客向け」の具体的なファムトリップ企画案やPR施策案をご提案いたします。
新興市場においても、「フィリピン華人系旅行会社によるインセンティブツアー」と「インドMICE誘致」のどちらに可能性があるのか、といった壁打ちからでも歓迎いたします。

アジアクリック 高橋学
mana@asiaclick.jp

※記事中の数値データの出展
・JNTO 訪日外客統計 https://www.jnto.go.jp/statistics/data/visitors-statistics/
・JNTO 月別・国別データ https://www.jnto.go.jp/statistics/data/since2003_monthly_visitor_arrivals.html
・JNTO 国籍別 都道府県別延べ宿泊者数 https://statistics.jnto.go.jp/graph/?utm_source=chatgpt.com#graph–overnight–stays–by–prefecture–and–country–area

タイランドゲームショウ2025現地レポート|ファンの愛がゲーム経済圏を動かす、PRはファンとの対話を大切に

サワディーカップ。バンコクから髙橋学です。この週末はタイランドゲームショウ2025に行ってきました。タイのゲーム市場は東南アジア地域において重要な成長市場として注目されており、2025年10月16~19日に開催されたgamescom asia x タイランドゲームショウ2025は、この成長を象徴する大規模イベントとなりました。本レポートでは、同イベントの概要、タイゲーム市場の最新データと将来予測、展示された主要ブランドとゲーム、B2B活動の詳細、日本企業への専門家アドバイス、および会場からの生の声をご報告します。

結論(この記事のまとめ)
タイゲームショウ2025は20万人以上の来場者を集め、年6.8%で成長するタイのゲームシーンを象徴する年に一度のイベントとなりました。
日本勢は物語性とキャラクターIPの強さで依然高い評価を得ていますが、会場ではアイデアも予算も実行力もある中韓勢に追いつかれていることを実感しました。当イベントではBtoBイベントにも力が入れられ、日本勢が生き残るには、支持されている「日本らしさ」を再確認し、シリーズとファンの歴史に基づいた「対話」をプロモーションに組み込むことでファン離れを防ぎ、新しいファンを育てていく必要があります。
最終日のタイゲーム賞では『Clair Obscur: Expedition 33』がGOTYなど主要3部門を同時受賞。




gamescom asia x タイランドゲームショウ2025(以下タイランドゲームショウ)は、ドイツで開催される世界最大級のゲームイベント「gamescom」のアジア版と、東南アジア最大のゲームイベント「タイランドゲームショウ」が初めて統合開催された歴史的なイベントとなりました。

来場者は206,159人と主催者が発表、前年(2024年)の186,876人を上回る、過去最高の来場者数となりました。そのうちB2B来場者は5,000人以上、B2C来場者は185,000人以上とのこと。イベントはBtoB日程(10月16~17日)とB2C日程(10月17~19日)に分かれ、業界関係者と一般ゲーマーの両方に対応する形式となり、会場もバンコク都心のクイーンシリキット国際会議場(QSNCC)で、展示面積は前年比約40%増の30,000平方メートルに拡大されました。

イベントのテーマは「World of Gaming」で、タイの副首相兼財務大臣が開会式で登壇し、ゲーム産業がソフトパワーの強化を推進するタイの「New S-Curve」産業の一つとして、タイ国家経済の重要な柱になることが強調されました。

タイゲーム市場は2030年に1.4倍になる予測

さて、タイのゲーム市場についておさらいいたしましょう。

タイゲーム市場規模は、2025年は3,707億円規模で、2030年には約5,161億円に成長(2025年1月独Statista調べ )。年平均成長率は約6.8%で、これから5年間で約1.4倍に拡大する見込みです。

市場の特徴は、モバイルゲームが6割以上を占め、ユーザー数は2,347万人(人口の約36%)で安定推移する一方、既存ユーザーの課金額増加が成長の主要因となっている点です。タイのゲーマーの平均支出額は年数万円程度と東南アジア最高水準であり、課金意欲の高さが目立ちます。

日タイを比較すると、日本のゲーム市場は2025年時点で約2兆円規模とされており、タイ(約3,707億円)の約5倍の市場規模を持っています。ただし成長率ではタイが優位で、タイの年平均成長率6.8%に対し、日本は成熟市場として2~3%程度の緩やかな成長にとどまっています。

プラットフォーム構成も異なり、日本は家庭用コンソール・モバイル・PCがバランス良く発展している一方、タイはモバイルゲームが約6割を占めているものの、日本同様に熱心なPCゲーマーコミュニティが存在し、Steamはその中心的なプラットフォームです。

市場構造の課題として、タイゲーム市場の97.8%は海外ゲームの配信・輸入・ライセンス管理ビジネスが占めており、タイ国内のゲーム開発企業の市場シェアはわずか2%に留まっています。これはタイは後発であることに起因する海外ゲーム企業との競争激化、人材不足、資金調達の困難さなどが原因とされていますが、後述するように頑張っているタイのゲームスタジオもありますので、今後日本企業との協業やM&Aにも注目したいところです。

展示されたゲームとブランド

タイランドゲームショウ2025には、世界中から190以上の出展者が参加し、3つのホールにわたって展示が行われました。

エンターテインメントエリアには、バンダイナムコエンターテインメント、カプコン、コナミ、任天堂、Xboxゲームパス、HoYoverse、Ubisoft、Daedalic Entertainment、Mytona、Razer Game Services、Staika、VNG Games & NCV Games、Thermite Gamesなどの主要国際ブランドが出展しました。

ハードウェア関連では、AMD、Intel、Nubwo x EGA、Predator、SIGNO、SteelSeriesが最新のゲーミングギアを展示し、限定商品の販売やイベント限定プロモーションを実施しました。
ソフトもハードも、どのブースも限定品やスペシャル値引きが目立った印象です。

日本勢の出展:シリーズも完全新作も

日本からは複数の大手ゲーム企業が出展し、中韓勢に負けず大きな存在感を放っていました。

任天堂は、最新タイトル『ポケットモンスターZA』の試遊コーナーを設置し、Nintendo Switch 2本体とソフトの販売も行いました。
ソニー・インタラクティブエンタテインメントのブースでは、Ghost of YoteiやCode Vein2など各メーカーのPlayStation 5タイトルの試遊ができました。
カプコンは歴代最大規模のブースで、『バイオハザード レクイエム』『モンスターハンター ストーリーズ3』『鬼武者リメイク』『プラグマタ』などが試遊できました。
これら数あるゲームの中でも、特に『鬼武者』と『プラグマタ』は行列が長かったです。

また、JETROも日本ゲームブースを出展しました。国を挙げてのゲーム産業推進は韓国や中国が先行していますが、海外でも日本政府のさらなる後押しを期待したいところです。

中国・韓国・シンガポール・マレーシア・タイ各ブースの様子

中国からはHoYoverse(『原神』『崩壊:スターレイル』の開発元)が大きな注目を集めました。中国のモバイルゲーム企業はタイ市場において強力な存在感を放っており、特に、チームで戦う「MOBA(モバ)」というゲームの分野では、「モバイルレジェンド」がタイでは常に上位に位置しています

会場には韓国パビリオンも出展し、ソフト/サービスの輸出を意識したB2B商談が行われていました。

Garena(シンガポール拠点)は、タイ市場において圧倒的なユーザー数を誇る『RoV (Arena of Valor)』と『Free Fire』を展開しています。RoVはタイのeスポーツシーンで最も人気のあるタイトルの一つであり、Free Fireも若年層を中心に広くプレイされています。これらのタイトルは、タイゲーム市場のエコシステムにおいて極めて重要な地位を占めています。

マレーシアブースは十分には見られませんでしたが、マレーシア国内のゲーム企業を取りまとめて出展していました。

これら各国のゲームが入り乱れる会場では、タイ語で「これは中国のゲーム?日本のゲーム?」とタイ人にも見分けがつかなくなっているという声を数回耳にしたことに驚きました。

我らが日本ブランドは、目新しさは多くないものの、堅実なゲーム設計と強力なキャラクターIPで差別化しており、特に物語性や日本らしい「かわいさ」、シリーズの伝統と歴史に根差した萌えや胸熱展開が高く評価されています。
一方、中国企業はモバイルゲームとeスポーツ分野で強みを持ち、基本無料モデルとソーシャル機能を重視した設計、内外面ともに魅力的なキャラクターのグッズとの横展開で市場シェアを拡大しています。 代表的な例として、昨今話題の「無限大ANANTA」は、各名作ゲームの良い要素をパクったと言われる内容で大人気となっているのが記憶に新しいところです。

また、会場内東側には「タイパビリオン」と「インディーゲームエリア」が設置され、タイ国内の開発者による20タイトル以上のゲームが展示されました。Urnique Studio、FairPlay Studios、GambitGhost Studio、Barking Kitten、Jumbo Jumpsなどのタイスタジオが参加し、10月17日のインディーゲーム講演に登壇。約80タイトルのインディーゲームが展示され、世界中のインディー開発者と出版社が参加しました。私個人としても『The Shadow of AYUTTHAYA』など、世界遺産アユタヤ遺跡の舞台と雰囲気を活かしたタイらしいゲームに、タイのゲーム業界の成長を強く感じました。

世界のゲームクリエイターと繋がるBtoBイベントも豊富

タイランドゲームショウ2025のBtoBカンファレンスでは、20カ国以上から70名以上のスピーカーが登壇し、2つの主要ステージで講演が行われました。

基調講演として、近未来宇宙船探索ゲーム『デッドスペース』の生みの親であり、『コール オブ デューティ』スタジオが登壇し、「ひらめくための10個の方法」をテーマにゲーム制作の創造方法について講演し、ゲーム業界が「壊れ、打ちのめされ、傷ついている」状態にあるとし、業界を立て直すための3つの提案として、第一にAIの積極的活用、第二にHRへの投資、第三にE3(世界最大級の米ゲーム見本市)の復活を、タイのゲーム業界関係者に呼びかけました。この提案に対して同イベントでゲーム業界の発展やイノベーションに長年大きく貢献した業界人に贈られる「ライフタイム・アチーブメント賞」が贈られました。

その他の主要スピーカーにはMarvel Games(代表作マーベル・ライバルズ)、Ubisoft(FPS定番のRainbow Six: SiegeやFar Cry 5)、Pocketpair(パルワールド)、Bethesda(スカイリム)など、ゲーマーにもなじみのあるの作品の錚々たるスタジオが揃いました。

カンファレンスは2つのメインステージに分かれ、開発制作ステージはゲーム開発と制作に関する技術的トピックを扱い、広報・ビジネス戦略ステージはゲームのマネタイズ、クロスプラットフォーム開発、アジア市場向けの言語・文化へのローカライズ、AIを活用したコンテンツ制作などのビジネス戦略を議論。

さらに、プレゼンステージがBtoBエリアに設置され、スポンサーや出展者による商業的・技術的プレゼンが行われました。出展企業は最新技術、ゲームエンジン、開発ツール、広報宣伝サービス、マーケティングソリューションなどを紹介し、BtoB参加者は自由に聴講できました。タイのゲーム業界においても、国境を超えたB2Bイベントを通じて、最新トレンドや商業ソリューションを学ぶ機会が広がっていると感じます。

ビジネスマッチングと商談機会を提供

BtoBビジネスエリアには、18カ国・地域の国別パビリオンとブースが並び、タイからはデジタル経済振興庁パビリオンとタイランド・パビリオンを含む30社超のタイゲーム企業が出展しました。投資家交流会・VIP懇親会では、ゲームのパブリッシャーと投資家の直接対話が行われました。

インディーゲーム事業提案コンペティションは、アゴラ・ゲーミング・パートナーズ(ゲーム領域のベンチャー支援ファーム)主催で開催、優勝者に賞金が授与されるなど資金調達や事業提案の機会を提供。また、タイの学生による20作品も展示されるなど、タイには多くの支援制度とビジネスチャンスがあることが強く印象づけられました。

このように、BtoBエリアはアジア最大級のゲーム業界交流会として機能し、出版社、開発者、投資家、サービスプロバイダーが一堂に会する場となりました。タイ政府デジタル経済振興庁(depa)も、今後ますます力を入れると表明しています。

また来場者には、イベント公式のgamescom biz アプリが、当イベント公式のBtoBネットワーキングプラットフォームとして提供されました。このアプリは、登録されたビジネス来場者と出展者に対して無料で提供され、ウェブ版とモバイルアプリ版の両方で利用可能。タイのイベントではこの種のBtoBアプリが一般的で、主催者は成果の可視化とネットワーク拡大ができ、参加者にとってはデジタル名刺として機能し、アクティビティ予約や会場地図、連絡先交換などの利便性が高まります。

タイゲーム市場攻略の鍵は「日本らしさ」「タイ人の射幸性」と「ファンのゲーム愛」

日本の強みを活かすべき領域

先に少し触れましたが、タイにおける日本ゲームの強みは、高品質なストーリーテリング、キャラクターIPの強さ、かわいい・未来感やノスタルジー感のあるアートディレクションにあります。最近では『SILENT HILL f』や『NINJA GAIDEN』『龍が如く』シリーズなどがタイのゲーマーに好評です。タイのゲーマーは若年層のFPSにとどまらず、30~40代にもJRPG、マリオやソニックなどに代表されるアクション・レースゲーム、そしてキャラクターコレクション要素を持つ『ポケモン』や『Fate』『ウマ娘』などに高い関心を示しています。日本企業は、感情に訴えるストーリーとエモいビジュアル演出の両輪の「日本らしさ」メッセージを強化するとタイ人消費者の心に響きやすいでしょう。

タイの射幸性文化とゲーム消費行動

タイ市場の特徴として、文化的背景に根ざした射幸性への親和性があります。タイ政府公認宝くじは国民の間で極めて人気が高く、研究論文によればタイ人口の約7割が何らかの形で宝くじ的活動に参加経験があるとされています。宝くじは寺院での祈願や縁起の良い数字選びなど、文化的・精神的慣習と日常的に結びつき、仏教文化における「バラミー(功徳)」や「チョークディー(幸運)」の概念が深く根付いています。幸運を呼ぶお守りや僧侶の祝福、数字の縁起担ぎが日常生活に組み込まれており、このような特別な数字を見つけると幸運を期待し、その週の宝くじを買うことも比較的一般的です。

よって、ゲームにおける射幸性要素への親和性として、ランダム報酬システム(ガチャ、ルートボックス)に対する抵抗感が比較的低く、「運試し」としてのゲーム内課金が文化的に受け入れられやすい土壌があります。同様な意味で、限定キャラクターやレアアイテムの獲得は、属しているクラスタでのステータス(自慢)となる傾向もあります。

さらに、キャラクター収集やアイテムコンプリートへの強い欲求があり、SNSでの成果共有が消費行動を促進しています。昨今では中国発LABUBU(ラブブ)や、タイから日本にブームが逆輸入されたモンチッチなども人気で、日常の学校や職場などのコミュニティ内での優越感・承認欲求が購買動機となり、課金を促進する構造が見られます。

日本企業にとっても、これら習慣・文化的背景を理解したうえでのガチャシステム設計は重要です。ただし、昨今、ゲーマーの中で特に大量生産ガチャJRPGゲーに対しての批判の主要要因となっていることが記憶に新しいように、過度な射幸性煽りではなく、文化的に受容される色合いの「運試し」の演出、透明性のある確率表示と適切な天井システムの実装という消費者目線でのコンプライアンス遵守、適度なコレクション達成感とコミュニティ共有機能の充実、といった倫理的配慮と責任あるゲーム設計のバランスが求められています。
つまり、ガチャとキャラクターコレクション要素はタイ市場でも受容性が高い一方で、課金ありきではなく、キャラクターへの愛情や独自の世界観を大切にする制作とPRが、IP寿命を延ばし、MD(マーチャンダイジング)による効果的なマネタイズにもつながると考えます。

ゲーム経済を動かすのはファンの愛。ファンのゲームとの思い出を大切に

会場では多くの来場者が、好きなゲームや、興味を持ったゲームに熱中していました。様々に提供されるキャラクター限定品や体験型のプレゼントキャンペーンも楽しめたようです。
各ゲームにはシリーズがあり、消費者にもそれぞれのゲームに親しんできた歴史とたくさんの知識、感情、思い出があります。
大前提として、ゲームのプロモーションは、その作品と消費者との「対話の歴史」を理解していなければ、心に残る打ち出しはできません。
過去を知らないままプロモーションを設計することは、むしろ炎上のリスクさえあります。
私どもアジアクリックの各メンバーもすべての作品を遊び尽くしているわけでも、すべてに同じ熱量の愛があるわけでもありませんが、20年にわたるゲームへの情熱と、AAAゲームからインディーゲームを含めた現地でのマーケティング経験を積み重ねてきました。
タイをはじめ東南アジアでのゲームの現地プロモーションは、私たちアジアクリックにお任せください。

アジアクリック 高橋学

追記:

【速報】Thailand Game Awards 2025 受賞結果まとめ!GOTYは『Clair Obscur: Expedition 33』が獲得!

本日2025年10月19日、アジア最大級のゲームイベント「Thailand Game Show 2025(タイランドゲームショウ)」のメインステージにて、今年の優れたゲームやデバイスを表彰する「Thailand Game Awards 2025」の結果が発表されました。

今年の「Game of The Year」の栄冠は、Sandfall Interactiveが開発を手がける期待のRPG『Clair Obscur: Expedition 33』に輝きました。
同作は「Best PC / Console Game」「Best RPG Game」も同時受賞し、見事3冠を達成しています。 流石です。タイ人にも人気でしたので納得です。

gamescom asia x Thailand Game Show 2025 Day 2 Highlights Cover

以下に、発表された主な受賞結果を速報としてまとめました。

【Thailand Game Awards 2025】 受賞結果まとめ

▼ ゲーム部門

【ゲーム・オブ・ザ・イヤー(年間最優秀ゲーム賞)】 Clair Obscur: Expedition 33

【ベスト PC・コンソールゲーム賞】 Clair Obscur: Expedition 33

【ベストRPG賞】 Clair Obscur: Expedition 33

【ベストモバイルゲーム賞】 ウマ娘 プリティーダービー

【ベストインディーゲーム賞】 エンダーマグノリア: ブルームインザミスト

【ベスト格闘ゲーム賞】 餓狼伝説 City of the Wolves

▼ ゲーミングギア部門

【ベストゲーミングマウス賞】 Razer DeathAdder V4 Pro

【ベストゲーミングヘッドセット賞】 SteelSeries Arctis Nova 3X

【ベスト携帯ゲーム機賞】 Nintendo Switch 2(任天堂スイッチ2)

【ベストゲーミングスマートフォン賞】 ROG Phone 9 Pro Edition

【ベストゲーミングノートPC賞】 Lenovo Legion 9i

【ベストノートPC向けCPU賞】 Intel Core Ultra 9 285HX

【ベストゲーミングCPU賞】 AMD Ryzen 7 9800X3D

【ベストゲーミングモニター賞】 ASUS ROG Swift OLED PG27AQDP

出典: https://gamingonphone.com/news/gamescom-asia-x-thailand-game-show-2025-day-1-highlights-fireside-chats-indie-showcases-and-industry-insights/


 

受賞結果に見られる傾向と共通点:日本コンテンツに勝機あり

 

今年の「Thailand Game Awards」の受賞ラインナップからは、いくつかの興味深い傾向が見て取れます。

1. 期待の新作RPG『Clair Obscur: Expedition 33』の圧勝

今年の授賞式で最も注目すべきは、期待のJRPG風新作『Clair Obscur: Expedition 33』が年間最優秀ゲーム賞を含む主要3部門を制覇したことです。これは、タイおよびアジア市場のゲーマーが、大作シリーズだけでなく、親しみやすくもパリシステムなど革新性や、フランスの芸術性の高いタイトルを高く評価しました。当スタジオは驚くほど少人数でしたし、私もプレイしましたが主要3部門を制覇は本当に納得の結果です。

2. 日本産ゲームコンテンツの根強い人気

ゲーム部門では、『ウマ娘 プリティーダービー』『エンダーマグノリア』『餓狼伝説』と、受賞6部門のうち半数を日本のゲームが占めました。モバイル、インディー、格闘ゲームという異なるジャンルでそれぞれ高い評価を得ており、タイのゲーム市場における日本産コンテンツのブランド力と根強い人気を改めて証明する結果となりました。嬉しいですね。それぞれ横展開やシリーズ展開を行っているので今後にも期待。

3. 「次世代」と「ハイエンド」がキーワードのゲーミングギア

ゲーミングギア部門では順当に「Nintendo Switch 2」が賞を獲得。また、CPUやモニターでは各社のハイエンドモデルが選ばれており、最高のゲーム体験のためには高性能なデバイスへの投資を惜しまない、コアゲーマー層のハイエンド志向が反映されていると言えるでしょう。タイは日本ほどPCパーツは揃っていませんが熱量は同じものを感じます。 ライバル機のXbox ROG Alleyも試遊と展示を頑張っていましたが、GamePassのやらかしも影響したのか今ひとつパッとしていませんでした。今後、最強のハンドヘルドゲーム機であるSteam Deckとの差別化に期待というところでしょうか。

以上、ご参考になれば幸いです。  日本のゲーム業界頑張って参りましょう!

【シンガポール】徹底したブランディングで高級感を演出!?TWG TeaのPR戦略とは?

こんにちは、PR事例特派員のAyaです!

みなさん、シンガポールの紅茶メーカー『TWG Tea』はご存知でしょうか?紅茶販売の他にもティーサロンの展開やティーセットの販売も行っており、「高級感」の演出によって、世界各国に店舗を構える紅茶店へと急成長を遂げました。

そこで今回は、そんなTWG TeaのPR事例についてご紹介させて頂きます!

(さらに…)

シンガポールで食品展示会、日本の食品輸出と注目商品
シンガポールのマリーナ・ベイ・サンズにあるコンベンションホールで「SIGEP ASIA」食品関連展示会が開催されました。
日本からは、農場や牧場が自ら作るポタージュやジェラート、和スイーツ、コーヒーリキュール、日本茶などが出展。
この展示会にはレストランやケータリングなどのバイヤーの来場が多く、自社のメニューの強化のための差別性のある製品への興味が高い結果となりました。
現地のパティシエによるチョコポップ付きアート作品の試食も話題で、今後日本もこうした体験型PRが期待されます。
アジアのバイヤーは「健康」「サステナビリティ」「和」の要素に引き続き高い関心を示しています。
**以下、現地写真が続きます

【シンガポール】成功している日本食店10選とその理由

 

kuroson

 

こんにちは、シンガポール特派員のHinaです。

 

アジア圏内に旅行や仕事に行くとどこの国にも日本食レストランや日本の食材は当たり前のようにみかけます。

 

ここシンガポールはアジア圏内でも最も日本食レストランの進出、開業数が多くがレベルも高く商品数も非常に充実している国だと思います。

 

今日はそんなシンガポールで人気があった日本食レストランとその理由を探ってみましょう。

 

 

なんじゃもんじゃ(お好み焼き・居酒屋)

 

シンガポールの川沿いに立ち並ぶ高級住宅街リババリー近くにある不動の人気店。10年以上の営業。

Grand Copthome Waterfront Hotel の1階にあり店内と川に面した外の席に若列。

日本人オーナー。美人姉妹が話題になった事も。

 

人気の理由 : お好みだけでなく、広島焼き、もんじゃ焼きもある。その他居酒屋メニューも非常に豊富でどれを食べても美味しく味が安定しているのでシンガポール人や駐在日本人からのリピーターが多い。

川沿いのオープン席も人気で日本人らしいイベントをよく開催しており飽きが来ない。

 

 

矢澤(高級焼肉)

 

シンガポールリバー沿いロバートソーンウォークにある中高級の焼肉店。

ヤザワミートのシンガポール店。開業から多くのファンが訪れるシンガポールでトップクラスの人気。

この肉を利用したハンバーグ屋も人気。

 

人気の理由:価格は高いもののそれに見合ったクオリティーのお肉が食べれる。接待用や海外からの来客を連れていくのにふいんき、味など安心して利用出来る。開店当時はここまで高いレベルの焼肉店がまだなかったため絶妙のタイミングで出店も成功した理由かと。高級エリアに高級焼肉とイメージが揃っている。焼肉ではここが一番だと思われる。

 

 

銀座 黒尊(高級寿司)

 

シンガポールリバー沿い。ロバートソンウォークにある高級感のある寿司屋。

ここと同じ素材使ったグループ店の上品な回転寿司店も開業しブランド力をさらに強化。

日本人に定評のある人気。

 

人気の理由:昼の漁師豪快投げ込み丼セットが人気度が非常に高い。新鮮な素材に、付け出し、味噌汁、デザート、お茶(シンガポールで水すら有料の場合もある)でたったの20ドル。鮭の親子丼、特選バラチラシも20ドル以下と気軽に使えやすい。夜は和風個室があるので接待にも使えると好評。

 

 

酢重(割烹風和食)

 

マンダリンホテルにあるマンダリンギャラリーショッピングセンターの中にありしっとりと高級感がありつつ落ち着きのある店。割烹ほど気取らず、和食レストランほど安っぽくなく様々な場面で使いやすい。

 

人気の理由:日本人がこぞって一番美味しい日本食と絶品するレストラン。銀タラ西京焼きやはらすなど日本以上に美味しいメニューも多い。価格は高いがふいんきと絶品料理が食べれると毎週通う家族もいるほどの人気。立地がオーチャードも便利で通いやすいひけつ。

 

 

焼肉青ちゃん(大衆焼肉)

 

昔からサマセットのホテルの中にある青ちゃんはシンガポールにまだ日本食がなかった時代から営業している日本人に長く愛されている焼肉屋。店内は広く個室がいくつもある。平日ランチセットもコストパフォーマンスが高い。

 

人気の理由:なんといっても歴史の長さ。シンガポールに長い駐在員の定番店になっており、価格も大衆価格の焼肉なので接待以外やローカルも気軽に利用出来るのが人気。肉のクオリティーも価格と見合っており納得して払える。立地がサマセットというのも気軽に普段使いしやすい。

 

 

酉玉(高級焼鳥)

 

シンガポール川沿いにあるロバートソンウォークの角にある焼鳥や。店内は落ち着いた白木で造られ高級感がある。

日本人のみならずローカルからも定番店として利用されている。

 

人気の理由:美味しい焼き鳥があまりなかった少し昔からあるお店で、いまだにその味のクオリティーは変わらない。個室もあり接待として使いやすい。焼鳥では恐らく一番人気と予想。

 

 

てっぺい(天ぷら 和食)

 

タンジョンパガー駅前にあるカウンターのみのお店。隣にラーメン屋と餃子屋、寿司屋などと日本食レストランが並ぶがこの店を含めラーメン、餃子は人気だがここのランチにできる行列ほどではない。

 

人気の理由:カウンター越しに揚げたてのてんぷらが食べれると非常に人気が高い。ランチ時間は行列必須。価格がリーズナブルのみならずすぐ目の前で作られる海鮮丼やてんぷらが見えるのも人気のポイント。

 

 

オイスターバー&グリルワーフ(オイスターバー)

 

ロバートソンウォークからさらに奥にいったロバートソンキーエリアの川沿いにある。新鮮な生牡蠣とモヒートなどバーメニューが豊富。シンガポールに進出後、数年で数店舗までオープンした。

 

人気の理由:コンセプトが牡蠣とモヒートと非常に分かりやすい。生牡蠣が売りであり、また100種類以上もあるモヒートは女性に人気である。通常のオイスターバーとは異なり様々な国の牡蠣が食べられウイスキー、トリュフオイルをかけたりその牡蠣に合った食べ方を楽しませてくれる。

 

 

味千(大衆ラーメン)

 

オーナーは日本人男性。シンガポールに15年以上もラーメン店を展開しすでにほとんどのショッピングセンターで見ないことがないほど定番店。日本人よりもほとんどがローカルに支えられている。

 

人気の理由:グループでラーメン以外にフルーツケーキ、ビュッフェ、ブランド違いのラーメン店、中華、和食など幅広く日本食レストランを出せるためショッピングセンターのマネジメントから良いオファーを受けやすく良い場所を安く取れやすい。歴史がありシンガポールのマーケットを完璧に把握している。

 

 

信屋(居酒屋)

 

ブギス駅やシティーホール駅から離れた場所にある雑居ビル1階にある昔ながらの高架下風飲み所。カウンターと小さなテーブルが並び予約しないといつも入れないほどの人気店。お酒を飲まない人入店お断り。

 

人気の理由:席に案内する前に酒を飲むか聞かれるため飲む人のための店でありそれに合った小鉢の料理が多い。値段も小鉢のため安く感じめずらしい食材も多い。店内にいると日本の郊外で飲んでいるような錯覚になるほどどっぷり日本である。

Suju
以上のように、シンガポールで成功していた日本食店は、特徴的な業態・高品質なメニュー・立地・リピーター獲得術が理由で評価されています。
各店とも「美味しさ」「価格」「雰囲気」「日本人オーナー/現地密着」「立地」「イベントやサービス」が主な成功要因です。

当社アジアクリックでは、FacebookなどSNS運用代行を中心とした現地PR、現地調査、現地営業代行などオンライン・オフライン施策で日本の皆様と現地の消費者がアジアを知り、アジアと繋がり、アジアでうまく行くお手伝いをさせていただきます。 東南アジア市場のビジネスはお気軽にご相談下さい。

シンガポール Hina
info@asiaclick.jp

東南アジアでのオンライン展示会事例  ~東南アジア各国でデジタル日本博が開催~

東南アジアでもコロナ禍でオンラインイベントが進みました。

単独実施ではなく、オーガナイザーが自治体や団体を集めて実施していた従来の旅行博スタイルをオンラインに置き換えたイベントを、タイ・マレーシア・シンガポール・インドネシア・ベトナム・フィリピンの順で紹介します。

 

●タイ向け

・バンコク日本博2020オンライン

 

トラベル(旅行会社、自治体、テーマパーク、鉄道会社など)/食(飲食店など)/モノ、伝統工芸(物販(食材等)、伝統工芸、地域特産品など)/コンテンツ(アニメ、マンガ、映画、テレビ、ゲーム、音楽など)/学校、日本留学(日本語学校、専門学校、大学、高校、不動産会社など)/企業、就職(採用目的の在タイ日系企業&日本の会社、人材紹介会社)などが参加。

資格一部、生放送でも冗長で手持ち無沙汰を感じたり前打合せが不十分だったのか、出演者がはるか遠くで視聴者は画面上でよく見えなかったりしており、チャレンジングな先行事例ながら生放送を主体とする場合のオンラインイベント運用の課題が明確となった。

https://www.youtube.com/channel/UCXHu32-CE6QuVklxkoPIT0w

 

●マレーシア

・Japan Expo Malaysia

2020年7月18・19日の土日にFacebookとYoutubeで行われたオンライン日本博。

芸能人のステージパフォーマンスを中心に、コスプレやロボット、武道、プロレス、寿司のスピード大食い等豊富なコンテンツで日本文化を紹介。バーチャルユーチューバーや著作権保護啓蒙、アイドルによるお勧め観光地等の紹介も。

ラッキードローはエアアジア航空チケットやニンテンドースイッチ。

https://www.facebook.com/japanexpomalaysia

 

・マレーシア政府観光局による日本人向け「マレーシアグルメ座談会」

 

スライドを使ったグルメ紹介と、4人のプレゼンテーターによるおしゃべり、参加者のチャットを見ると関係者がほとんどで、ターゲットへのリーチが課題。

1,236 回視聴•2021/04/24 にライブ配信 621共有保存

 

●シンガポール向け

・The Japan Rail Fair

 

日本とシンガポールをつなぎ、日本の観光情報を「訪日ウェビナー」「ワークショップ」「鉄道や旅行気分のバーチャル中継」「動画配信」で発信、また旅行博のオンライン版と位置づけ、現地シンガポール人との交流の場もウェブ上に設けた。ブースはJR各社および北海道、静岡、愛媛、香川、高知各自治体が参加。

https://japanrailtimes.japanrailcafe.com.sg/tjrf2020/

 

・Sakura-viewing Seminar 2020(H.I.S. Singapore)

開催期間1日、時間7時間半におよび、HIS社シンガポール支店で消費者向けに花見をリモートで行いつつ、予約制で相談会を行った。Facebook上では参加者3名、興味あり30名。

参加者は50sgdのクーポンと、購入者には最大3つのスーツケースと最大500sgdの割引を行った。

https://www.facebook.com/events/1556347017855771/?acontext=%7B%22event_action_history%22%3A[%7B%22surface%22%3A%22page%22%7D]%7D

https://www.facebook.com/HISTRAVEL.SG/events/

 

●インドネシア向け

・インドネシアジャパンオンラインフェスティバル2020(2020年10月23日開催)

 

オンラインで日本レストランと繋ぎ親子丼の作り方や、福島と繋いで侍剣舞、日系工場の誘致PR、介護職の募集、JKT48メンバーがヴィーナスフォートを歩いて紹介する中継など、複数の地点を繋いでの中継内容が多かった。

 

●ベトナム

・ベトナムジャパンフェスティバル ホーチミン市内の公園でリアルで開催

たこやきやぽっぽ焼きなど食品ブースや、企業のPRブースなど。

日本観光地を背景に投影して、SGO48など現地芸能人のステージが目玉。メインステージでは徳島県とオンラインで繋いで、参加者と阿波踊りも。

http://www.toasoken.asia/?page_id=2088

※当日の様子レポート

※公式チャンネルには、2021年の記録動画はなし。

 

●フィリピン向け

・フィリピンにいながら日本の文化が楽しめる『JAPAN FIESTA(ジャパンフィエスタ)2021〜New Year〜』

今年はオンラインで1月18日~24日に開催、1日あたり1時間強の放映で7日連続。

MNL48など有名芸能人やコスプレイヤーが出演。和歌山や鳥取、九州を中心とした観光ビデオや担当者からの英語プレゼンを放映、PR色が強い内容となった。各日の最後には視聴者参加型クイズも。

 

いかがでしょうか。

東南アジアでのオンラインイベントのポイントをまとめると、

・準備→当日トラブルを避け録画を活用、視聴者目線でのUIを

・PR→SNSはもちろん、現地ならではのメディアを使ってターゲットに十分なリーチを

・当日→参加型クイズや現地からの放映でリアル感の演出を、音声や電波トラブルにも対応

・アフターフォロー→SNSなどで後日談、コツコツ継続PR

を行うと良いでしょう。

 

最後に今年は訪日再開への準備の年なので、エンゲージの高い独自開催をして、次に行く場所として記憶に残すことをご提案します。

独自のイベントを実施できるツールと事例をご紹介しますので、ご興味ある方は下記リンクからダウンロードください。(登録不要、2.1MB)

https://asiaclick.jp/new/wp-content/uploads/2021/04/210405Tourism-Reopening_Export-Reboot_Plan-2021.pdf

アジアNo1のドラッグストア「ワトソンズ」から学ぶアジア展開の成功事例(2021年版)

サワディーカー。タイ・バンコクからスタッフのナップです。

今回はASEANビジネス成功事例として、過去反響の良かった人気記事・ドラッグストアのワトソンズについて最新状況をお伝えします。

 

アジアで最もドラッグストアを展開しているグループはワトソンズ

中国の広東省で1828年にオープンし、今では中国本土と香港を中心に、台湾、シンガポール、タイなどアジア11カ国で3600店以上のチェーン展開、さらに薬局を900店以上を構えているのが、ワトソンズ パーソナル ケア ストアーズ(店名:watsons ワトソンズ 中国名:屈巨氏)です。グループ店の総来客数は週あたり2700万人にも達します。

従来の薬局のイメージは「薬のみを販売する薄暗い店」でしたが、これを一新して価値の創出に成功したのです。

従来の薬のみの販売ではなく、化粧品、スキンケア、トイレタリーなど日本のドラッグストアと同様に幅広いラインナップで人気を集めました。

 

ターゲットを年配からOL層に変換、育児に忙しい主婦層も取り込み

病気になった人やお年寄りがターゲットだった従来の薬局から、18~35歳の女性にターゲットを絞り込んだのです。この年齢層の女性は日本と同様に好奇心が旺盛で、新しい商品やサービスを積極的に試す傾向があり、SNSなどの発信により日常から口コミを繰り返す習慣があるので、瞬く間に広がっていったのです。

また、ターゲットは育児で忙しい年齢層も含まれ、遠くの百貨店よりも身近に簡単に買い物ができるスタイルへと変わりました。

コンセプトも「Your Personal Store」を全面に打ち出して、女性に優しい店づくりを徹底しました。その結果、来店客うち女性が占める割合は93%にも達しました。

 

好調の経営エンジンは利益率50%にも及ぶ「自社ブランド製品」

ライバル店と比べて、ワトソンズは2000種類に及ぶオリジナル自社ブランド品があり、総売り上げの15%を占めております。これに加えて、利益率の高さが他ブランドとの勝敗を分けたといわれています。なぜなら、他ブランドを販売した際の利益率は25%ですが、自社ブランドなら50%にも達するからです。自社ブランドは生産コストが抑えられるため、消費者にも安く提供ができ、お徳感を生み出した結果なのです。

 

レッドオーシャンの日本に進出せず、拡販できるアジアのみに注力

理由その1 日本ではすでにドラッグストア市場が成熟している

理由その2 ワトソンズは日本メーカーとの取引実績がなく価格競争ができない

理由その3 オリジナル商品の品質などが日本の市場に合わない

最近はインドの化粧品Himarayaなど、アーユルヴェーダをもとにしたラインナップも揃えており、南アジアを含む東南アジアの女性トレンドにも敏感です。

 

Facebookで数時間ごとに連投、飽きさせないライフスタイルの提案とディスカウント

コロナ禍もあり、ワトソンズはネット販売・およびネットを見ながら実店舗訪問促進(ワトソンズはO+O、オンラインプラスオフラインと呼称しています)に大変力を入れています。

アプリで化粧品の色を確かめることができたり、特にFacebookでは1~2時間に一度投稿するというめずらしい形で、ディスカウント情報だけではなく健康情報やビューティーノウハウも投稿しています。

https://www.facebook.com/watsonsthailand

ディスカウント情報は、ウェブサイト限定・日時指定の特別ディスカウントなどがあり、オンライン限定商品も揃えています。

一方、アジア男性もスキンケアなどへの関心が高まっているため、現在はまだ7%にとどまっている市場をさらに開拓すべく、男性会員カードの発行、男性向け新商品とサービスの開発に力を注いでいます。

 

客寄せのためのキャンペーン連打

Buy1Get1(1個買ったら1個無料、1個買ったら2個目は1バーツなど)が特に人気です。

日本が得意なポイントを貯めるとディスカウントになったり、商品と交換できる会員カードもリピーター確保に貢献しています。

日本に進出しない理由は、逆に考えるとアジアに進出する理由にもなりますよね。

行き来できるようになったら、ぜひアジア現地で長く経営できている店舗を視察して周ってみてください。

私達もタイやシンガポール現地で支援します。

(アジアクリック・タイ・バンコク特派員 ナップ)

2020年度コロナ禍におけるフィリピンのデジタル等PRイベント事例

こんにちは、フィリピン特派員のロシエルです。

コロナ禍が収まらないフィリピン市場。
以前は年間60万人を超えるフィリピン人が日本へ訪れ、シンガポールやマレーシアを超えて、アジアでタイについで6位となりました。

出典:観光庁訪日外客数2019

フィリピン人訪日観光客のうち、およそ半分が親族訪問、半分が訪日ビザであり、今後もタイについで東南アジアで100万人に到達するのはフィリピンであると言われています。
しかし、フィリピン訪日市場は報奨旅行以外のグループツアーの実施が法制上他国より難しく、主にFIT(友人知人親族のプライベートグループ)の観光ビザは現地旅行会社を通じて取得する必要があるため、消費者向けデジタルPRだけでなく、平時は旅行会社への営業が有効です。

 

今回は2020年度コロナ禍で行われたフィリピン向けプロモーションから学びましょう。

≪2020年5月≫

・KTO、韓国観光公社がオンラインでギブアウェイがもらえるキャンペーンや、質問に答えるウェビナーを実施

≪2020年7月≫

・ユニクロ、7月16日にオンラインストア開設、コロナ禍でも売り上げ増加を画策

≪2020年9月≫

・フィリピンを含む来年度R3海外重点20市場に対する「JNTOによる正確な情報発信」事業は、コロナ禍による風評被害を防ぎ、就航便再開国から訪日プロモーション再開すると告知
https://www.mlit.go.jp/common/001364205.pdf

≪2020年10月≫

・フィリピン電動車(EV)サミット、10月24日バーチャル開幕、日産など仮想EVサミットステージで講演・JNTOが訪日インバウンドPR「My own personal Japan」キャンペーンを実施
https://www.jnto.go.jp/jpn/news/press_releases/pdf/20201012.pdf

・JNTOシンガポール主導でFacebookライブでのPR「FUN From Home」を実施 静岡県や沖縄県などが参加
https://www.facebook.com/Shizuoka.Home.of.Mt.Fuji/videos/780322786151387

≪2020年12月≫

・2019年春に佐賀県で撮影されたフィリピン映画「Between Maybes 〜きっとひとりじゃない〜」がNETFLIXに近日登場予定。佐賀県はタイやフィリピンでロケ誘致による訪日インバウンド誘客推進を行っている、佐賀県内の梅林や地元神社、漁港、地元民家、城砦などがロケ地に
https://youtu.be/Nx2NrCNhsHM

 

・2019年11月に佐賀県で撮影(古民家等。リングの貞子に影響を受けたか)されたフィリピンのホラー映画「The Missing」が、マニラ首都圏映画祭2020に入選し、12部門で各賞ノミネート、ワールドワイドでオンラインで視聴可能(USD $10)

http://upstream.ph/movies/The-Missing/

 

・タイJNTO独自で、旅行会社への情報提供を目的とするB2Bサイトを2021年開設予定、各自治体から掲載希望を募集、締切済

 

≪2021年1月≫
Japan Fiesta 2021 - Home | Facebook
・フィリピンにいながら日本の文化が楽しめる『JAPAN FIESTA(ジャパンフィエスタ)2021〜New Year〜』が、今年はオンラインで1月18日~24日に開催、JNTOマニラ事務所も調整に協力

 

・佐賀県が新聞広告(4分の1ほどと小さいが「Get to know SAGA」)、テレビ枠を購入

・RCコーラの奇妙なTVCMが大ヒット、内容は少年の背中にコップが並んでおり「なんで僕の背中にはコップが4個もあるんだ!」と泣き叫ぶもののRCコーラをなみなみと注がれるというもの
このCMは6時間で160万のオーガニックビューを獲得し、2日続けてTwitterにトレンド入り、多くの販売店舗でRCコーラの在庫切れが多発した、Youtubeでも約700万回の再生数
https://www.youtube.com/watch?v=hXWj5BK7evM

 

≪2021年3月≫
・タイではJNTOバンコク主催でタイの旅行会社とZoom商談会を開催、参加団体あたり各社30分×3社

 

 

以上のように、イベントもオンラインが目立ち、フィリピン市場向けイベントのオンライン化がスタートした年と言えます。フィリピン訪日可能層の言語は英語でOK、イベントページへの誘導はFacebookが中心となります。ライブ時はFacebookライブとYoutubeも同時に使うと閲覧者数が増えて、イベント後もネットに残り、良いPRになります。

 

当社アジアクリックも、オンラインFAMやオンライン旅行博の支援を行っています。

 

≪2020年11月~2021年3月≫
新潟県がシンガポール中心に英語圏向けのオンラインイベントを開催
日本在住インフルエンサーが絵付け体験や観光地訪問を行う形
事前に録画する形式とインフルエンサーが現地から放映する形のハイブリッドで実施

 

当社の事例と資料のダウンロードはこちらをクリック(PDF、約2MB)
フィリピン特派員 ロシエル
2021年度訪日インバウンド再開/輸出促進に向けた施策、なにをやればいい?(事例あり)

お世話になっております。アジアクリックではタイ/バンコク・高橋、シンガポール・小桑が引き続き現地で活動しています。

さて日本では聖火リレーが始まった一方、第4波の可能性も示唆されなかなか落ち着かない日々かと思います。

一方東南アジア諸国では、すでに昨年の9月以降、シンガポール、ベトナム、タイではほとんど国内での感染拡大はありません(海外から持ち込まれるケースが多い、タイでは2020年末から少し感染拡大がありましたが今は抑え込んでいます)。

 

このように、アジア太平洋地域を中心に各国の感染状況は落ち着いてきています。さらにワクチンの接種も始まっており、現地では、2021年内にはいよいよ国際観光が再開するのでは、という話も聞かれます。

長かったトンネルも明かりが見えてきました。

この4月から始まる2021年度は、訪日観光インバウンド再開に向けて、いったい今何をすればよいのか?が問われる年度になると考えます。

輸出促進に関しても、2021年度は昨年模索した施策を改善していく必要があるでしょう。

何をやればいいのか悩みながらもがき続けた2020年度から、明らかに「再開」というターゲットを得た2021年度へ。

私たちが得た経験から、2021年度に取り組むべきPR施策をご提案をさせていただきます。詳しくは、下記の企画書をご覧いただき、ご興味がありましたら是非ご連絡ください。

共にインバウンドの再開目指して伴走してまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

アジアクリック 高橋学/小桑謙一

【シンガポール】シンガポールでも人気のポカリスエット!PRにおける2つの特徴とは?!

こんにちは、PR事例特派員のAyaです。

今回は、シンガポールでローカルに発展を遂げている日本が誇る清涼飲料水ポカリスエットのPR事例をご紹介させて頂きます。

(さらに…)