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 (マレーシア)飲食ビジネスから見るハラル、外国人雇用問題

こんにちは、マレーシア特派員のSandiiです。

経済状況とは関係なく、ここマレーシアでいつでも盛況なビジネスは、何といっても飲食業です。

その理由は簡単で、

①私たちマレーシア人、特に都市部で生活しているマレーシア人は、家庭で料理を作るというよりも、外食をすることがほとんどであり、

②若年層が人口の多くを占めるので、外国のレストランやカフェ文化をはじめ食に関する興味と需要が高く、

③マレーシア人は食にお金をかけることに抵抗がないからです。

近年ここマレーシアで人気なのは、J-popとK-pop人気に後押しされた和食と、韓国料理レストランです。

 

 

 

ただ、気を付けなければならない点もあります。

 

まず、マレーシアはイスラム教の国なので、ハラルフードの需要もとても高いです。

一方で、ここマレーシアであっても、

JAKIM (Malaysian Islamic Development Department)から正式なハラルフードとして認証されているレストランはその認証獲得のむずかしさ・手間から殆どありません。

その代り、「私たちは豚肉とアルコールは使用しません。」とレストランの前に掲示し、

信頼を得るためにムスリム教徒を従業員として雇っています。

 

ただ、マレーシアはイスラム教の国の中でも更に敬虔なムスリムが多いことで知られているように、

JAKIMの承認を受けたレストランでなければ食事をしないと考えているムスリム教徒もいることも事実です。

 

 

次に気を付けなければならない点は、従業員です。

ここマレーシアでは殆どの飲食店は主にネパール、ミャンマー、バングラディシュから来た外国人労働者を雇用しています。

こうした外国人労働者はマレーシア人と比べて40%程度安く雇えるからです。

ただ、グルメなマレーシア人は、たとえば、彼らが作る「和食」に対して疑問を持ちます。

美味しければ問題はないのですが、

もしあまり口に合わなければ、「和食」そのものではなく、外国人雇用者が非難されてしまうので、

外国人労働者を雇っても、味や品質は本物を再現する努力は必須です。

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また、都市部と地方での食の好みの違いについても考慮しなければなりません。

地方には外国人人口が少なく、マレーシアの伝統的な考え方が色濃く反映されているので、

マレーシア伝統の料理を扱うレストランが多いし、根強い人気があります。

マレーシア人は公共の交通機関を殆ど使用せず、車で移動することが基本なので、

美味しいマレーシア伝統の料理が食べたくなれば、都市部ではなく、地方に行くことが多いです。

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最後に言及するのは、値段です。

マレーシア人はレストランを訪れる際は必ず事前にインターネットでレストランの口コミと値段をチェックしますが、

同時にレストランもFacebookのファンページで具体的で良い口コミを書く顧客に割引やちょっとしたサービスをするといったインセンティブを与えることも当たり前となっています。

ちなみに、レストラン自体が外国から投資を受けるということはマレーシアでは馴染みのある光景なので、

レストランは新たな顧客だけではなく、投資家に向けて、顧客からのレビューを活用しています。

 

 

いかがでしたか?マレーシアは日本の皆様と同様にグルメで新しい食べ物好きの人が多い上、

多様な社会背景があるので、飲食業の切り口からも様々な問題が見えてくると思います。

 

写真は私が個人的に気に入っているヤキトリレストランで、ミャンマー人が今日も上手に焼いてくれています。

 

(アジアクリック.マレーシア担当/Sandii)