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アジアクリックがWeb Summit2015の参加を断った2つの理由
こんにちは。下垣です。
突然ですが、
Web Summitが選出するalphaという今後注目していくべきstartupにアジアクリックが選ばれました。
Web Summitとは、2010年より毎年11月初旬にDublinで行われる世界最大のstartupの祭典の一つです。
(来年からは拠点をLisbonに移すようです。)
世界の名だたる企業(Google, Apple, Microsoft, facebook, amazon etc…)がスポンサーとなり、
Pixarのプレジデント、FacebookのCTO等々名だたる企業からスピーカーが集結し、
Forbes、WSJ、Bloomberg等世界メディアからも注目される、
華々しい舞台からのオファーをお断りしたのか、大きく二点の理由を以下ご説明させていただきます。
1.不明確なコスト(登録料)
Web Summitは独自のアルゴリズムを用いたインターネットマーケティングに定評があり、
(これは明確に記憶していない私がいけないですが)
選出されれば無料で世界の祭典に出演出来るという文句をニュースフィードで見かけ、
そのままweb summitにアプライをしました。
選考プロセスを経て、選出していただいたものの、
出展手続きの際、登録料として€1,950(日本円に換算すると、26万円程度)を支払わなければならないことをその時初めて知りました。
選出された時点での支払いを知ったのは私だけではないようで、
「Web Summitは詐欺なのか?」という最近話題になった記事のコメント欄にも何件か登録料に関する非難が寄せられていました。
非難の内容は主に、
①「選出企業」に対する費用がそもそも高すぎること、
(もし本当にweb summitが唱っているような機会をstartupsに与えたいのであれば、startupsに対して参加費を補助するべきではないか?と主張されています。)
②登録費用に関する言及の仕方・タイミング
③コストパフォーマンスの悪さ(こちらは次の2で説明させていただきます。)です。
その中の一つがとても簡潔な説明だったので、抜粋させていただきます。
At stage 1 the startup thinks they can win free exhibition -> Stage 2 startup understand there will be a discounted cost -> Stage 3 the startup becomes aware of the €1,950 cost.
Smart luring technique.
The discount from €10,950 to €1,950 makes the situation feel like an incredible opportunity
Web Summit側は、alphaに選出されるstartupはアプライした企業の10%以下の難関であり、
選出されなかった企業も€10,950(約150万円)を支払えば「選出企業」ではないものの、
Web Summitに出展することが出来ます。
ただし、これらの事実はWeb Summitの公式HPに公開されているものではなく、
「選出された」企業が受け取った情報です。
つまり、ご紹介させていただいた上記のコメントで指摘されているように、
Smart luring techniqueなのではないかと、web summitそのものへの誠実さを疑ってしまいます…。
- コストに見合うだけのチャンスがあるのかが情報不足のため不明慮
とはいえ、€1,950が高いとしても、
たとえば、シェリル・サンドバーグ氏にメンターになっていただけるような普通では信じられないようなチャンスがあるとしたら、問題はないですよね?
では、alpha選出企業はどのような特典があるのでしょうか?
alpha選出企業に届いたメールから以下抜粋しました。
(念のため、私以外の参加者の方にも何名か連絡を取り、パッケージを比べてみましたが、同じ内容でした。)
The ALPHA package includes 4 tickets, your 1 day exhibition booth, access to investor office hours, mentor hours with leading entrepreneurs and journalists, access to 21 Summits, access to the Startup University, access to Startup Workshops, and 4 Night Summit passes. The total cost is €1,950. There are no additional taxes or charges.
パッケージが大変曖昧で、詳細が分からないので、
Web Summit側に何名か尋ねてみても、
「投資家やプレスと話せる時間や機会は、投資家・メディア側がWeb Summit側が発効する選出企業リストを見て決めるので、企業によって異なるので何とも言えない」とのことでした。
ただ、ブースの機会は平等のようなので、ブースに関しても調べてみました。
すると過去の参加者から、ブースの数と、
ブースを回る投資家とプレスの数の割合は明らかに前者が上回っている上、とても狭いので、
大変やりにくかった、当日は新鮮な空気を売るビジネスをやった方が儲かったかもしれない、
なんて冗談交じりの声が聞こえてきました。
これはあくまで直観ですが、ブースセッションの写真を見る限り、確かに、と思ってしまいます…。
とはいえ、もちろん、Web Summitで大きな成功をつかんだstartupもあります。
Love & RobotsはWeb Summitで€500kもの巨額の投資を得ることに成功したstartupです。
参考に上げさせていただいた記事では、
同企業がWeb Summitでチャンスを得たことそのものへの喜びは綴っているものの、
全てが曖昧で、どのようなステップで投資を得たのかが具体的には述べられていませんでした。
逆に、「Web Summitは詐欺なのか?」という記事に残されている過去の参加者(と主張する方々)によって共有されているスケジュールの方が、
「Web Summitでうたわれているようなチャンスは得られなかった」という彼らの結論にその詳細さ故に、
説得力を増しているようでした。
つまり、Web Summitで成功、投資コストを回収することはもちろん、
企業として飛躍するためのチャンスを獲得するための具体的な戦略が、情報不足のため満足に立てることが出来ません。
近年、Web Summitだけではなく、Tech in Asia、Slush等々startupを盛り上げていく大きなイベントが世界的にも目立つようになりました。
ただ、今回のWeb Summitの一件を通じて分かったのが、当然といえば当然なのですが、
イベント自体が巨大なビジネスであり得るということです。
Startupをサポートすることがセールスポイントの、
しかし、決してそれが目的ではない、ビジネスの総体であるかもしれません。
とはいえ、正直に告白してしまえば、これを執筆している今でも実はWeb Summitに参加したい気持ちが強く残っています。
今回の一連を通じて得たWeb Summitに関する数々の曖昧さを解消したいという好奇心はもとより、
一体どのような人たちが世界から、とりわけ欧米から参加しているのかが単純に気になり、
何より、ゼロサムゲームが展開されている空気感の中でこそ、
真逆にある「アジアと世界が、知る・繋がる・うまくいく(そして生まれる)」というwin-win relationshipを築くことを目的としたアジアクリックの哲学・理想が今後世界でプレゼンスを示していくためのヒントを探せるのではないかと考えるからです。
いずれにしても、アジアクリックは、今後とも、アジアと世界が対等の関係で繋がり、
利益を享受出来るコミュニケーションの構築を強化していくので、いつでもお気軽にご相談くださいませ。
参考:
http://tech.eu/features/6244/web-summit-scam-well-ask/#comment-2285724603
http://www.loveandrobots.com/blog/2015/10/our-experience-of-web-summit
(アジアクリック・下垣)
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