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 シンガポールと香港、アジア本社をどっちにする?

こんにちは、シンガポールからHinaです。
現在、非常に多くの企業がアジア統括本部拠点を設置しているのはシンガポールと香港です。

どちらも。国際的なビジネス、金融、物流の中心地であり、主要市場へのアクセスのしやすさ、税制面や政府による各種支援などのメリット、高水準の法務・会計・IT関連サービスの他、有能な人材が集積し、業務遂行や生活面でのインフラなどが整っている等の点で多くの強みを有しています。

シンガポール・香港が、国際競争力やビジネスに適した国・地域のランキングで世界のトップ水準にランクされていることはすでに有名です。

上記2ヶ国・地域のいずれを選択するかについては、各企業にとって様々な観点があると思いますが、傘下の現地拠点の所在地や事業対象(候補)地域の戦略的重点や方針により、シンガポールは東南アジア、インド等南アジアやオセアニアとの関係を重視する企業、香港は中国本土や台湾などとの関係をより重視しつつ東南アジアを対象としたい企業に選考される傾向があると言えます。

また統括会社を設置する場合、シンガポールやタイの地域統括本部(Regional Headquarter)や中国の投資性公司には一定の設立要件(税制優遇条件を含む)があるのに対して、香港の場合はそうした要件はなく通常の会社に統括機能を付与することで自由な設計が可能になっております。そのため、どこに統括拠点を設けるかによって統括会社の形態は異なるので注意が必要です。

香港に設置される統括会社は、10年度税制改正で「外国子会社合算税制(タックスヘイブン対策税制)」の見直しがなされるまで「株式等の保有を主たる事業として営む法人」として日本で合算課税の対象となり香港の低税率(法人税率16・5%)を享受できない場合が多かったのですが、当該見直しにより一定要件を満たす統括会社はタックスヘイブン対策税制の適用除外となったため、税務コストの観点から香港に統括会社を設置する魅力が増しているのも事実です。

出典:www.huffingtonpost.com

香港に統括会社を設置するメリットとしては、前述の税務コストの低さの他に、まず周辺国へのアクセスの利便性が挙げられます。香港は地理的に東アジアの中心に位置するため、約4時間あれば東アジアの主要都市まで飛行機で赴くことが可能です。空港・港湾は非常に整備されており、香港は物流ハブとして空輸・海運ともに至便。香港—中国本土間であれば陸運も充実しています。

ただ懸念される問題としては、香港はシンガポールと並んで賃料や人件費等のビジネスコストがアジア・トップクラスであることには留意が必要です。(アジアクリックシンガポール/Hina)