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 ミャンマー向けウェブサイト制作で押さえたい4つのポイント

みなさん、こんにちは。ヤンゴンの後藤です。

今日は、ミャンマー向けのWEBサイト作成のポイントを書きます。
他の国にはないミャンマーならではの特殊事情もあります。

ミャンマーのインターネット事情

ミャンマーでインターネットが一般的になってきたのはつい2年ほど前からだ。
それまでは、プロバイダ料金が高かったせいもあり、インターネットは海外と関係のある会社やネットカフェなど一部での利用だけだった。

2012年に携帯のSIMカードが安くなった(2.5万円ほど)ため、一般の人たちも携帯、特にスマホを使うようになった。
このスマホでインターネットを使うというのがミャンマーでは最も多い使い方だ。

2012年というと世界的にFacebookが普及しだしたころ、ミャンマーでもあっという間にFacebookの人気が高まった。
今では、ネットを使っている人ならほとんどの人がFacebookのアカウントを持っているのでは思えるほど。
メッセージも、メールよりもFacebookでやりとりする人が多い。

また、ミャンマーではモバイルのネット回線が遅い(20kb/sec〜100Kb/sec程度。よく接続不可能になる)。光回線もあるが、せいぜい1Mbps程度だ。WiFiも増えたが、こちらも速度が遅い。Facebookもブラウザではなく、スマホのFacebookアプリで利用する人が多い。

 

WEBサイトの現状

パソコンよりスマホ、Facebookの利用者が多い、回線が遅いというのがミャンマーのインターネットの特徴だ。
そのため、WEBサイトはミャンマーではあまり利用されていない。
例としてミャンマーの有名企業のサイトを見てみる。

まず、ミャンマーで最大のスーパーマーケットチェーンである City Mart だ。
ヤンゴン市内に17店舗あり、外国人の利用者も多い。
City MartのWEBサイトがこちらだ。

引用元:website_citymart

引用元:website_citymar

今回ひさしぶりに見たが、前よりずいぶんとちゃんとしたサイトになっていた。
しかし、ご覧のように英語表記だけで、ミャンマー語はない。明らかに外国人をターゲットにしたサイトだ。
それに、以前よりはかなり改善されているといえ、情報量もあまり多くない。
City MartのFacebookページがこちら

Facebookページはミャンマー語だし、毎日情報を発信している。
WEBサイトと比べると情報量も多いし鮮度も高い。

 

では、IT企業はどうか。ミャンマーで最も大きいIT関連の KMD を見てみよう。
IT製品の販売店、ソフトウェア開発、ITスクールと、幅広く活動している。
このKMDのWEBサイトはこちら

引用元:website_kmd

引用元:website_kmd 

一部ミャンマー語のページもあるが、基本は英語だ。
情報もあまり豊富ではないし、ずいぶん以前に作られてそのまま放置状態のページもある。
Facebookページはこちら

City Mart と同じように、ミャンマー語で毎日発信している。

 

最後にメディア関連として、ミャンマーで新聞やジャーナル(タブロイド版週刊誌)ではトップの人気を争う
7Day News を見てみる。

引用元:website_7day

引用元:website_7day

メニュー表示は英語だが、コンテンツは全てミャンマー語だ。

毎日のニュースも要約だが載せていている。それなりに充実しているといえる。
Facebookページはこちら

ミャンマー語で毎日たくさんのニュースを配信している。
7 Day Newsでは、ニュースの第一報ははまずFacebookで流すので、速報性からするとWEBサイトよりもFacebookが上だ。

それに、コメント欄が有効なので読者の書き込みも多いし、記事のシェアも多い。
SNSの利用については、日本のメディアよりも進んでいるといえる。また、スマホ用アプリを無料で配布している。
ネット回線の遅さをアプリで補っているようだ。

例と出したのは全てミャンマーの大手企業だ。
中小の企業ではWEBサイトを作っているところはまだ少ないが、Facebookページを持っている企業は多い。

 

ミャンマー文字の特殊事情―国内で普及するフォントは海外では文字化け続発?!

ミャンマーの特殊事情として、ミャンマー語フォントの問題がある。
日本語でもミャンマー語でも中国語でも世界中の文字はUnicodeという世界標準に則ってフォントもできている。
世界標準だからこそ、最近のコンピュータやスマホでは何もしなくて世界中の文字が表示できるのだ。

しかし、ミャンマーではUnicodeから外れているZawgyi-One(ゾージーワン)というフォントが圧倒的に普及している。
そのため、Zawgyi-Oneで書かれたミャンマーのサイトやFacebookページを日本のWindows8やmacで見ると、文字化けしたミャンマー語になってしまう。

Unicodeから外れたフォントがミャンマーで一般的になった事情を説明すと長くなるのでここでは割愛するが、ミャンマー語フォントの混乱はWEBサイトやFacebookページでも大きな問題になっている。

 

ミャンマー人をターゲットにする際の4つのポイント

最後に、ミャンマー人をターゲットにしたWEBサイトを作る場合の留意点をまとめてみた。

1.Facebook に力を入れる
現時点ではミャンマーで圧倒的に強いFacebook。これを無視するわけにはいかない。

2. WEBサイトのデザインはスマホでも読みやすいようにする。
最近、日本でもWEBサイトのスマホ対応が重要視されるようなってきた。
ミャンマーでは、スマホで見る人が圧倒的に多い。よってスマホ対応は、より重要だ。

表示幅に合わせてレイアウトが自動で変わるレスポンシブデザイン、パソコンとスマホを自動認識してそれぞれデザインを変えるなどの対処が必要だ。

3.ミャンマー語フォントはWEBフォントを利用し、どんな環境でも読めるようにする
どんなパソコン、スマホでもミャンマー語がちゃんと読めるように、フォントはWEBフォントを利用する必要がある。
フリーで利用できるWEBフォントが既にいくつかある。
また、WEBフォントを使うにしてもできるだけUnicodeに準拠したミャンマー語フォントにすべきだが、ユーザー入力が必要なページがある場合などは Zawgyi-One を使わざるを得ない。

4.写真などの重いデータは極力軽くする
ネット回線が遅いため、写真などはできるだけ軽いデータになるよう心がける。

以上、ミャンマーのWEBサイト事情でした。

 

(アジアクリック・ミャンマー担当/後藤)

 

 

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