ASEAN主要7カ国+インド マーケットの入口

バンコク美容展示会レポート| タイで伸びる自然由来コスメと日韓・OEMのいま

タイ国際美容BtoB商談・展示会「COSMOPROF CBE ASEAN」が、2025年6月25日~27日にバンコクのクーンシリキット・ナショナルコンベンションセンター(QSNCC)で開催されました。来場は66の国・地域から2.3万人超、出展は21カ国・約2,000ブランドと、規模・熱量ともに昨年を上回る盛況。会場は「ブランデッド製品(Branded Finished Products、完成品)」と「サプライチェーン(原料・包装・OEM/ODM・機器)」の二本柱で、タイでのOEM/ODMサービスが、タイでのコスメティック新製品立ち上げを加速させていました。
期間中はCosmoTalksやSpa & Wellbeing Congress等の業界向けセミナーも実施され、市場・規制・ウェルネスの最新トピックが共有されました。

参加バイヤーの声

世界66か国・地域から2万3,000人超の来場者(バイヤー・業界関係者)が訪れ、以下のように、世界的なサプライチェーンと繋がれるとの声が聞かれました。

「単なる見本市ではなく業界が交わる場。会社の強みを見せ、次の成長へつなげられた」――Milott Laboratories(タイ)
「イタリアなど海外の一流企業と出会えるゲートウェイになっている」――Italian Trade Agency(バンコク)
「タイだけでなくシンガポール、マレーシア、インドのバイヤーともつながれた」――Medicube(韓国)
タイの製造は世界水準と思う。処方とパッケージの進化が新しい協業を後押しする」――Streamline Beauty India(インド)

会期中に目立ったブランドと消費の傾向

次から紹介する会場で集めた人気のブランドは、強い日差し・高温多湿というタイの気候や、現地の肌トーンに合った提案、そしてオーガニックといった自然由来の成分の訴求が目立ちました。ベースやリップは現地の肌になじむ色設計、日中の外出を意識したUV発想など、「タイで使いやすいこと」が選ばれる鍵になっています。

日本ブランドの出展内容

Naris Cosmetics(ナリス化粧品)は長年の実績による安心感を、自然由来の成分で健康にもやさしいとの訴求で試用させており、バイヤーにも好評価を得ていました。
静岡本社で普段はオーガニックハラールブランドVKSARAを展開するPlaisirは今回、BIHANDブランドを「MADE IN JAPAN」として展開し安全・安心を強調していました。

韓国ブランドの出展内容

Seoul Sisterはカラフルでキャッチーな世界観と「ひと塗りで変わる」体験訴求で、短時間メイクの需要を直撃。
タイでは韓流の影響が強く、美容といえば韓国を第一想起する人も多く、会場では韓国ブランドの家庭用のデュアル超音波美顔器が人気を集めており、タイにおいても家庭用美顔器市場の成長が見込まれているそうです。

OEM~ODMも検討、国ごとに慎重に進めよう

CFME(Thailand)社は韓国の処方トレンドとタイ国内生産を掛け合わせ、MOQや納期、原価のバランスを取りながら、韓国系処方を売りにしながら生産は“Made in Thailand”としてPR訴求し、安定供給も両立しているそうです。

気候・肌トーン・価格帯の期待値が国ごとに異なるASEAN市場では、こうしたOEM/ODMを活用し、「まずは少量で検証→ヒットしたSKUを増産」という段階的な進め方が、ブランド拡大の近道になりそうです。

まずはタイをはじめとしたASEAN各国の展示会や商談会を覗いてみてください。私たち現地スタッフもサポートいたします。

アジアクリック 高橋学 /タイスタッフ K. SODA

日本だけじゃない!タイ人観光客を中国が熱烈歓迎【タイ発中国ツアーも続々】

2025年、中国はタイとの国交樹立50周年を記念し、複数の文化・観光関連イベントを実施。中国政府および地方自治体が主導し、タイとの関係強化と観光誘致を積極的に進めています。

タイ・中国国交樹立50周年記念イベント(バンコク)

2025年7月30日、バンコクの中国文化センターにて「中国・タイ国交樹立50周年文化交流イベント」が開催。
当日は、少林寺武術団による演舞や中国伝統料理の展示が行われた。タイ観光業界からも関係者が参加し、文化交流と観光協力の意義を再確認する機会となりました。

同センターはMRT(地下鉄)「Thailand Cultural Centre駅」近くのラチャダー通り沿いに位置し、これまでも中国文化普及の拠点として機能しています。

「サワディー&ニーハオ」プロジェクト🇹🇭🇨🇳

2025年5月29日~6月1日、バンコクのセントラルワールドにて「Sawasdee Ni Hao(サワディー・ニーハオ)」イベントが開催。
このイベントは中タイ国交50周年を祝う大型プロジェクトの一環であり、両国の観光・経済分野の連携強化を目的として実施されました。

タイ政府関係者の出席に加え、中国からも複数の観光局代表・重鎮が来泰し、現地メディアや旅行業界向けにプロモーションを展開しました。

タイ首相経験者のペートーンターン氏も中国語でメッセージを伝えました

タイ元副首相のピニット氏「特に少林寺の伝統は、困難に直面しながらも自衛と生存を求めた実生活の闘いを描いた無数の映画にインスピレーションを与えてきました。」

エアアジアによる中タイの記念機体運航✈

2025年7月9日、タイ・エアアジアは国交樹立50周年を記念し、特別塗装を施した記念機(エアバスA320)を発表。
機体には、タイのナーガと中国の龍をモチーフとした記念ロゴが描かれ、観光誘致キャンペーンの象徴として運航が開始されました。

この取り組みは、両国の象徴を組み合わせたビジュアルを通じ、航空・観光分野の連携強化、ひいてはタイをはじめとした航空分野における“一帯一路”の拡張を、国内外、特に東南アジアにアピールする狙いがあります。

中国の各地方がタイ人誘致を強化、一帯一路の地ならしの側面も

中国の地方自治体も積極的に・個別にタイ人観光客の誘致を進めています。特に雲南省、広東省、海南省などでは、タイ語に対応した観光資料の作成やオンラインキャンペーンを展開しており、中国南部の自治体や航空会社を中心にファムトリップも積極的に実施しています。

また、ご存じのとおり、タイにおける中国ツアーの参加費用は、訪日ツアーの数分の一となっています。
ご参考までに、中国ツアーのスクリーンショットを以下に掲載しています。

(タイ最大手の旅行会社であるQuality Expressによる中国ツアー)

(2025年8月、タイ有力旅行会社Compax world – ASAHI travelによる「プレミアム中国ツアー」シリーズ広告。例年に比べて中国ツアーがよく売れるとのこと)

観光インバウンドは中国にとって「収益事業や地方活性化」にとどまらず、「外交・覇権戦略の一環」として位置づけられており、特に東南アジアにおいては「一帯一路」と密接に結びついています。したがって、日本が東南アジアからの訪日誘致を進める際には、現場レベルでも知らず知らずのうちに中国の影響圏(投資・交通インフラ・人材交流)と競合していることを強く意識する必要があります。

アジアクリック 高橋学

参考URL

【レポート】仙台がバンコクを彩ったジャパンフェア「THE MALL JAPAN DISCOVERY 2025」

2025年7月25日から8月3日まで、タイ・バンコクにある商業施設「ザ・モール ライフストア バンカピ(M GRAND HALL, G階)」にて、定期定期に開催されているプロモーションイベント「THE MALL JAPAN DISCOVERY 2025」が仙台の七夕祭りをテーマとして開催されました。

本イベントでは、宮城県仙台市が観光と食の両面でタイ市場に向けたプロモーションを実施。既存の「SUGOI JAPAN」イベントの仙台バージョンとして、東北ならではの魅力を発信しました。


会場演出・体験コンテンツ

会場は仙台七夕まつりをイメージした華やかな吹き流しで彩られ、日本らしい雰囲気が漂っていました。

タイ人来場者は、短冊に願い事を書く体験にも参加し、「家族の健康」や「幸せ」など、思い思いのメッセージを日本文化に倣って記していました。

さらに、浴衣を着て日本式の人力車(じんりきしゃ)に乗る体験も提供され、家族連れを中心に人気を集めていました。

また、仙台市の公式観光キャラクター「むすび丸」も登場し、記念撮影などを通して交流を深める姿が多く見られました。

ステージ上では「DAISUKE SENDAI – LEGEND OF SAMURAI」と題した本格的な時代劇パフォーマンスが行われ、映画のような演出に会場全体が引き込まれていました。子どもから大人まで、タイ人参加者から非常に高い評価を得ていたのが印象的です。


仙台・宮城の特産品販売

物販コーナーでは、仙台や宮城県の特産品が多数紹介・販売されていました。中でも注目されたのは以下のような商品です。

  • 仙台牛の焼き実演

  • ずんだ餅やずんだスイーツ

  • 喜久福(抹茶大福)

  • いかめんたい、もずく、そうめんなどの海産加工品

グルメを通じて、仙台の食文化に触れられる機会として、試食や購入を楽しむタイ人来場者の姿が多く見られました。

バンコクの中間層は日常的に日本料理を食べるようになってきており、一通りの日本料理は揃っているため、昨今は特に地方料理に興味が向けられています。


タイ市場へ進出する意義

現在のタイ市場では、訪日旅行先の選定基準として「地方らしさ」や「食体験」が強く求められています。中間層・富裕層ともに旅行意欲は高く、タイ語でも地方へ訪問するための情報はそろっていますので、たくさんある候補地の中でもSNSを通じた情報拡散や刷り込みによって「まだ知られていない魅力的な地方都市や地方」を訪問先として選ぶ傾向がますます強まっています。

また先にも触れたとおりバンコクの訪日リピーターにとって、本物の食、まだ食べたことのない地方ならではのグルメは訪問地候補に入るためのでも重要な要素の一つであります。

仙台市のような地方中枢都市は、東京・大阪とは異なる独自性あるコンテンツを「東北・東日本としての広域周遊で」提供できるため、今後の訪日インバウンドにおいて、タイ人訪日リピーターにとってとても有望なディスティネーションであり、その意味で、今回のように現地イベントを通じて体験的に訴求する手法は、非常に効果的なPRアプローチと評価できます。

その他、昨今のタイや東南アジアでの有効な最新プロモーション事例などはお気軽にお問い合わせください。

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【タイフェックス成功マニュアル】福島あおさがタイのバイヤーに大人気!タイ食品商談会THAIFEX 2025で東北産品が輝いた成功の秘訣

【成果】数百人ものB2Bバイヤーが東北ブースに来訪し、数十件もの商談が成立

タイB2B食品商談会のタイフェックス2025での東北・新潟地域産品のプロモーションが大成功を収めました。
2025年5月27日から31日までタイ・バンコクで開催された「THAIFEX-Anuga Asia 2025」において、東北・新潟県産地域産品のブースは、新たな販路確保・拡大という目的を大きく上回る成果を達成しました。過去最大規模となったこの展示会には、一般客を除き143カ国・地域から88,349人もの食品バイヤーが訪れ、最終日の一般開放日を含めた全体来場者数は14万2,370人に達しました。私たちの東北ブース(東北経済連合会主催)では、数百人のバイヤーからの来場アンケートを獲得し、数十件もの商談が成立するなど、東北産品のタイ市場における大きな可能性が再確認されました。

タイフェックスでの東北ブース地域の輸出商品のPR支援アジアクリック

 

【成功の理由】日本製品で溢れているタイでは、とがった本物の製品が求められている

なぜ日本の地域産品はタイでこれほどまでに受け入れられたのか?
この成功には、いくつかの明確な要因が挙げられます。

■「JAPAN」ブランドの強力な訴求力からの東北産品の説明
・ブース名に「JAPAN」という単語を入れたこと、四季の東北観光ポスターを背景にした装飾、そしてスタッフの説明によって、来場者はブースが「JAPAN」の東北地域産品であると認識し、好意的な反応から試食への意欲が高まりました。
・会場マップで「高級食材」カテゴリーに位置付けられていたことも、来場者誘致の大きな要因となりました。

■「ご飯に合う」コンセプトと効果的な試食提供
・タイには多くの日本食レストランやスーパーがあり、日本のお米と一緒に食事をする習慣が広く浸透してきています。この食習慣に着目し、地域産品を単体ではなく、各県産のご飯に各県産のおかずを乗せて提供したことで、来場者の反応が非常に良好でした。
・地域産品のみの試食では辛さやしょっぱさが目立つ可能性がありますが、お米と一緒に出すことで味がバランスよく評価。初めて目にするおかずに対しても、来場者は積極的に香りを嗅いでから試食する様子が見られました。

■「地域産品だからこそのユニークさ」と「日本での人気商品」への高いニーズ
・タイのバイヤーや消費者は、一般的な日本食がどこでも手に入る状況であるため、「日本で人気のある商品」や「東京のスーパーや百貨店でも売られていないような地域産品」といった特別感やユニークさを強く求めています。
・ユニークで日本で人気の商品であれば、価格がある程度高くても構わないというタイ人バイヤーの考えがあることが明らかになりました。

■タイB2Bプロモーションとタイフェックス会場でのブース運営
・タイの飲食関連・東北関連の方々への案内状の送付・メールでの事前告知が来場者誘致に効果的でした。
・タイ語・英語・日本語の多言語対応アンケート、日本らしいノベルティ(カラフルべこ、秋田犬缶バッジなど各県ごとに用意)の配布も、日本らしさ・東北各県らしさの見える化により、多くの来場者のアンケート回答と商談への誘導に貢献しました。
・多国籍の飲食店、小売店、食品卸、商社、流通など、幅広い業種から、タイの誰もが知る大手レストランや大手スーパーを含む多数の大企業、タイ財閥系グループ食品企業バイヤーが東北ブースを訪れました。

 

【産品ごとの成功事例】 タイ市場で光った地域産品は、ファンがつきそうな特徴を持っていた

特に注目された地域産品とその具体的な評価は以下の通りです。

■和牛(岩手県産牛、秋田牛、山形県産牛)
・和牛はタイで非常に人気があり、ブース来場者アンケートで最も食べたい商品として「日本の和牛」が挙げられました。
・試食では「美味しい」「柔らかくて美味しい」「質が良い」「油が良い香り」「タイの肉ととても違う」といった好意的なコメントが多数寄せられました。
・高級レストランチェーンや焼肉屋、オンライン販売業者など、幅広い業種のバイヤーが取引を検討するなど、高い関心を示しました。
・今回のために用意した、和牛に合う特別ソースについても相談が相次ぎました。

■松川浦かけるあおさ(福島)
・一時的に和牛を超えるほどの人気ぶりでした。
・来場者からは「美味しい」「サクサクした食感が良い」「良い香り」「ご飯がおいしくなる」「ユニークな味」「ドン・キホーテかフジスーパーで販売してほしい」「タイで売ってほしい」といった具体的な購買意欲を示すコメントが多数ありました。
・タイのふりかけ会社が「非常においしい」と評価し社内検討すると述べたほか、シンガポールへの輸入やオーストラリアでのコラボレーション提案など、商談でも高い関心を集めました。

■ホタテ入りねぶた漬け(青森)
・すでにタイFDAを取得し、タイのスーパーで出回っているため、「どこで買えるのか」という質問が多く、「タイ人に受け入れられる商品」であることが再確認されました。
・試食では「美味しい」「いい味」「バランスが取れた味」「豊かなうまみ」「しょっぱくない」「味と食感がよい」と評価され、ご飯なしでも食べたい、ビールに合う、混ぜご飯がユニークで面白いといったコメントもありました。
・和牛に次いで「抵抗なく食べてみたいと思う」商品として挙げられ、日本の水産品を広げたいというバイヤーからの関心も高かったです。

■いか明太子ぶっかけ(宮城)
・ホタテ入りねぶた漬けと同様に、タイ人に受け入れられる商品であることが再確認され、「どこで買えるのか」という質問がありました。
・「美味しい」「マイルドでしょっぱくない」「食感がよい」「明太子が好き(タイ人は日本の明太子好きが多い)」といった感想があり、居酒屋チェーンやラーメン屋がメニューへの採用を検討するなど、飲食業界からの関心が見られました。

■数の子わさび(新潟)
・好き嫌いがはっきり分かれるものの、「熱烈なファン」を生み出す可能性が示唆されました。
・「美味しいが匂いが強い」「スパイシー」「ユニークな味」「挑戦したらおいしかった」といったコメントがあり、タイの大型ショッピングモールや日本食サプライヤーが珍しい食材として関心を示しました。
・今回、傾向的にわさびや香りに抵抗感があるタイ人が多くもっとも受け入れられなかった商品ですが、大好評を博したバイヤーも少なからずおり、高級食材としてのターゲットを絞った展開に期待が持てることに驚きました。

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【まとめ】日本製品が溢れるタイは、地域産品の「本物さ」が伝わる市場

今回のTHAIFEX 2025での成功は、日本の地域産品がタイ市場で大きな可能性を秘めていることを明確に示しました。裕福なタイ人マーケットには、「普通には手に入らない日本の特別な商品」に対する強い需要が存在します。
しかし、「食べたことのない味は想像がつかない」という消費者の心理を克服することが、今後の貿易輸出成功の鍵となります。

・試食機会の最大化: タイにおけるイベントや、タイ人観光客が日本を訪れる機会を活用し、地域産品の試食機会をさらに増やすことが重要です。体験を通じて、タイ市場で成功しやすい商品を選び抜く効率的な方法と言えます。

・C2C2B戦略の活用: タイでは、消費者の口コミがバイヤーの取り扱いにつながる「C2C2B(Consumer to Consumer to Business)」が主流になりつつあります。そのため、タイ日本博のようなイベントで観光と物産を合わせてPRするなど、一般消費者向けのプロモーションも非常に効果的です。

・THAIFEXへの継続出展: 大手バイヤーを含む多くの商談機会を得る上で、THAIFEXへの継続的な出展が最も効率的で、販路確保・拡大に有効であると考えられます。

これらの戦略を実施していくことで、まずは継続的な輸出につなげていくことがこれからの課題です。

例年、早くも前年12月にはブースが完売してしまうほど海外輸出事業者に人気のタイフェックス。今後とも皆様のアジアへの地域産品展開を支援させていただきます。お気軽にご相談下さい。

アジアクリック 高橋学

タイバンコクにて、猫専門イベント開催!

タイ国内最大級の見本市会場インパクトアリーナで、3月28日~30日に猫専門のイベントが開催されました。

ペットは家族!

少子高齢化が進むタイでは、ペットを家族の一員とみなす「ペットの人間化」が進んでおり、単身者や子供を持たない夫婦(DINKS)の増加も背景に、2024年のタイのペット市場規模は750億バーツ(約3,330億円)に達し、2023年比で12.4%の成長が見込まれています。

タイでは、犬(1,200万匹)と猫(800万匹)が最も人気のあるペットです。2022年時点で、タイの全世帯の37%がペットを飼育しており、これは2019年の34%から増加しています。日本では犬、猫ともに8%台との数字がありますので、かなり多くの世帯でペットを飼育していることがわかります。
市場規模を飼育世帯数で割ると、1世帯あたり月額約3,540円のペット関連支出がある計算になります。

今後も少子高齢化に伴い、ますますタイのペット関連市場は拡大していくと思われます。

5月1日~4日にも、QSNCCのホール5~8で「Pet Expo Thailand 2025」が開催されました。

このように、バンコクではペットフェアが多く開催されています。

 

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タイ国内旅行祭り2025が盛況、特急「キハ183」活用した地方ツアーも注目

2025年3月26日~30日にバンコクのクイーン・シリキット・ナショナル・コンベンションセンター(QSNCC)で、年1回開催の「タイ国内旅行祭り2025」が開催されました。

本イベントでは、タイ全国77県がそれぞれの観光資源と特産品を積極的にアピールしており、中でも特に注目を集めているのが、日本国内で活躍した特急型ディーゼル動車「キハ183系」を活用したタイ地方への周遊ツアーです。JR北海道の車両が異国の地で新たな観光の目玉となる試みは、鉄道ファンのみならず、幅広い層の関心を集めています。

今回発表されたツアーは、日帰りでのカンチャナブリ・戦場にかける橋訪問ツアーから、1泊2日でのペチャブリーの熱帯雨林体験ツアーまで、計6つのコースが用意されています。これは、タイ国鉄の新たな観光戦略の一環と見られ、既存のインフラを有効活用し、多様な旅行ニーズに応える意欲的な取り組みと言えるでしょう。

 

タイの観光業界視点から見ると、タイの旅行市場は、この「キハ183系」ツアーのようにタイ国内の新たな体験や訪問地への関心が高まっており、海外旅行と同様、国内旅行市場でもディスティネーションの多様化が進んでいます。

タイ政府は観光業を重要な経済成長の柱と位置づけており、今後もこのような官民一体となった取り組みを通じて、国内外の旅行需要を喚起し、経済成長に伴う「大旅行時代」をさらに加速させていくことが期待されます。

 

アジアクリック 高橋学

北海道がタイで「ローインパクト」なインバウンドセミナーを開催。その背景は?

北海道観光機構は2025年2月18日、バンコク都内ホテルでタイの旅行会社約20社を対象に、アドベンチャーツーリズムセミナーを開催しました。高橋が参加してきましたのでレポートします。

「ローインパクト」で持続可能なアドベンチャーツーリズム

セミナーでは、
・網走の流氷ウォーク(ウェットスーツ着用)
・室蘭のイルカウォッチング
・札幌圏の犬ぞり体験
・函館での日本猿の温泉
などを含む北海道各地を巡る5日間のモデルコースが提案されました。

北海道観光機構は、冬の観光だけではなく、グリーンシーズンの魅力もPRしています。
北海道はオーバーツーリズムにならないなど旅行客による地域の悪影響が少ない「ローインパクト」で持続可能な観光に取り組んでおり、その最重要施策としてのAT(アドベンチャーツーリズム)で、じっくりと地域に滞在し大自然の大切さを理解できる旅を提案しています。

現在の日本においては、単なる訪日客数の増加を追求するのではなく、価格訴求型の大量誘客から脱却し、地域の自然環境や文化的背景を尊重した質の高い観光体験を提供することが重要になっています。地域に根差した暮らしや価値を理解し、それを訪問者と共有することで、持続可能で調和のとれた交流が生まれます。こうした観光のあり方は、地域経済の活性化を促すと同時に、交流人口の着実な拡大にも寄与します。今こそ、日本各地が自らの強みを再定義し、オーバーツーリズムを回避しながらも着実な成長を目指す「地域創生型インバウンド」への転換を進めるべき時期に来ていると言えるでしょう。

アジアクリック 高橋学

タイで「本物の」日本コンテンツ産業が成長中! 3つの成功事例を紹介

2025年2月8日(土)~2月9日(日)に、バンコク都心の百貨店セントラルワールドを会場にアジアでも最大級のオールジャパンイベント「ジャパンエキスポタイランド(Japan Expo Thailand 2025)」が開催されました。

ジャパンエキスポタイランドとは、日本のアニメやゲーム、アイドルなど、日本のサブカルチャーに特化した東南アジア最大級のイベントです。タイにおいて観光や貿易だけではなく、コンテンツ産業が日本にとっての一大産業に成長している様子が目に見えるイベントでした。

今回は、タイ現地での日本サブカルビジネスの成長と、3つの成功事例をご紹介いたします。

タイでのコンテンツ産業の成功事例

①任天堂「ポケモンユナイト タイ版」では、プレイヤーの課金額が日本の1.8倍*、任天堂公式ショップも昨年11月にバンコク都心にオープンしました。
タイのビデオゲーム市場は東南アジア1位・世界でも20位の規模に達しています。タイ人は歴史的・文化的背景から傾向的に「射幸心」をくすぐられることに弱いです。

②バンナム運営の「ガンダムベース タイランド」では、来店客単価推定が5,000円前後と高付加価値ビジネスモデルを確立しています*。
ちなみに舶来品となるタイでのガンプラ価格は日本の2倍ほどですが、ガンプラの中華製の偽物がはびこるタイでも、ガチなファンは価格が倍でも本物を選びます。

「アニメイトバンコク」では、開店初年度から黒字化しており、決算情報からその後も高い売上と顧客単価を保っています。
全体の売上の2割をアクティブな顧客の4.5%が生み出しており、その月間購入平均単価は1万円前後と推測されます*。 アニメのキャラクターに限らず、タイ人男性ならアイドル・タイ人女性ならBLへの傾倒もトレンドとなっています

これらの事例が示すように、タイは日本企業が持つコンテンツ制作力とブランド力を最大限に活かせる戦略市場として急成長を続けています。 キーワードは「高価でも本物」ですね。
タイ人は偽物ではなく本物を保有する価値に誇りを持ち、タイ政府も知的財産保護制度(IP登録制度)にも積極的なため、メイド・イン・ジャパンの製品は偽造品に悩むことが少なく、IPビジネスを横展開しやすいです。

2025年もタイをはじめ、シンガポールやインドの各都市でも、日本関連のイベントが数多く開催されています。
(リンクはアジアイベントリストのGoogleスプレッドシート)

現地でのコンテンツビジネス支援についても、お気軽にご相談ください。

アジアクリック 高橋学
*印は各種データからの当社調べ

インド旅行博商談会「OTM2025」レポート

2025年1月30日(木)~2月1日(土)まで、ムンバイのJio World Convention Centreにてインド旅行博商談会「OTM2025」が開催されました。

現地で感じたインド市場をレポートいたします。

①日本を含めた各国NTOが集結

2024年のインドからの訪日数は23万3,000人で前年から40.0%増加しています。大きな可能性を持つ海外旅行マーケットを狙って、韓国から欧米諸国・ケニアまで世界中のNTO(政府観光局)が参加しました。
日本からもJNTOを主体に、東京や広島・鳥取などの自治体や各地のDMCが参加、ミャクミャクもインドで関西万博をPR。

②インド人の海外旅行は二分化

インドからの海外旅行は、遠く高価な日本や欧米と、近く安めな中東や東南アジアに大きく二分され、中東カタールや、タイ・ベトナムが人気です。
日本への反応は、テクノロジーが進んでおり、自然が美しい国との認識で、中でも新幹線や樹氷の反応が良いです。
インドにも北方には雪山の美しい観光地があったり、花々が美しい観光地もありますが、日本は全く別のディスティネーションとして認識されており、また東アジアの観光客と異なり、日本の知識がまだまだ少ない状況もあるため、皆様が他国にPRしているように、インドに向けても当初から単なる桜や紅葉、雪だけでない+アルファのあるユニークさ(桜と花見弁当、紅葉と電車貸し切り、雪と雪遊び)などを写真と動画で伝えていくのが効果的です。

③インドは州により、宗教により行動が異なる

インドは州により、言語や主要宗教も異なってきます。
今回のOTMはインド民族のるつぼ、コスモポリタン商業都市のムンバイで開催され、比較的インターナショナルで自由な旅行スタイルが受け入れられていますが、毎日毎食カレーが基本のデリーを中心とした北方はカースト・ヒンドゥーの色が濃いためより歴史的・宗教的配慮が必要です。
そういった意味でおそらく日本人が最も攻めやすいのは欧米旅行に慣れたムンバイの裕福な層と、バンガロールのインセンティブ旅行団体でしょう。

このように、インドは東アジアや東南アジアとも訪日スタイルとPR手法が変わってきます。
当社は、「安いインバウンド」を避けるために、日本の地方の価値が分かり理解できるハイソな訪日層向けに「高付加価値なインバウンド」を推進しています。
インドだけでなく、タイ・マレーシア・シンガポール・インドネシア・ベトナム・フィリピンの訪日事情について、詳しくはお気軽にお問い合わせください。

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TITFタイ国際旅行博レポート~団体旅行・FITの人数と価格に変化が~

去る2025年1月16日(木)~19日(日)まで、タイ・バンコクのQueen Sirikit National Convention Centerにてタイ国際旅行博TITF2025が開催されました。

いくつか、タイ市場の変化に気づきましたのでレポートいたします。

 

①中国大陸・台湾・香港・マカオの人気がすごい

TITFでは、日本だけではなく中国大陸・台湾・香港・マカオがPR大攻勢、各国NTOはお寺詣でや伝統工芸DIY、チアリーディング、無料スイーツなど趣向を凝らした仮旅行体験を提供しています。
(タイ人入国イミグレ問題が続く韓国は、今年は不参加です。)

特にこれらの中華系東アジア諸国は、ツアーの価格も九州などを除くと日本のほぼ半額以下となっており、他の東南アジア同様人気となっています。

 

②団体旅行もFITも少人数化

各旅行会社へのヒアリングによると、訪日旅行だと団体旅行でもこれまでのような30名とかではなく、十数人程度の小グループが見られるとのことです。

中華系東アジア諸国に旅行者を取られた結果、申し込みが少なくなって価格も上がる、という悪循環を生んでいるように思われます。

また、家族友人単位のFITでも少人数化がみられるようです。

 

③訪日市場の動向

日本の地方の中では、タイから近く、2万バーツ台〜と安い九州の売れ行きが良いです。

九州は、これまであまり人気だったわけではなくタイ人にとってまだ「Unseen」であることが安いことも相まって人気の様子。

逆にタイから直行便がなく、遠い東北地方は、コロナ禍前に比べて新しいディスティネーション群に押されがちな状況です。

6万バーツ台からと、時に欧州より高価なこと、タイ市場ではすでに過去より人気で一巡したことも人気低下の原因と思われます。

 

日本はタイ人の海外旅行先として未だ一番人気ですが、ミドルハイ層では、気球体験トルコ・英仏伊欧州ツアーが人気上昇中、北米ツアーも増加中です。

 

以上、タイでは中華系東アジア諸国との差別化や、価格の納得性に対する課題が出てきています。

タイもシンガポール同様、高付加価値旅行への取り組みを行うタイミングが来ているのかもしれません。

→当社の高付加価値市場への取組みについてはこちら

 

タイ・マレーシア・シンガポール・インドネシア・ベトナム・フィリピン・インドの訪日事情について、詳しくはお気軽にお問い合わせください。

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