前回、日本以上にFacebookが広く使われているASEANマーケットでは、Facebookを活用するのがB2Cにおいて有効だと説いた。
1,消費者の囲い込み(Facebookファンの獲得)
2,ファンへのブランディング
3,ファンへ購入機会やイベントの告知
4,更なる新しいファンの獲得(口コミ)
5,ロイヤルカスタマー化
今回は具体的にFacebook活用方法1〜5を説明していきたい。
どの市場の誰が自社商品に反応があるかわからない。そんな声をよく聞くからこそ、まずはタイ・マレーシア・シンガポール・インドネシアなどASEAN主要国向けにFacebook広告を打ってみよう。現在の1いいね!獲得単価は30〜60円ほどだ。
結果、ファン属性→リーチ数→エンゲージメント数を見て、どの都市のどんな民族に自社商品・サービスが有効なのかが見えてくる。
もっと深堀りしたければ、アンケートキャンペーンを行ってみよう。
当初は英語だけでも構わない。いずれも、無料で・かつ自社でできる内容である。
Facebook上での数ヶ月のファン集め及びファン分析、ヒアリングが一段落して自社Facebookファンが何を望んでいるか見えてきたら、ファンの需要の解決を行っていこう。
具体的には「お役立ち情報」を連載するのである。
商品が車なら、車で行ける楽しい場所の提供や、
商品がラーメンなら、ラーメンに合う組み合わせの提案、
商品が観光地なら、お土産情報など
ファンが何を望んでいるかによって変わっていくが、Facebookは「感謝と応援のメディア」であることから顧客の課題の解決を投稿とコメント欄でのコミュニケーションを通して行っていくことがブランディングとなっていく。
ブランディングをしつつ、5日に1度位の頻度で購入の機会を提示しよう。
どんな素晴らしい商品も、手に取る機会がなければ買いようがない。毎日ではうんざりされてしまうが、5投稿の内1投稿は、お店の周辺の紹介、イベントやキャンペーン告知をしていこう。その際も前項「顧客の課題解決」志向であること、その商品を購入すると何が解決したり何が変わるのかを示すことが重要である。
顧客・ファンの課題解決をしていくと、どうなっていくだろうか。
「このFacebookページ・商品はいいよ」とFacebook上で口コミが起こるのである。
一説に、他人からの推薦は自己推薦の何倍もの信頼を生む、とある。まさに自身の家族友人から知らされたお墨付きによって、あなたのFacebookページに更なる新しいファンが集い、変わらずFacebook上で可能な課題解決という名の投稿とコメント欄でのコミュニケーションを行っていく。
Facebookだからといって、対面で行う営業活動と変わりはないのである。
しかし、日本からブランディング及び顧客の忠誠度を上げる活動ができる。
最終的に、いかに自社商品を愛し、リピートし、新しい顧客を紹介してくれる大ファン=ロイヤルカスタマーをひとりひとり増やしていけるかが、ASEANに限らず企業活動の最終目的の一つである。Facebook上に限らず、応援してくれるファンには御礼のメッセージを送ったり、サプライズとして御礼の気持ちを贈ったり、一般のファンより優遇しよう。2:8の法則もある通り、ほんの僅かなロイヤルカスタマーが、ほとんどの売上に貢献してくれるものである。彼らが、一般のファンと同じ扱いなのは、ロイヤルカスタマーの心理として不公平というものである。
Facebookの機能、ASEAN諸国における中間層への浸透率がこれら1〜5の「顧客を見つけ、育てる」ことを可能にする。
Facebook広告を使わざるを得ないという制約はあるが、その他は無料で使え、かつ見込顧客獲得の費用対効果は、現時点でGoogle広告と並んで最も高いメディアである。
掲示板の役割を果たす現地向けホームページと合わせて、顧客を見つけ仲良くなれるメディアであるFacebookページを開設し、日本からASEANへの一歩を踏みだそう。
(アジアクリック/高橋学)
関税撤廃など6億人の一大市場ととなるAEC(アセアン経済共同体)発足を前に、粛々と準備を進められている方も多いのではないだろうか。
今回は最も多いご相談である「ASEANで自社商品を売りたい」そのために最も簡単で定石な2通りのPR方法をご紹介する。
ASEAN全体に同時PRできるのはズバリFacebookだ。
次に強いのが各国毎のTVCM。しかしこれは膨大な金額と制作労力がかかり、各国毎に対応せねばならない。
日本以上にFacebookが広く使われているASEANマーケットでは、Facebookを利用して
1,消費者の囲い込み(Facebookファンの獲得)
2,ファンへのブランディング
3,ファンへ購入機会やイベントの告知
4,更なる新しいファンの獲得(口コミ)
5,ロイヤルカスタマー化
が可能である。
特にどの都市のどんな顧客にターゲティングしたら良いか不明な際は先にFacebookページを開設し、Facebook広告で集まったファンがどんな属性で、どんなコメントをしてきているかで初期のマーケティングを行おう。
しかし、FacebookはB2Cに有効だが、B2Bには向かない。
ASEANのB2Bで圧倒的な実力を示すのがLinkedin(リンクトイン)だ。
LinkedinはプロフェッショナルSNS。Facebookが一般人が利用するものとしたら、Linkedinは英語が流暢に使えるビジネスマンのためのSNSと言える。タイでもマレーシアでもインドネシアでも、もちろんシンガポールでも英語でLinkedinを使えば殆どのASEANの大企業の社印と繋がることができる。そして商談のアポイントメントを取るのが目的となる。
1,自身のプロフィールを英語で充実させる
2,詳細な属性検索でビジネスパーソンを検索
3,友達申請を送る
4,ビジネス目的のメッセージを送る
5,アポイントメント成功、商談へ
相手が英語ができるというのは私達日本人にとってコミュニケーションが取りやすいし、且つLinkedinでは相手の興味などが事前にわかるため、準備や提案も行い易い。表現を選ばなければLinkedinはビジネス版出会い系サイトと考えれば分かりやすい。商談後も人脈ネットワークが確保でき、広がっていくのもソーシャルネットワークメディアとしての利点だ。
ASEANで何をしていいか悩んでいる方は、ぜひはじめの半歩をSNSから進めてみて欲しい。
(アジアクリック/高橋学)
こんにちは。シンガポールから高橋です。
ASEANに向けてのプロモーションの一環としてよく聞かれることに、
今回はASEAN複数国でFacebookを運用する方法を共有します。
◾︎ASEANで有効なFacebookでの商品PR
昨今、自社製品をFacebookなどSNS(ソーシャルメディア)でASEAN市場、特にタイ・マレーシア・シンガポール・インドネシアへ向けてPRしたいというご相談をよくいただく。そこで今回はよくご質問いただくことを下記Q&A形式でまとめておく。
Q SNSはASEAN市場へのPRに有効ですか?
B2Cにおいて有効なのはFacebook。
Googleアドワーズと合わせて自社ファンのゼロからの獲得、及び教育に使いましょう。
ASEANでのFacebookのポイントは「現地語で」「現地人の感覚に合わせる」ことです。
キャンペーンも数ヶ月に一度は行いましょう。
B2BにおいてはLinkedinが非常に有効なソーシャルメディアです。
特にシンガポールやマレーシアなど英語圏では強力です。
その他の国についても、ビジネスマンおよびエグゼクティブの多くが利用しており、人事以外でもビジネスパートナー獲得のための信頼できるソーシャルメディアネットワークとして英語で活用できることがメリットです。
Facebookはコミュニケーション戦略と、キャンペーンなど実際に顧客と接する機会の提供が基本となります。
またイスラム教徒など民族に応じて炎上を未然に防ぐ戦略が必要です。
Q Facebook以外に有効なSNSは何ですか?
ツイッターと写真共有SNSのInstagramです。
特にインスタグラムはタイ・マレーシア・シンガポール・インドネシア・ベトナム・フィリピン・香港について検討に入れても良いかもしれません。
また良く聞かれるLINEも含めて、これらはFacebookとWebサイトと合わせて使わないと効果は薄いです。
Q Facebook広告は有効ですか?
有効です。
ASEAN地域ではターゲットによりますが現在数十円程度で1いいね(1ファン)を獲得することが出来ます。
しかしシンガポールとタイなど、Facebook広告の入札が激しい地域は注意が必要です。
より絞り込んだターゲット属性で、低単価かつ高エンゲージメントを狙いましょう。
Q タイ向けやインドネシアなど非英語圏でも、英語で投稿しても効果あるでしょうか?
ごく限定した効果しか得られないでしょう。
タイであればタイ語、インドネシアであればインドネシア語が良いです。
理由の一つに、もし英語で投稿し続けても現地人は「自分たちだけに向けた情報発信でない」と感じ取り、Facebook等SNSの使用目的であるファン化、ブランディングに大きな遅れを持つということになります。
Q 炎上リスクについて聞きたいのですが?
もし現地の政治・宗教・民族問題に明るくなければ、炎上のリスクが高いです。
ASEANの人口の半数はイスラム教徒です。キリスト教徒との衝突もあります。政治面でも事実上一党政権も多く、また各国内での民族間の経済格差が広がり繊細な状況も一部もあります。
現地語で投稿運営するのに加えて、現地人に担当させ、クオリティチェックは日本人が行うようにしましょう。
以上、簡単ですがASEAN地域のFacebook運用においてよく聞かれる質問と回答を列記させていただきました。この他のご質問等は
・日本国内からフリーダイヤル 0120−74−1990
・メール info@asiaclick.jp
へお気軽にご相談下さい。
(アジアクリック/高橋学)
ASEANにも炎上リスクがある。
主に政治・宗教・民族に関して無知でいると起こってしまう。
次からいくつか企業の炎上事例を紹介しよう。
前回までの記事
ASEAN市場とは①〜一枚岩でないASEAN諸国。国々の中の民族や宗教など個々の理解が必要
ASEAN市場とは②〜中国ビジネスの失敗から学ぼう
ASEAN市場とは③〜本当にASEAN新興市場で良いのか?
ASEAN市場とは④〜華僑ビジネスとマレー系既得権益層のハイブリッドである
①「ウルトラの父はアラーと同じくらい偉い」と記述した幼児向け書籍が炎上 〜マレーシア
②中国系をベトナム民族の中と紹介した航空会社のイベントが炎上 〜ベトナム
③インドネシアの洪水に備えて「ケンタッキーフライドチキン購入」を薦めて炎上 〜タイ
④地下鉄公社が運賃の値上げや電車が止まる事件へのコメントを無視したうえに、キャンペーンなど無関係情報をアップして炎上 〜シンガポール
⑤キットカットの紙がオランウータンの住む森を破壊しているとしてグリーンピースがネガティブキャンペーンを展開 〜インドネシア
など、ASEAN各国津々浦々企業の無神経さによる炎上が起こっており企業ブランドに多大なダメージを与えている。
現地企業ですら炎上を招くのだから、現地に明るくない日本企業団体はなおのこと現地事情を学びリスクを最小限に抑えていく努力を行わなければならない。
かくいう私も、2年前に不用意な一言でマレーシア華僑を怒らせたことがある。
Facebookに「マレーシア華人は、中国大陸に帰れなかったからこそ今の経済を支配する地位を得たのだ」と書いた所、マレーシア人の友人から当社マレーシア人スタッフまで「高橋さんは、私達マレーシア華人が中国大陸にいつか帰りたいとでも思っているのですか!?」とPRIDE高い華僑の逆鱗に触れてしまったのである。
解説すると、ASEANのみならず華僑というものは4〜5代に渡り貧しいが故に中国大陸から外国に移住し、炭鉱やプランテーションで働き蓄財し現地人と折り合いをうまくつけながら努力して現在の「ASEANの経済の8割は華僑がにぎっている」地位を作り得たのである。その歴史的・家族的プライドがある、中国大陸の中国人とは異なる、私達は華僑だという自負と尊厳がある。
彼らと英語で会話する際にはつい省略してChineseと呼んでしまいそうになるが、これはいけない。Malaysian Chinese, Indonesian Chineseといったように彼らの地位を理解した表現を用いるべきだ。
10ヶ国6億人1000民族に近いASEANをこの記事1つで説明しきれるものではないが、基本原則として
「政治・民族・宗教」には触れないに限る。また広告等クリエイティブが必要な場合は当該民族に校正を必ずお願いする、など日本人では理解できない範囲があると踏まえ、その時その時で石橋を叩いて渡りたい。
私達日本人が現地を学びどんなに理解が進んでも、現地に何十年住んでも、彼らの立場には成り得ない。また、彼らの土地でビジネスをさせてもらおうとしている立場でもある。ASEANを勉強し続けることは止めず、現地人の感情を深淵なものとして謙虚にASEANと伴走し続けたいものである。
(アジアクリック/高橋学)
こんにちは。ご無沙汰しております、下垣です。
日中韓三カ国共同事務局で開催されたYoung Ambassador Programに参加し、一昨日韓国から帰国しました。
プログラムには主に日中韓、いずれかの国籍を持つ学生が参加し、東アジアが近年抱える安全保障と歴史認識問題について議論して参りました。その中で一つ興味深い事実を知ることが出来ました。ついにFacebookのオフィスが北京に出来たのです!!
丁度4年前の夏休み、北京大学に短期留学した際に北京大学の一部の学生がアメリカのサーバーを使用してfacebookをはじめ海外のネットワークを積極的に、しかしながら秘密裏に活用していたこと、彼らの情報獲得意欲の強さに衝撃を受けたことを今でも覚えています。
加えて、海外留学を経験し、中国に帰還した中国人の中で「せっかくできた友達とFacebookで繋がりたい」という気持ちが次第に音を立てて大きくなっていたことにも日々驚かされていました。
そうした中で、ようやくfacebookは中国政府と対話を重ね、着々と中国大陸での解禁に向け駒を進めています。
実際、今回のプログラムの参加者の一人がfacebookオフィスに招待されていました。海外とのネットワークを持つ学生をオフィスに招きfacebookの啓蒙活動も既に進めだしています。
13億人の消費者とfacebookを通じて繋がる未来がもうすぐそこまで来ているのです。
故に、fast moverになるためにも、今この瞬間から中国大陸におけるfacebook攻略、はじめませんか?
アジアクリックにどうぞお気軽にお問合せ下さいませ。
また、facebook中国大陸進出に関してよくまとまっている記事がこちらにあったので、ご紹介させていただきますね。
http://www.bloomberg.com/news/2014-07-04/facebook-said-to-rent-beijing-space-in-first-china-office.html
(アジアクリック/下垣)