去る2025年1月16日(木)~19日(日)まで、タイ・バンコクのQueen Sirikit National Convention Centerにてタイ国際旅行博TITF2025が開催されました。
いくつか、タイ市場の変化に気づきましたのでレポートいたします。
TITFでは、日本だけではなく中国大陸・台湾・香港・マカオがPR大攻勢、各国NTOはお寺詣でや伝統工芸DIY、チアリーディング、無料スイーツなど趣向を凝らした仮旅行体験を提供しています。
(タイ人入国イミグレ問題が続く韓国は、今年は不参加です。)
特にこれらの中華系東アジア諸国は、ツアーの価格も九州などを除くと日本のほぼ半額以下となっており、他の東南アジア同様人気となっています。
各旅行会社へのヒアリングによると、訪日旅行だと団体旅行でもこれまでのような30名とかではなく、十数人程度の小グループが見られるとのことです。
中華系東アジア諸国に旅行者を取られた結果、申し込みが少なくなって価格も上がる、という悪循環を生んでいるように思われます。
また、家族友人単位のFITでも少人数化がみられるようです。
日本の地方の中では、タイから近く、2万バーツ台〜と安い九州の売れ行きが良いです。
九州は、これまであまり人気だったわけではなくタイ人にとってまだ「Unseen」であることが安いことも相まって人気の様子。
逆にタイから直行便がなく、遠い東北地方は、コロナ禍前に比べて新しいディスティネーション群に押されがちな状況です。
6万バーツ台からと、時に欧州より高価なこと、タイ市場ではすでに過去より人気で一巡したことも人気低下の原因と思われます。
日本はタイ人の海外旅行先として未だ一番人気ですが、ミドルハイ層では、気球体験トルコ・英仏伊欧州ツアーが人気上昇中、北米ツアーも増加中です。
以上、タイでは中華系東アジア諸国との差別化や、価格の納得性に対する課題が出てきています。
タイもシンガポール同様、高付加価値旅行への取り組みを行うタイミングが来ているのかもしれません。
→当社の高付加価値市場への取組みについてはこちら
タイ・マレーシア・シンガポール・インドネシア・ベトナム・フィリピン・インドの訪日事情について、詳しくはお気軽にお問い合わせください。
アジアクリック 高橋学
【今冬、タイで人気の海外ツアー】
新年も、タイ等東南アジア訪日市場も盛り上がりそうです。
ご参考までに、現在タイの有力旅行会社が販売に力を入れている訪日以外の海外ツアーをご紹介します。
・中国本土各地への格安ツアー、ラブブ購入ツアー
・ハルビンの雪まつりや、スイスの雪体験ツアー
・欧州は、東北等日本の地方より安いツアーも多い
・富裕層は、アラスカのオーロラやアフリカのサバンナなど、家族で行くUnseen(見たことのない)ツアーが定番
・旅行代金が安いトルコ、東欧、香港ツアーが人気
これらツアーの特徴と価格帯をふまえて、タイ人観光客やタイの旅行会社と触れられるとPRに効率的かと思います。
タイ人に刺さる、雪やイベント、Unseenが訪日以外の海外旅行でも人気、また相対的にお得感がある中国、東西欧州にも海外旅行先が広がっています。
※2025年1月4日時点のレートは約4.6円/1タイバーツ
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東南アジアでもコロナ禍でオンラインイベントが進みました。
単独実施ではなく、オーガナイザーが自治体や団体を集めて実施していた従来の旅行博スタイルをオンラインに置き換えたイベントを、タイ・マレーシア・シンガポール・インドネシア・ベトナム・フィリピンの順で紹介します。
●タイ向け
・バンコク日本博2020オンライン
トラベル(旅行会社、自治体、テーマパーク、鉄道会社など)/食(飲食店など)/モノ、伝統工芸(物販(食材等)、伝統工芸、地域特産品など)/コンテンツ(アニメ、マンガ、映画、テレビ、ゲーム、音楽など)/学校、日本留学(日本語学校、専門学校、大学、高校、不動産会社など)/企業、就職(採用目的の在タイ日系企業&日本の会社、人材紹介会社)などが参加。
資格一部、生放送でも冗長で手持ち無沙汰を感じたり前打合せが不十分だったのか、出演者がはるか遠くで視聴者は画面上でよく見えなかったりしており、チャレンジングな先行事例ながら生放送を主体とする場合のオンラインイベント運用の課題が明確となった。
https://www.youtube.com/channel/UCXHu32-CE6QuVklxkoPIT0w
●マレーシア
・Japan Expo Malaysia
2020年7月18・19日の土日にFacebookとYoutubeで行われたオンライン日本博。
芸能人のステージパフォーマンスを中心に、コスプレやロボット、武道、プロレス、寿司のスピード大食い等豊富なコンテンツで日本文化を紹介。バーチャルユーチューバーや著作権保護啓蒙、アイドルによるお勧め観光地等の紹介も。
ラッキードローはエアアジア航空チケットやニンテンドースイッチ。
https://www.facebook.com/japanexpomalaysia
・マレーシア政府観光局による日本人向け「マレーシアグルメ座談会」
スライドを使ったグルメ紹介と、4人のプレゼンテーターによるおしゃべり、参加者のチャットを見ると関係者がほとんどで、ターゲットへのリーチが課題。
1,236 回視聴•2021/04/24 にライブ配信 621共有保存
●シンガポール向け
・The Japan Rail Fair
日本とシンガポールをつなぎ、日本の観光情報を「訪日ウェビナー」「ワークショップ」「鉄道や旅行気分のバーチャル中継」「動画配信」で発信、また旅行博のオンライン版と位置づけ、現地シンガポール人との交流の場もウェブ上に設けた。ブースはJR各社および北海道、静岡、愛媛、香川、高知各自治体が参加。
https://japanrailtimes.japanrailcafe.com.sg/tjrf2020/
・Sakura-viewing Seminar 2020(H.I.S. Singapore)
開催期間1日、時間7時間半におよび、HIS社シンガポール支店で消費者向けに花見をリモートで行いつつ、予約制で相談会を行った。Facebook上では参加者3名、興味あり30名。
参加者は50sgdのクーポンと、購入者には最大3つのスーツケースと最大500sgdの割引を行った。
https://www.facebook.com/HISTRAVEL.SG/events/
●インドネシア向け
・インドネシアジャパンオンラインフェスティバル2020(2020年10月23日開催)
オンラインで日本レストランと繋ぎ親子丼の作り方や、福島と繋いで侍剣舞、日系工場の誘致PR、介護職の募集、JKT48メンバーがヴィーナスフォートを歩いて紹介する中継など、複数の地点を繋いでの中継内容が多かった。
●ベトナム
・ベトナムジャパンフェスティバル ホーチミン市内の公園でリアルで開催
たこやきやぽっぽ焼きなど食品ブースや、企業のPRブースなど。
日本観光地を背景に投影して、SGO48など現地芸能人のステージが目玉。メインステージでは徳島県とオンラインで繋いで、参加者と阿波踊りも。
http://www.toasoken.asia/?page_id=2088
※当日の様子レポート
※公式チャンネルには、2021年の記録動画はなし。
●フィリピン向け
・フィリピンにいながら日本の文化が楽しめる『JAPAN FIESTA(ジャパンフィエスタ)2021〜New Year〜』
今年はオンラインで1月18日~24日に開催、1日あたり1時間強の放映で7日連続。
MNL48など有名芸能人やコスプレイヤーが出演。和歌山や鳥取、九州を中心とした観光ビデオや担当者からの英語プレゼンを放映、PR色が強い内容となった。各日の最後には視聴者参加型クイズも。
いかがでしょうか。
東南アジアでのオンラインイベントのポイントをまとめると、
・準備→当日トラブルを避け録画を活用、視聴者目線でのUIを
・PR→SNSはもちろん、現地ならではのメディアを使ってターゲットに十分なリーチを
・当日→参加型クイズや現地からの放映でリアル感の演出を、音声や電波トラブルにも対応
・アフターフォロー→SNSなどで後日談、コツコツ継続PR
を行うと良いでしょう。
最後に今年は訪日再開への準備の年なので、エンゲージの高い独自開催をして、次に行く場所として記憶に残すことをご提案します。
独自のイベントを実施できるツールと事例をご紹介しますので、ご興味ある方は下記リンクからダウンロードください。(登録不要、2.1MB)
こんにちは、フィリピン特派員のロシエルです。
出典:観光庁訪日外客数2019
今回は2020年度コロナ禍で行われたフィリピン向けプロモーションから学びましょう。
≪2020年5月≫
・KTO、韓国観光公社がオンラインでギブアウェイがもらえるキャンペーンや、質問に答えるウェビナーを実施
≪2020年7月≫
・ユニクロ、7月16日にオンラインストア開設、コロナ禍でも売り上げ増加を画策
≪2020年9月≫
≪2020年10月≫
・フィリピン電動車(EV)サミット、10月24日バーチャル開幕、日産など仮想EVサミットステージで講演・JNTOが訪日インバウンドPR「My own personal Japan」キャンペーンを実施
https://www.jnto.go.jp/jpn/news/press_releases/pdf/20201012.pdf
・JNTOシンガポール主導でFacebookライブでのPR「FUN From Home」を実施 静岡県や沖縄県などが参加
https://www.facebook.com/Shizuoka.Home.of.Mt.Fuji/videos/780322786151387
≪2020年12月≫
・2019年11月に佐賀県で撮影(古民家等。リングの貞子に影響を受けたか)されたフィリピンのホラー映画「The Missing」が、マニラ首都圏映画祭2020に入選し、12部門で各賞ノミネート、ワールドワイドでオンラインで視聴可能(USD $10)
http://upstream.ph/movies/The-Missing/
・タイJNTO独自で、旅行会社への情報提供を目的とするB2Bサイトを2021年開設予定、各自治体から掲載希望を募集、締切済
・佐賀県が新聞広告(4分の1ほどと小さいが「Get to know SAGA」)、テレビ枠を購入
急成長するフィリピンからの訪日インバウンド。
タイは、ASEANの中では一歩抜きんでて100万人を達成しました。
そしてフィリピンはそのタイを追うようにどんどん成長しています。2018年には他のASEAN諸国を追い抜いてタイ追走の独走態勢に入りました。
今回は高橋から、現地で活動を行っている”現場感覚”から得たフィリピン市場が伸びる理由、そしてではなぜ今、フィリピン市場を攻めるべきなのか?をお伝えします。
(マニラの旅行会社で、訪日ビザの申請に並ぶフィリピン家族)
中国+100万人、台湾+60万人、香港+14万人と大幅な伸びの訪日外国人観光客。
その他伸びが著しいのはタイ、マレーシア、フィリピン、ベトナム人観光客。
タイ人観光客「日本行き9万円、安!中韓行かず日本行こ!」
(外国旅行のうち、9割が日本のタイ。中国観光旅行は下火。四季も素敵)
マレーシア人観光客「ブランドバック、中古でも日本のは綺麗だわ〜」
(偽物もないし。華人とマレー人でも買物派・伝統文化堪能派に分かれる)
フィリピン人観光客「喰う買う遊ぶ。家族友人でディズニーランド!」
(フィリピンにテーマパークないですから。モールや百貨店も大好き、日本食も食べまくります!)
ベトナム人観光客 「日本の電化製品サイコー!!」
(ベトナムの電化製品は高い、少ない、ダサい、日本はカメラ等種類が多くて安い!)
円安とビザ緩和の効果はてきめんのよう。
円安進行の今、観光インバウンドで外貨を稼ぎ生活を守りたいものです。
マジュラシンガプーラ! アジアクリックシンガポールの高橋学です。
2020年に向けた訪日外国人観光客2000万人達成に向けて富士山や日本食の世界無形遺産登録や無料Wifiへの取り組みなど、受け入れの整備の準備がはじまってきました。
しかし。
現地ASEANの大都市では、日本での受け入れ以前の問題が存在しています。
ビザや費用、情報といった面です。
今日はそれぞれについてASEAN現地で聞いた各国中間上位層〜富裕層の生の声をお伝えします。
①情報がない!
「ネットで検索しても日本旅行はでてきません」(マレーシア20代女性 OL)
「Facebookで検索しても日本旅行は限られている」(タイ 20代 男性 学生)
「なぜツアー情報ばかり?個人でカスタマイズしたい」(シンガポール30代女性 SE)
「旅行会社にいっても、日本ツアーは1つか2つだけ」(インドネシア 20代女性 学生)
②訪日ビザ取得が面倒!
「30名からの団体しか日本には行けないですから」(ベトナム 20代女性 OL)
「500万円の通帳を見せるのは高すぎ」(フィリピン 20代女性 自営業)
「ビザ解禁になったら、みんな日本に行きたいですよ」(インドネシア 30代男性 会社員)
「ビザ免除で、本当に楽になりました」(タイ 自営業 40代)
「お金はあるのにビザは面倒なので、欧州に行きます」(フィリピン 自営業 50代)
③韓国のほうが安い。
「韓国15万円、日本30万円」(インドネシア 20代 OL)
「韓国で桜が見たいです!」(シンガポール 20代 学生)
「台湾の温泉の広告が多い」(シンガポール 30代OL)
「韓国と日本はパンフレットで隣同士、両方行きたい!」(インドネシア 20代学生)
「日本はホテルは1人1万円以上、家族には躊躇」(インドネシア 30代男性 会社員)
以上のように不安は上記3つに絞られてきます。
①日本旅行の情報がない
→Facebookや現地語ホームページ開設。しかし現地でストレスなく開けますか?
現地ではFacebookすら開けない時間帯もあります。
Facebookは無料ですがホームページを見るのはお金がかかります。
②訪日ビザ取得は面倒臭い
→ベトナムやフィリピンなどには、訪日ビザ解禁に向けて旅行代理店営業を今から進めておいたほうが良いです。
富裕層だけはビザ免除して良いと思いますが。
③訪日費用は高い。韓国のほうが安い
→韓国の倍くらいお金がかかるイメージがあり、最近では韓国に行けば日本料理や桜、温泉に入れるという戦略をASEANで行っています。またLCCのお陰で飛行機は安いと知られていますが、ホテルが高いイメージでFITによるバジェットホテルの情報を特に伝えることが訪日業界全体への利益になります。
これら訪日3本の矢、バイノミクスで2000万人達成を目指しましょう!!
(アジアクリック/高橋学)
一口にASEANと言っても、ASEANは一枚岩ではありません。
韓国と日本ほどの違いがあります。
そこで今日は、ASEAN国別の訴求ポイントについて比較表にまとめてみました。 (さらに…)