ASEAN主要7カ国+インド マーケットの入口

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アジア担当になったら読む【ASEAN5つの鉄則 】

昨今、中国に加えてASEANマーケットへの進出がますます盛んになっており、当社でもタイ・インドネシア・ベトナム・シンガポール・マレーシア・フィリピンの順にご相談を多く頂いています。

ASEANは10カ国からなる多民族国家群。アジア担当になった方は果たして何から勉強したら良いのか迷うことでしょう。

ASEAN10ヶ国、6億人、1000民族、そして多くの宗教や言語。今日はアジア担当になったらまず知っておきたい5つの事実を共有します。

 

1,ASEANは国ではなく、民族でターゲティングする。

タイ・マレーシア・シンガポール・インドネシアなどASEANの主要国は、数多くの民族で構成されています。具体的には中国系とマレー系、インド系その他原住民およびそれらの混血に分けられます。民族が異なれば、宗教が異なり、考え方や価値観が異なり、消費行動も異なるということです。

 また、中国系民族は富裕層および中間層がが多く、その他民族は(ブルネイを除いて)中間層以下が多い傾向があります。
1国の中に複数民族がいるのですから、国や都市だけでなく、民族でマーケティングしましょう。

 

2,宗教・政治・民族には触れない。

ASEAN諸国では、多くの国で主流宗教であるイスラム教徒とキリスト教徒の心理内で、キリストの解釈をめぐり衝突が起きています。具体的にはタイ各国境部、マレーシア、インドネシア、フィリピン南部で多く起こっています。また、政治も不明瞭な事件も多くストレスやデモの原因になっており、特にタイ、マレーシア、シンガポール、インドネシア、ベトナムで起こっています。

 宗教の衝突は民族間の衝突。以上の宗教・政治・民族についての勉強と理解は進めながらも、職場や広告等での扱いは慎重に且つ避けるべき話題でしょう。

 

3,華僑と中国人(大陸人)は別物と考える。

ASEANにおいての華僑は、4〜5世代前にASEAN各地に渡ってきた子孫です。彼らは中国大陸人と一緒にされるのを非常に嫌います。マレーシアやシンガポール、インドネシアなど既に各国の正式な国民であり誇りもあります。一般的に中国系であることに誇りが置いているのではなく、一族の歴史と成功に誇りがあるのです。

英語で彼らを呼称するときに「チャイニーズ」ではなく、理解を示し「マレーシアンチャイニーズ」「インドネシアンチャイニーズ」などと呼ぶように心がけましょう。


4,マレー系民族の、のんびりさに合わせる。

多少乱暴な言い方になりますが、ASEANつまり東南アジアの原住民であるマレー系にはタイ南部民族、マレー人、インドネシアプリブミ、フィリピン人、ラオス人、カンボジア人、ブルネイ人の多くが、親戚として民族的に同系列となります。おおざっぱにいうと、彼らは元来、冬のない常夏の気候で育っており、寒さで死ぬこともなく、バナナやマンゴー、パパイヤといった食料にも困らない常夏の楽園といった環境でのんびり暮らしてきました。そこには四季のある日本のように、いつまでに何かをしなければならない、という習慣があまり根付かなかったのです。

だから私達日本人が、中華系でない東南アジア市民と接するときは私達の慣習やスピード感を押し付けるのではなく、郷に入っては郷に従うように余裕を持ちたいものです。

 

5,B2CもB2Bも「スマホでSNS」を活用。

ASEAN地域の華僑も、マレー系民族も一族の繋がりを根本においた生活をしています。しかも広範囲に一族が散らばっており、一族の消息を知るために使われているのがFacebookです。子供が自身の父母にiPadをプレゼントして、孫の顔を見せる、といったことが普通に行われています。日本の老年層はFacebookを使ってないですから、どれだけ根付いた情報インフラになっているかは想像に難くないですね。ASEANマーケットにリーチするのに、この無料のPRツールを活用しない手はありません。

 またB2Bでも、Linkedin(リンクトイン)というビジネス専用Facebookがどの国でもよく使われています。理由はASEAN市場のビジネスマンは英語ができるからです。企業同士の提携、取引、販路拡大に、日本にいながらビジネスネットワークを広げることができるのは活目に値することです。

いかがでしたでしょうか? これらASEANマーケットの特徴を掴んで、各国、各民族の理解へと進んで長い付き合いができるようにしてまいりましょう!
(アジアクリック/高橋学)

ASEAN市場とは④〜華僑ビジネスとマレー系既得権益層のハイブリッドである

前回までの記事
ASEAN市場とは①〜一枚岩でないASEAN諸国。国々の中の民族や宗教など個々の理解が必要
ASEAN市場とは②〜中国ビジネスの失敗から学ぼう
ASEAN市場とは③〜本当にASEAN新興市場で良いのか?

■ASEAN諸国8つの共通点

ASEANは10ヶ国ある。タイ・マレーシア・シンガポール・インドネシア・ベトナム・フィリピン・ミャンマー・ラオス・カンボジア・ブルネイである。2015年末にASEAN経済共同体(AEC)が発足し貿易や人材交流の垣根を徐々に撤廃してEU欧州経済地域のように1つの大きな経済圏となっていくとはいっても、共通項は大ざっぱに言って

1)華僑が経済の大部分を握っている(国にもよるが8〜9割と言われている)

2)中国系以外の民族は、マレー系が主流(タイ人・マレー人・インドネシア人・フィリピン人・ミャンマー人・ラオス人・カンボジア人・ブルネイ人。シンガポール人とベトナム人以外において最多数民族はマレー系)ことによる、民族間の確執。

3)シンガポールを除き発展途上国で、年7%ほどの経済成長率としてめざましく発展中

4)インドネシアがASEAN経済圏GDPと人口の約半分を占めている

5)常夏の南国であり、四季がない地域がほとんど。

6)全ての国で、親日である(全ての国で85%を超える好感度※)

7)仲が悪い国がある。インドネシアとマレーシア、ベトナムとカンボジアなど。

8)主要宗教はイスラム教>キリスト教>仏教道教儒教の順で信者が多い。

など。

■ASEAN経済圏は、華僑ビジネスとマレー系既得権益層のハイブリッド

ASEANの宗教分布
ASEAN地域の宗教分布。華僑は仏教道教儒教中心、マレー系はイスラム教が中心だがフィリピンはキリスト教が多かったりと事情は異なる。

特に「華僑と組んで、現地マレー系民族に配当を与えハンコを貰う」ことが基本となる。

日本人だけでは、この一連の流れが出来ない。

ビジネスは華僑と、許認可はマレー系で。

なぜか? 歴史的に原住マレー系が先、華僑はあとから住み着いたからである。

元々ASEAN諸国のマレーシア・インドネシア・フィリピンなどは南島語(オーストロネシア語)を話すマレー系オーストロネシア民族が原住であり、その後中国大陸から華僑が移り住んできた。4〜5世代前のことである。今では華僑たちも各国民として暮らしているが、マレーシアでは原住マレー人を「ブミプトラ(大地の子)」、インドネシアでも「プリブミ」と言って事実上役所など政治はマレー系が殆どを占めている。
昨年、インドネシア新大統領にジョコウィ氏が就任したことで繰り上がってジャカルタ特別州知事に中華系アホック氏が就任したことは、東南アジアの長い華僑の歴史の中で初めての出来事であり(単独政党のシンガポールや文化混合や混血が進んでいるタイは除く)、ASEAN全域の華僑に希望と誇りを与え、原住の人々にとっては他民族に政治の一翼をとられた気分となって一部苦い思いをしている人々もいると聞く。
ASEANでのビジネスは、その民族感情を考慮に入れて聖域を侵さず、華僑とマレー系のお互いの面子と領域を尊重していかねばならない。

我々日本人は、質の担保や信頼を積み重ねる部分を担当しよう。
もちろん、全て任せてはいけない。信頼できる華僑とマレー人スタッフのチェック体制を何人にも分けて現状を把握していくことがリスク対策となる。(アジアクリック/高橋学)

次回 ASEAN市場とは⑤〜リスク対策は民族・宗教・政治。炎上事例から現地との距離感を学ぼう へつづく。