ASEAN主要7カ国+インド マーケットの入口

AIとロボットが変える工場の未来――タイ製造業エキスポ報告

※動画は音が出ます

この週末、バンコクのBITECで、例年9万人の製造業関係者が集まる「Manufacturing Expo 2025」が開催されました。
会場では、AIを搭載したカメラで複雑な電気製品を検査するロボットアームが大きな注目を集めていました。また、部品を自動で仕分け・整理するロボットや、遠隔で変化の多い工程を柔軟に管理できる自動化システムも人気でした。省人化だけでなく、人とロボットが協力して作業できる柔軟性も、スマートファクトリー化が進んでいる理由なようです。

 

アジア各国のパビリオンと並び、JETROによる日本パビリオンも出展していましたが、IT分野でハードとソフトの両方に強みを持つ台湾のブースが特に注目を集めていました。台湾は、協働ロボットやAIを活用した最新の自動化技術を多数展示し、台湾人エンジニアが英語で来場者に直接説明する姿も多く見られ、高い関心を集めていました。

 

より高度なAIが機械に組み込まれることで、製造現場の手作業が減り、働き方も「作業」から「指示・管理」へと変化しています。今後は、従業員が新しい技術を学び直し、より付加価値の高い仕事に移っていくことが求められそうです。

タイなど、東南アジアでの視察や営業代行などはお気軽にご相談下さい。

アジアクリック 高橋学

 

※以下、イベントの動画、写真が続きます

以上です。

バンコクで17万人を集客、「マカオ×香港」プロモーションの衝撃。 日本は「強み」の再発見が急務

昨今、タイ・バンコクでは、福岡など日本の自治体や、香港観光局、台湾観光局、韓国観光公社などのNTOが、屋内外でさまざまなタイ人観光客誘致イベントを次々と開催しています。

結論:世界と戦うには「ユニークさ」を「誰に届けるか」

今や日本のインバウンドは、香港・マカオのような大規模かつ多様なプロモーションと“都市×都市”の組み合わせ体験(インバウンド業界用語だと「地方周遊」)に真正面から競争を挑まれています。
この現実を直視し、日本の各地方独自の“ここだけ”の魅力を、的確にターゲットに届ける戦略が、我々日本の地方には不可欠です。  まずは以下より詳しくバンコクの状況を見ていきましょう。


マカオ政府観光局のバンコクでのイベントの概要

マカオ政府観光局(MGTO)は、タイ人観光客誘致強化を目的にExperience Macao」ロードショーが実施され、2025年6月6日から8日までの3日間、バンコクのサイアムパラゴン(Siam Paragon)で「Experience Macao(Macao Wonder)」ロードショーを開催しました。このイベントは、タイの一般消費者や旅行業界関係者を対象に、マカオの多彩な魅力(文化・エンタメ・グルメ・MICE・スポーツなど)を体験できるテーマブースやインタラクティブなゲームゾーン、タイの人気アーティストによるライブパフォーマンス、現地限定の旅行商品・航空券・宿泊パッケージの即売などを展開。
マカオの6大統合型リゾート企業や主要航空会社、旅行会社も参加。タイのeペイメント企業と連携した割引特典も提供されました。
結果として、累計175,423人が来場し、1,006件のホテル・航空券パッケージが販売され、総取引額は640万バーツを超えました。
(当日の様子の動画。 音が出ます)

出典:MGTO https://www.gcs.gov.mo/news/detail/en/N25FIv6Vva

成功の理由:「世界遺産」と「東京と大阪を一度に楽しむ」ような非日常体験を提供

当「Experience Macao」ロードショーは、サイアムパラゴンというバンコク最大級の商業施設で、現地人気キャラクターや有名アーティストを活用した五感体験型イベント、SNSやデジタルサイネージを駆使した情報拡散、航空券やホテルの即時割引販売、eペイメント連携など、現地消費者の心をつかむ具体的な仕掛けを多数展開し、3日間で17万人超を動員しました。
一方、バンコク~香港のLCC往復は約27,000円から、香港ディズニーランドや巨大モール、マカオのカジノや世界遺産など“東京と大阪を一度に楽しむ”ような非日常体験を短期間で味わえる手軽さとコスパが、タイ人旅行者の心を強くつかんでいます。  具体的な仕掛としては

 ■ゆるキャラたちがバンコクの街を練り歩き、話題作り:タイ人はキモかわいいキャラが大好き
 ■五感で楽しむブース: クラフト体験、世界遺産フォトスポット、VRカジノ体験
 ■即時購入誘導: AirAsia航空券199バーツ、Thai Lion Air 50%オフ、Agoda半額「会場限定QRコード」配布
 ■eペイメント連携: TrueMoney/Rabbit LINE Payと提携、マカオで使える5%即時割引クーポンを配布
 ■BTS駅128か所のデジタルサイネージ: 1日あたり650万回の映像露出を3日間継続
 ■TikTokハッシュタグ #เที่ยวมาเก๊าแบบWonder: イベント関連動画が3日間で2,300万回再生
 ■インフルエンサー協働: YouTuber「Mai Davika」がマカオの隠れスポットの紹介動画を事前に40本配信

このように、プロモーションを「お祭り感を演出し、楽しさを前面に押し出して」一気に実施し、マカオ行きの即売会を盛り上げました。


各国政府観光局との競争の現実

以上の通りJNTOがタイで行ってきたFITフェアに勝るとも劣らない大規模かつ集中的に当該イベントが実施されました。
当該イベントのPRの目玉としては、
・香港・マカオのLCC往復航空券(約27,000円前後)は東京~大阪の新幹線往復(約29,000円)程度と格安にも関わらず更なるディスカウントの機会
・「ディズニーランド+世界遺産+高級ショッピング」を3日間で体験できる
コスパの良さが支持されています。

これはまるで世界遺産と東京と大阪を格安航空券で楽しめるようなものです。
このように、攻勢を強める世界のディスティネーションに我々日本の地方が対抗するには、地方の「ここだけ」の体験 が鍵となります。 以下に参考となり得る事例を紹介します。

今タイで好感されている、日本の地方の差別化事例

■青森県; 海釣りやイカの新鮮なグルメ体験、弘前のアップルパイ巡りなど、地方ならではの体験が豊富です。バンコクから羽田経由で青森空港までバゲッジスルーで行けるためアクセスも良好で、東北周遊ツアーでもコストパフォーマンスの高い旅が可能。

■夏の上高地: タイ人は「暑いタイから、もっと暑い日本の夏に行Alexaおはようきたくない」と言います。 常夏のタイでは暑さが敬遠され、涼しさが好まれる傾向があります。暑そうだと思われてしまうと、興味を持ってもらえないことが多いです。そんな状況下で夏の上高地が人気なのは標高約1,500メートルの高地に位置し、夏でも涼しく快適な気候で自然を満喫できる口コミがSNSを中心に広がったためです。また、名古屋・アルペンルート、富士山、東京等ともFIT・団体ツアーともに組み合わせやすく、リピーターも生んでいるようです。

■網走の流氷体験ツアー: 流氷観光砕氷船おーろらの乗船や、専用スーツを着用して流氷の上を歩く流氷ウォークなど、北海道ならではの冬の自然を体感できます。これらの体験は、年々タイの現地旅行会社でも採用が増えており、北海道ブランドの中でも差別化された人気コンテンツとなっています。


ユニークさを再発見し、「自分自身のメディア」で発信し、自らファンを育てよう

日本のインバウンド事業者は、アジア全体を巻き込んだ激しい観光プロモーション競争の中で、「自分たちの場所にしかないユニークな価値」を明確にし、それを“分かってくれる外国人に確実に届ける”戦略こそが、今後の生き残りのカギと考えます。

1,自分たちの「ユニークさ(世界インバウンド市場における強み)」はなにか?
2,その「ユニークさ」を分かってくれる顧客層はどこの誰か?
3,インバウンドの目的に応じ、1,2で最も効果的な手法はなにか?
4,「自社メディア」で情報発信・会話を継続し続けることでファンを育てていく

世界でのインバウンド誘致合戦の中、既にインフルエンサー活用や広告のみでの閲覧数稼ぎの時代は過ぎ、地域固有の魅力を再発見し磨き上げ、数は少なくともファンになってくれるターゲットに届く形で、Facebookページなど自身の持つメディアで発信し、ファン候補と会話を続けファン化していく。
――この地道な積み重ねこそが、世界を相手にした観光競争で勝つための現実的な道と考えております。

私たちも、地方ならではの生き残りに向けて、皆様と共に歩み、ご支援させていただきたいと存じます。

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タイ最大級フランチャイズ博覧会レポート:拡大する日本食市場と現地で成功するためのポイント

2025年6月4日から7日まで、バンコクのバイテックバンナー(BITEC)で「Thailand Franchise & Business Opportunities(TFBO)2025」が開催されました。このイベントはタイ最大規模の国際フランチャイズ展示会であり、200以上のトップブランドが12業種にわたって出展。ASEAN市場を中心に、世界40カ国以上から7,000人を超える投資家やビジネス関係者が集まりました。

タイで拡大する日本食レストラン市場と人気業態

タイでは日本食レストランが年々増加しており、2024年には全国で約6,000店舗に達しています。新規開店が閉店数を大きく上回り、市場は拡大傾向です。バンコクを中心に、寿司、ラーメン、居酒屋、しゃぶしゃぶなどが特に人気で、最近は高級「オマカセ」(オマカセは既にタイ語になっています)やカフェスタイルの日本食店も増えています。競争は激しいものの、多様な日本食業態が広がっているのが特徴です。

タイでの日本飲食店の成功事例

「CoCo壱番屋」は、タイでは「高級日本式カレー」として現地チェーンと連携し、価格や品質、ブランドイメージを現地向けに再設計したことで成功しています。その成功によって日本式カレーがタイカレーと共存し日常食となりつつあります。

また古くは、石川県発祥の「8番らーめん」も、トムヤムラーメンなど、タイ人の好みに合わせたメニュー開発や学生でも手の出る価格設定、日本らしい清潔感とサービスの徹底により、今や学校帰りの高校生から家族まで幅広く愛される国民的日本レストランとしてタイの日常風景に定着しています。

そんな日本食が日常となりつつあるタイ・バンコクにおいて、今回のTFBOには世界から200以上のブランドが集まり、日本食では、とんかつ青木、スタンド園田、焼肉トラジ、なぎ屋など多様な日本食ブランドが、現地パートナーや専門機関の支援を受けてタイ市場への参入を進めています。これらのブランドは、写真に見えるように料理だけでなく店の雰囲気や体験価値など、独自のコンセプトで差別化を図っている点が特徴です。

タイ市場で成功するためのポイントは「多様さへの理解」

タイで飲食フランチャイズや日本食店を成功させるには、まず、現地の食習慣や商習慣への深い理解が不可欠です。
食習慣でいうと、タイでは家族や友人と料理をシェアして楽しむ文化があり、外食や屋台利用が日常的です。スーパーにはハラルコーナーが設けられ、ビーガンも広く認知されています。タイ料理は酸味・辛味・甘味・塩味のバランスが特徴で、東アジアとは異なりスパイスを多用する文化です。健康志向や品質重視の消費者も増えており、貴社商品の形態を変えながら多様なニーズに柔軟に対応することが求められます。

また商習慣面では、契約や運営面では日本とは異なる規制や商習慣があるため、足元をすくわれないよう現地パートナー任せにせず、自ら現場に足を運び、タイ語や文化、食卓のマナーまで体感しながら、タイ人関係者や顧客層と丁寧に信頼関係を築く姿勢と技能を持つことが長期的な成功の鍵となります。

ご参考までに、タイ等のイベント開催情報を公開しております。ぜひ現地にお越しいただき、ビジネス拡大の一助としてご活用ください。
https://docs.google.com/spreadsheets/d/19AmawkE7y6a7ME9SAQ7Y4BpV1Xa8Ahz-_k5dSv31jCc/edit?usp=sharing

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(以下、当イベントの写真が複数枚続きます)

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タイバンコクにて、猫専門イベント開催!

タイ国内最大級の見本市会場インパクトアリーナで、3月28日~30日に猫専門のイベントが開催されました。

ペットは家族!

少子高齢化が進むタイでは、ペットを家族の一員とみなす「ペットの人間化」が進んでおり、単身者や子供を持たない夫婦(DINKS)の増加も背景に、2024年のタイのペット市場規模は750億バーツ(約3,330億円)に達し、2023年比で12.4%の成長が見込まれています。

タイでは、犬(1,200万匹)と猫(800万匹)が最も人気のあるペットです。2022年時点で、タイの全世帯の37%がペットを飼育しており、これは2019年の34%から増加しています。日本では犬、猫ともに8%台との数字がありますので、かなり多くの世帯でペットを飼育していることがわかります。
市場規模を飼育世帯数で割ると、1世帯あたり月額約3,540円のペット関連支出がある計算になります。

今後も少子高齢化に伴い、ますますタイのペット関連市場は拡大していくと思われます。

5月1日~4日にも、QSNCCのホール5~8で「Pet Expo Thailand 2025」が開催されました。

このように、バンコクではペットフェアが多く開催されています。

 

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タイ国内旅行祭り2025が盛況、特急「キハ183」活用した地方ツアーも注目

2025年3月26日~30日にバンコクのクイーン・シリキット・ナショナル・コンベンションセンター(QSNCC)で、年1回開催の「タイ国内旅行祭り2025」が開催されました。

本イベントでは、タイ全国77県がそれぞれの観光資源と特産品を積極的にアピールしており、中でも特に注目を集めているのが、日本国内で活躍した特急型ディーゼル動車「キハ183系」を活用したタイ地方への周遊ツアーです。JR北海道の車両が異国の地で新たな観光の目玉となる試みは、鉄道ファンのみならず、幅広い層の関心を集めています。

今回発表されたツアーは、日帰りでのカンチャナブリ・戦場にかける橋訪問ツアーから、1泊2日でのペチャブリーの熱帯雨林体験ツアーまで、計6つのコースが用意されています。これは、タイ国鉄の新たな観光戦略の一環と見られ、既存のインフラを有効活用し、多様な旅行ニーズに応える意欲的な取り組みと言えるでしょう。

 

タイの観光業界視点から見ると、タイの旅行市場は、この「キハ183系」ツアーのようにタイ国内の新たな体験や訪問地への関心が高まっており、海外旅行と同様、国内旅行市場でもディスティネーションの多様化が進んでいます。

タイ政府は観光業を重要な経済成長の柱と位置づけており、今後もこのような官民一体となった取り組みを通じて、国内外の旅行需要を喚起し、経済成長に伴う「大旅行時代」をさらに加速させていくことが期待されます。

 

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【タイでは、東北旅行よりスイス旅行が安い!?安価な海外旅行先が続々】タイTTT旅行博レポート

現在ではタイ国際旅行博TITFを追い越す勢いで、年数回も開催されているタイ総合旅行博TTT(タイティアオタイ)、現地に参加して印象に残ったタイ海外旅行の価格トレンドをレポートします。

日本地方旅行よりヨーロッパ旅行の方が安い!

①ヨーロッパが東北より安い!
バンコクから便数が多い欧州方面は、トルコの3万バーツ(約15万円)、イギリス・フランス・イタリアなど複数国を巡るツアーや、スイスのみの4泊7日のツアーが6万バーツ(約30万円)台と、東北など日本の直行便のない地方より安い場合が多い

②中国香港台湾が格安!
香港・台湾・中国大陸ツアーが1万バーツ(約5万円)~と格安

③アメリカ大陸や中東、アフリカツアーも続々!
距離的に遠く、数が出ていないツアーは1人10-26万バーツ(約50-130万円)程度で、アジア格安ツアーと二極化

以上が印象に残ったタイ海外旅行の価格トレンドになります。
その他の現地の詳細やトレンド、訪日ツアーについても、お気軽にご相談ください。

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アジアイベントリスト(タイ・シンガポール・インドの観光・物産・コンテンツ関連イベント)は随時更新しています。
※TTTは元々国内旅行博で政府の補助もあり年間複数回開催されていましたが、海外旅行ブームに伴い、徐々に国内外旅行博に変わったものになります。

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北海道がタイで「ローインパクト」なインバウンドセミナーを開催。その背景は?

北海道観光機構は2025年2月18日、バンコク都内ホテルでタイの旅行会社約20社を対象に、アドベンチャーツーリズムセミナーを開催しました。高橋が参加してきましたのでレポートします。

「ローインパクト」で持続可能なアドベンチャーツーリズム

セミナーでは、
・網走の流氷ウォーク(ウェットスーツ着用)
・室蘭のイルカウォッチング
・札幌圏の犬ぞり体験
・函館での日本猿の温泉
などを含む北海道各地を巡る5日間のモデルコースが提案されました。

北海道観光機構は、冬の観光だけではなく、グリーンシーズンの魅力もPRしています。
北海道はオーバーツーリズムにならないなど旅行客による地域の悪影響が少ない「ローインパクト」で持続可能な観光に取り組んでおり、その最重要施策としてのAT(アドベンチャーツーリズム)で、じっくりと地域に滞在し大自然の大切さを理解できる旅を提案しています。

現在の日本においては、単なる訪日客数の増加を追求するのではなく、価格訴求型の大量誘客から脱却し、地域の自然環境や文化的背景を尊重した質の高い観光体験を提供することが重要になっています。地域に根差した暮らしや価値を理解し、それを訪問者と共有することで、持続可能で調和のとれた交流が生まれます。こうした観光のあり方は、地域経済の活性化を促すと同時に、交流人口の着実な拡大にも寄与します。今こそ、日本各地が自らの強みを再定義し、オーバーツーリズムを回避しながらも着実な成長を目指す「地域創生型インバウンド」への転換を進めるべき時期に来ていると言えるでしょう。

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タイで「本物の」日本コンテンツ産業が成長中! 3つの成功事例を紹介

2025年2月8日(土)~2月9日(日)に、バンコク都心の百貨店セントラルワールドを会場にアジアでも最大級のオールジャパンイベント「ジャパンエキスポタイランド(Japan Expo Thailand 2025)」が開催されました。

ジャパンエキスポタイランドとは、日本のアニメやゲーム、アイドルなど、日本のサブカルチャーに特化した東南アジア最大級のイベントです。タイにおいて観光や貿易だけではなく、コンテンツ産業が日本にとっての一大産業に成長している様子が目に見えるイベントでした。

今回は、タイ現地での日本サブカルビジネスの成長と、3つの成功事例をご紹介いたします。

タイでのコンテンツ産業の成功事例

①任天堂「ポケモンユナイト タイ版」では、プレイヤーの課金額が日本の1.8倍*、任天堂公式ショップも昨年11月にバンコク都心にオープンしました。
タイのビデオゲーム市場は東南アジア1位・世界でも20位の規模に達しています。タイ人は歴史的・文化的背景から傾向的に「射幸心」をくすぐられることに弱いです。

②バンナム運営の「ガンダムベース タイランド」では、来店客単価推定が5,000円前後と高付加価値ビジネスモデルを確立しています*。
ちなみに舶来品となるタイでのガンプラ価格は日本の2倍ほどですが、ガンプラの中華製の偽物がはびこるタイでも、ガチなファンは価格が倍でも本物を選びます。

「アニメイトバンコク」では、開店初年度から黒字化しており、決算情報からその後も高い売上と顧客単価を保っています。
全体の売上の2割をアクティブな顧客の4.5%が生み出しており、その月間購入平均単価は1万円前後と推測されます*。 アニメのキャラクターに限らず、タイ人男性ならアイドル・タイ人女性ならBLへの傾倒もトレンドとなっています

これらの事例が示すように、タイは日本企業が持つコンテンツ制作力とブランド力を最大限に活かせる戦略市場として急成長を続けています。 キーワードは「高価でも本物」ですね。
タイ人は偽物ではなく本物を保有する価値に誇りを持ち、タイ政府も知的財産保護制度(IP登録制度)にも積極的なため、メイド・イン・ジャパンの製品は偽造品に悩むことが少なく、IPビジネスを横展開しやすいです。

2025年もタイをはじめ、シンガポールやインドの各都市でも、日本関連のイベントが数多く開催されています。
(リンクはアジアイベントリストのGoogleスプレッドシート)

現地でのコンテンツビジネス支援についても、お気軽にご相談ください。

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*印は各種データからの当社調べ

TITFタイ国際旅行博レポート~団体旅行・FITの人数と価格に変化が~

去る2025年1月16日(木)~19日(日)まで、タイ・バンコクのQueen Sirikit National Convention Centerにてタイ国際旅行博TITF2025が開催されました。

いくつか、タイ市場の変化に気づきましたのでレポートいたします。

 

①中国大陸・台湾・香港・マカオの人気がすごい

TITFでは、日本だけではなく中国大陸・台湾・香港・マカオがPR大攻勢、各国NTOはお寺詣でや伝統工芸DIY、チアリーディング、無料スイーツなど趣向を凝らした仮旅行体験を提供しています。
(タイ人入国イミグレ問題が続く韓国は、今年は不参加です。)

特にこれらの中華系東アジア諸国は、ツアーの価格も九州などを除くと日本のほぼ半額以下となっており、他の東南アジア同様人気となっています。

 

②団体旅行もFITも少人数化

各旅行会社へのヒアリングによると、訪日旅行だと団体旅行でもこれまでのような30名とかではなく、十数人程度の小グループが見られるとのことです。

中華系東アジア諸国に旅行者を取られた結果、申し込みが少なくなって価格も上がる、という悪循環を生んでいるように思われます。

また、家族友人単位のFITでも少人数化がみられるようです。

 

③訪日市場の動向

日本の地方の中では、タイから近く、2万バーツ台〜と安い九州の売れ行きが良いです。

九州は、これまであまり人気だったわけではなくタイ人にとってまだ「Unseen」であることが安いことも相まって人気の様子。

逆にタイから直行便がなく、遠い東北地方は、コロナ禍前に比べて新しいディスティネーション群に押されがちな状況です。

6万バーツ台からと、時に欧州より高価なこと、タイ市場ではすでに過去より人気で一巡したことも人気低下の原因と思われます。

 

日本はタイ人の海外旅行先として未だ一番人気ですが、ミドルハイ層では、気球体験トルコ・英仏伊欧州ツアーが人気上昇中、北米ツアーも増加中です。

 

以上、タイでは中華系東アジア諸国との差別化や、価格の納得性に対する課題が出てきています。

タイもシンガポール同様、高付加価値旅行への取り組みを行うタイミングが来ているのかもしれません。

→当社の高付加価値市場への取組みについてはこちら

 

タイ・マレーシア・シンガポール・インドネシア・ベトナム・フィリピン・インドの訪日事情について、詳しくはお気軽にお問い合わせください。

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今冬、タイで人気の海外ツアー

【今冬、タイで人気の海外ツアー】

新年も、タイ等東南アジア訪日市場も盛り上がりそうです。
ご参考までに、現在タイの有力旅行会社が販売に力を入れている訪日以外の海外ツアーをご紹介します。

・中国本土各地への格安ツアー、ラブブ購入ツアー
・ハルビンの雪まつりや、スイスの雪体験ツアー
・欧州は、東北等日本の地方より安いツアーも多い
・富裕層は、アラスカのオーロラやアフリカのサバンナなど、家族で行くUnseen(見たことのない)ツアーが定番
・旅行代金が安いトルコ、東欧、香港ツアーが人気

これらツアーの特徴と価格帯をふまえて、タイ人観光客やタイの旅行会社と触れられるとPRに効率的かと思います。
タイ人に刺さる、雪やイベント、Unseenが訪日以外の海外旅行でも人気、また相対的にお得感がある中国、東西欧州にも海外旅行先が広がっています。
※2025年1月4日時点のレートは約4.6円/1タイバーツ

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