カンボジアと聞いて、地雷や貧困、裸の子供たち、内戦など思い浮かべる方も多いことだろう。
私は今後、タイ・マレーシア・シンガポール・インドネシアのASEAN4だけでなく、メコン地域、つまりベトナム・カンボジア・ラオスも合わせて日本企業に対する比較検討の選択肢として揃えたいと考え今回、プノンペンに再訪、得た感想を備忘録として以下に記しておくことにした。
A 現地では高級店となるイオンモールプノンペンが進出し、おしゃればショッピングストリートが登場するなど、プノンペン市民の経済状況は上向。現地人の収入も、数年前から比べても数パーセント〜数十パーセント程度増えているようで、購買力もそれに応じて強くなっているのが分かる。普段の生活では1ドル程度の飲食、イオンモールや日本食やピザ等外国料理では10ドル近く使うことも1ヶ月に1度ほどあるようである。商品としてはタイ製品がカンボジア商品より信頼がある。欲しいものはiPhoneなどスマートフォン→またはSUVなど自動車→コンドミニアム。 米ドルが流通紙幣なのは安心できるが、盆地であるからか昼間の暑さによる経済活動の停滞は恒常的なリスクである。
A イオンモールプノンペンが出来たことで、日系企業の進出が増えている。具体的にはダイソーなどの消費財からアニメグッズ、DHCなど美容関連、伊予製麺のさぬきうどんやしゃぶしゃぶ、寿司等バイキング食べ放題、カレー、牛丼など主だった日本食は出揃っているようであるが各料理の競合まで至っていない。プノンペンは人口200万人の都市であるが、今後は、不動産賃貸業レオパレスの進出やマルハングループの銀行業に代表されるように規模は隣国のタイやベトナムに比べて小さいながらもサービス業においてバンコクのように多様性が育てられて行くと思われる。外資企業の設立は隣国に比べてゆるい。イオンモールは今後4店舗をカンボジア国内に開店するということである。
富裕層マーケットも、ナガワールドのカジノや、自動車ランドローバーやベンツなど高級自動車を見る限り一定の可能性はあるようである。
A ここ10年ほどの間に大学に通えたくらいの都市部の若者は、英語からパソコン技能、モラルまで先進国の若者20代と遜色ないレベルである。しかし40代以上の高年齢や地方出身者となると、かつてのクメール・ルージュに代表される長期間の混乱の影響から、教育水準やモラル、職業技能については厳しい面があることは否めない。
またその歴史的過程から多くがベトナムに反感を持っており、比較的親中国であり、自分の子供は中国人とは結婚させても良いがベトナム人とは許さないという風潮がある。日本に対しては一般的に親日である。
国民のほとんどが仏教徒であるが、戒律はゆるく、寺の境内で集まりの時なども肉を焼いて食べれるほどである。
今は雑多なメモ書きにすぎないが、情報を整理してまたこちらに加筆修正していきたい。
(アジアクリック/高橋学)