ASEAN主要7カ国+インド マーケットの入口

ASEAN訪日ブログREPORT

 バンコクで中国観光イベントが開催|中国ツアーは格安、訪日ツアーに影響も

中国の誘客イベントがバンコク都心で開催

バンコクの大型複合施設One Bangkokで、2025年9月12日~14日の週末に、中国観光・文化イベント「月見を楽しみ、満月は世界じゅうに」が開催されました。
ステージでは中秋節をテーマにした舞台が催され、四川省重慶やなどの自治体、Air Chinaや中国東方航空などの航空会社がブース出展し中国の地方のPRが行われました。

中国ツアー商品は格安で、四季の豊かな旅行先が揃っている

会場では、中国銀行などによる旅行商品の特別割引や0%分割払いといった価格面での訴求が前面に押し出されていました。 中国ツアーの価格は、たとえば重慶3泊4日が9,333バーツ(約43,000円)、同じチラシ内に掲載された東京・富士山ツアー5日3泊が26,888バーツ(約124,000円)と比較すると、訪日ツアーに比べて非常に安価でした。
中国ツアーは、北のハルビンから南の昆明まで幅広い気候帯を有し、日本と同様に一年を通じて春の花、夏の自然、秋の紅葉、冬の氷雪といった四季の観光地を横断的に提案できる点が強みとしです。

 

日本の地方のインバウンド誘致担当者も、中国など格安ツアーの競合を分析し、「高かろう・良かろう」戦略に役立てよう

更に、昨今はCompax – ASAHI TravelやA Double Plus、Jubilee Travelなど地方の訪日ツアー企画に特に強いタイの有力旅行会社や、Quality ExpressやSUPER TRIPといったタイの大手旅行会社が中国旅行商品の取り扱いを強化し続けています。 販売リソースや告知枠が中国向けに配分される局面が増えることで、同時期の訪日商品の露出や販売機会が相対的に薄くなる傾向が見られます。

日本側は、以下の点を進めることで、競合の強みを踏まえつつオーバーツーリズムに対処し、持続可能な誘客につなげることができます。

① 価格ではなく体験価値・時間価値で差別化
日本の地方ならではの体験や文化的価値を前面に出し、中国のような分割払いや早割、セット特典などの「安売り競争」は前面に出さず、富裕層や日本文化を理解できるタイ人リピーター層を地方に誘致する。

② 季節×地域の独自性を生かしたPR再設計
冬の景色とグルメ、秋の紅葉と温泉、春の桜と花見弁当といった、日本ならではの組み合わせで魅力を打ち出す。

③ 旅行会社が活用できる素材の早期提供
タイ人の目線で「美しい」「Unseen(まだ知られていない)」と感じられる画像や動画、モデルコースを作成し、遅くとも各シーズンの半年前までに現地旅行会社へ提供する。

当社も、タイとシンガポールからの「高付加価値旅行」誘致支援を開始しました。
https://asiaclick.jp/2024/08/08/6390/

お気軽にご相談ください。

アジアクリック 高橋学