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ブログへ【アジアでの日本人の役割】敵対心渦巻くアジアは、日本人がまず経済から結び付けないとならない(AECの課題)
1)ASEANという国々
タイ・マレーシア・シンガポール・インドネシア・ベトナム・フィリピン・ミャンマー・ラオス・カンボジア・ブルネイ。
ASEANの10カ国である。AEC(ASEAN経済共同体)が発足したが全くと言っていいほどASEAN市民の生活にも聞こえてこない。せいぜいバンコクの電車の中か、ホーチミンの町中の看板、マニラのTVCMくらいである。
ASEANは6億人を越す市場で、2020年には、その大半が世帯年収200万円を越す中間層になると思われる。食べ物と住む所の安全が満たされ、一族である一定の安定した収入が得られるようになったASEAN市民は、次により美味しい外食を求め、高い教育を求め、自己実現をさえ求められる段階に来ている。大方人口ボーナス期にあるASEANにおいて経済成長に合わせてこの動きはますます加速していくだろう。東アジアを取り巻く状況は読者もご存知だと思うのでここでは割愛する。
2)AECの課題その1「実利が一致していない」
話をAECに戻したい。AECはなぜ有効に動かないのか? 筆者は「お互いの好き嫌い」「実利が一致していない」ことに根幹をなしていると考えている。たしかに、タイでもミャンマー人はより多く見るようになったし、マレーシアでは更に多くのバングラディッシュ人が入国し華人を抜いているとまで言われる。私は幸いASEANを週替りに移動して4年になるが、身近なASEANの友人からも「より良い場所に働きに行けるようになったことぐらい」がAECで実効性があるのである。
一例をあげると敬愛的な結びつきで成功しつつあるのは、タイとカンボジア間の食料品の輸出入である。隣国であり他国より安く享受できるメリットが有り、しかもタイの加工食品やカンボジアの豚肉などお互いに質が高い。カンボジアでは質が高いといえばメイド・イン・ジャパンでなく、メイド・イン・タイなのである。
3)AECの課題その2 「お互いの好き嫌い」
失敗しているのはマレーシアとインドネシア。ほぼ同言語で言葉も通じ同じムスリム国家であるにもかかわらず反感感情は非常に強い。文化と民族が近いだけに、起源説やどちらが上、下といった問題が横たわっており東アジアの日中韓感情のようなものである。そのほかにも、歴史的に戦争を行ってきた経緯があるタイ人はミャンマーを嫌い、カンボジアはベトナムを嫌い、ラオス人はタイ人を嫌い、マレーシアはシンガポールを嫌い…という地政学も成り立ち内に秘めた両国間の感情はよろしくない。
また、民族的にも基本的には地元民と華僑はタイ以外うまくいっていないし、宗教では大部分を占めるイスラム教徒と、華僑を中心に広がりを見せるキリスト教徒は仲がいいとはとても言えない。
4)ASEAN全てが好きな国とは?
しかし、これらの国々10ヶ国全ての国民の8割以上が「好きだ」と答えている外国がある。
そう、我らが日本である。
今の強国日本をつくってくれた坂本竜馬は、当時江戸幕府を越える力を持っており、お互いに憎しみ渦巻き殺し合いを行う薩摩藩(現鹿児島県)と長州藩(現山口県)を手を握らせた。どうやって? 仲立ちに立って薩摩藩名義で長州藩の軍艦・銃を購入し長州藩は幕府軍に勝利出来たし、薩摩藩が食が貧しい時長州藩の米を好きなだけ提供できるようにした。最終的に竜馬の仲立ちで薩長同盟が成立、近代国家である明治政府が完成することとなる。我が日本が西欧列強の植民地にならず、豊かで身分公平で近代的な豊かさを享受できているのは、坂本竜馬はじめとした脱藩浪人たちの思いと行動力があったがためである。しかしマレーシアのブミプトラ政策(マレー人優先政策)にはじまり、経済的差別は広がっている。これは資本主義は富めるものはますます富み、貧しいものはますます貧しくなるという原則のためである。この点の議論は次回に譲りたい。
5)日本人の若者よ、アジアの坂本竜馬たれ!
とにかく、問題が山積しているアジアにおいて、ここまで読み進めてくれたあなたには、ぜひアジアの仲立ちをお願いしたい。
そして、経済大国に生まれ全てのアジアにビザフリーで行けるあなたに、現代の坂本竜馬となっていただきたい。
坂本竜馬たりえるのは誰か、 志をアジア、世界に向けるあなたである。
中岡慎太郎たりえるのは誰か、熱意をもって人に伝えることが出来るあなたである。
桂小五郎たりえるのは誰か、 大義のためには乞食までみをやつせる、忍耐強いあなたである。
西郷隆盛たりえるのは誰か、 損得を度外視し、同志のためになら死ぬことも厭わないあなたである
お互いのプライドと理由は(理解できなくても)尊重されなければならない。
お互いの興味を引きつけなければならない。
感情が難しいのなら、まず、実利で結び付けさせないとならない。
まずあなたが好きなアジアの2つの国をみつけよう。
そして彼らの相互利益になることをみつけよう。
仲違いの2国間貿易を実現し、それぞれの市民にPRをしよう。
お互いを讃えよう。
これが、日本人のアジアによる役割である。
(アジアクリック/高橋学)
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