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紙オムツでイスラム系母親の愛用者を3倍に増やしたPR戦略
こんにちは、アジアクリックシンガポールスタッフのHinaです。
今日から、日本企業の皆様にも馴染みの深いブランドのイスラム世界に対しての成功事例を4回に分けてシェアします。
2030 年には世界人口の26% に達すると推計されるイスラム人口。ムスリム人口の国別上位 10 位のうち、4 位までがアジアで1位はインドネシア。またマレーシアはイスラム世界のハラル(イスラム合法)ハブになっており、人口3000万人に対しマレーシアを訪れる外国人観光客が2500万人と日本の2.5倍。私たち日本人の日常には遠く思われるイスラム教徒だが、シンガポールを中心とするASEANでは日常であり、日系各社もイスラム市場の取り組みをASEANマーケットからはじめている。今回はその成功事例ならびに、どこから手を付けるべきか、以下に実例を紹介します!
ユニ・チャーム(マレーシア)の事例
マレーシアに進出して15年が経つユニ・チャームは、長年に渡ってこの国特有の「民
族の壁」に苦しめられてきた。主力製品である紙オムツ「マミーポコ」は中華系(国
民の25%)には一定の支持を集めていたが、主流のマレー系(国民の66%)には
認知されていなかった。
このマミーポコパンツ バリューの売りである「子供を立たせたままオムツ交換が出来る」という利便性がなぜ周知されていないかその原因を探るべく、マレー系の母親宅を地道に50軒以上訪問した結果、PR方法がパンツタイプのオムツを利用した事がないマレー系の母親にこの商品が持つ新しい価値を伝えきれていなかったのだ。
新しいPR方法として売り込むポイントを「価格」ではなく「利便性」に絞った。
2010年8月には商品名をパッケージを刷新。商品名を「マミーポコ イージーフィッ
トパンツ」に変え、パッケージにはパンツタイプのはかせやすさを強調した写真を掲
載した。
また、年一回のラマダン(断食月)の月が来ると電車やバスに乗って一斉に帰省を始
める。狭い社内で赤ちゃんに立ったままはかせることが出来るパンツタイプの紙オム
ツはとりわけ利便性を実感してもらいラマダンには「帰省にはイージーフィット」と
店頭や広告でイメージアピールを行った事などの戦略が奉功し3年で3倍の売上に伸び
たのである。
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