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モバイルフェア@ヤンゴン、ミャンマーモバイル機器の最新事情!
みなさん、おひさしぶりです。ヤンゴンの後藤です。
ちょっと前になりますが、ヤンゴン中心部に近いタマドーホール(国軍ホール)でモバイルフェアをやっていたので、行ってきました。
最新のミャンマーモバイル機器情報です。
モバイル革命真っ最中のミャンマー、モバイルフェアも大盛況
以前、「ミャンマーの携帯事情」で取り上げたように、今まさにミャンマーではモバイル革命の真っ最中だ。
電話もパソコンもインターネットも一般の人には縁遠かったミャンマーで、つい2年ほど前から急激に携帯電話、それもスマホが大流行し始めた。このモバイルフェアも大盛況だった。
目立つ韓国メーカーのサムスンとLG、客の入りは?
まず一番目立ったのがサムスンとLGの韓国メーカーだ。
屋外ポスターもホール入り口の大きな看板もこの両者が陣取っていた。
ホールに入ってすぐ右側にサムスンの大きなブース、左側には同じ大きさのLGのブースが並んでいた。
サムスンとLG、ブースの大きさは同じくらいだったが、客の入りは圧倒的にサムスンが多かった。
最近でこそ、Huawei(華為)に押されてきているが、サムスンのネームバリューはまだまだ強い。
即売会を開いていたが、次から次へと売れていた。
サムスンの携帯は以前からミャンマー市場に入っていたが、LGはつい最近だ。
家電はLGもネームバリューがそこそこあるが、スマホは参入していなかったので、ほとんど知られてなかった。
そのLGが今回大々的にミャンマー市場に入ってきた。
ミャンマー語表示のスマホを売り出したりと、かなり力を入れているが、ミャンマーでは新参者だからか客はあまりいなかった。
ブランド力のあるソニー、ブース面積と客入りは控えめ
ソニーのブースはLGのすぐ前だった。
ただし、ブース面積はサムスンやLGの1/5くらいで、客の入りはボチボチ。あまり元気がない。
ソニー自体のブランド力はミャンマーではまだあるので、がんばってほしいところだ。
盛況な中国のHuaweiブース、そして明らかになる「なぜGoogle系サービスが使えないのか」の謎
サムスンのすぐ裏(※8/1追記:裏ではなく「横」でした)にHuawei(華為)のブースがあった。
ブースの大きさも客の入りもサムスンとほぼ同じ。
コンパニオンも綺麗どころがいて、ブース全体に元気があった。
Huaweiのブースで聞きたいことがひとつあった。
それは、Huaweiのスマホではなぜか Google Play も Google Map も使えないのだ。
日本人の友人がヤンゴンでHuaweiのスマホを買って帰り、散々格闘したが結局無理だった。
なぜ使えないのかその理由を聞きたかったのだ。詳しそうな係員に話しかけた。
なんと、ミャンマーで売られているHuaweiの多くは中国国内で売られている製品をそのまま持ってきたものだった。
中国国内では Google Play も Google Map も使えないようにAndroid OSに細工をしているのだ。
Huawei が日本など国外に輸出している製品だと、Google Play も Google Map も使える。
あくまでも中国国内の情報統制のため、国内で売っている製品のみを制限しているのだ。
その国内向けの製品をわざわざミャンマーに持って売っている。
なぜ、国内品をミャンマーに輸出するのかという理由が他にあった。
中国国内品をそのままミャンマーに輸出する理由
ミャンマーでは携帯事業会社が国営のMPTしかない(近々、外資2社が営業を始めるが)が、主なネットワークが GSM, W-CDMA, CDMA 450, CDMA 800 と4種類もある。
このCDMA 450 と CDMA 800が曲者だ。 このCDMAの設備は中国から来たものだった。
中国で使わなくなった古い通信機材がミャンマーにやってきたのだ。
ミャンマーでは、特に地方のほうでCDMA 450しか繋がらない地域が非常に多い。
でも、CDMA 450は世界的にはマイナーな規格なので、対応している携帯の種類が非常に少ない。
そこで出てきたのが中国国内でCDMA 450対応の製品を売っているHuaweiだった。
CDMA 450のSIMを買った人は携帯の選択肢が非常に少なく、Huaweiなどの中国製を買うしかなかった。
こうしたことから、CDMAならHuaweiという評判になり、CDMA 800でもHuaweiが圧倒的に強くなった。
最近はGSMやW-CDMAにもHuaweiのシェアが広がってきているという状況だ。
安さと規格が合う…ミャンマーで一番売れている携帯、Huawei
今ではミャンマーで一番売れている携帯はHuaweiだ。
特に1万円前後の安い価格帯のスマホはHuaweiが圧倒的に強い。
それらのスマホでは Google Play も Google Map も使えないのだが、一般のミャンマー人はあまり知らないし、気にしていないようだ。
ただし、同じHuaweiでも中級以上の製品だとミャンマーでもインターナショナル版が売られていて、それらは他社のスマホと同じように制限なしで使うことができる。
創業者は中国系ミャンマー人のHTC、国際的なシェアの落ち込みが響く?
Huaweiの話がずいぶんと長くなってしまったので、話を戻す。
Huaweiの裏にはHTCのブースがあった。
HTCの創業者Peter Chouは、なんとマンダレーで生まれた中国系ミャンマー人だ。
若いころ台湾に渡り、仲間とHTCを立ちあげた。
そんな経緯があるからか、HTCはミャンマーではミャンマー語版スマホなども販売してがんばっていたが、最近はあまり元気がない。
国際的にシュアが落ちているのが影響しているのだろう。
ビジネスチャンスは逃さない!シンガポールやフィリピンのメーカーも出展
他には、私が聞いたことがないメーカーもブースを出していた。
SINGTECHというシンガポールのメーカーはかなり大きなブースを出していたが、人気は今ひとつだった。
Cherry Mobileというフィリピンのメーカーもあったが、客は誰もいなかった。
その前にはSYHというシンガポールのメーカー。こちらも閑散としていた。
携帯、スマホ市場が立ち上がったばかりのミャンマー、ビジネスチャンスだとばかりにこうしたマイナーなメーカーもやって来たのだろう。
ミャンマーでは中古ショップも人気。
こちらでは中古ショップが出店していて、けっこう人気があった。
ヤンゴンの繁華街では中古携帯の露店をよく見かける。偽iPhoneや偽サムスンなど怪しい製品もこうした露店に置いている。
今年から外資の携帯キャリアも参入予定、日本のKDDIも国営MPTと提携決定
ところで、ミャンマーでは今年から外資の携帯キャリア2社、Ooredoo(カタール)とTelenor(ノルウェー)が営業を始める。
当初は7月に営業開始の予定だったが、どうも10月ころになりそうだ。
また、今までミャンマーの携帯を独占していた国営のMPTも、日本のKDDIとの提携が決まった。
世界で最も携帯の普及が遅れていた国のひとつミャンマーだったが、これから急激に世界に追いついていくのだろう。
(アジアクリック・ミャンマー担当/後藤)
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